決意表明

北川 聖

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決意表明

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どこまで行ってもどこまで書いてもキリがない詩の世界。

たとえ認められたとしても一切の報酬はない。

廃人への道をまっしぐらに進んでいる。

父はとうに亡くなり母がいつも腫れ物に触るように見ている。

「それで食べていけるのかい、私がいなくなっても生きていけるのかい」

昨日の重労働で肘を痛め、机から浮かせ、一つずつキーを押すのがやっとだ。

僕はいつも何も答えない。詩で成功するとはまったく考えていない。

ただ他に対する興味が全くないので詩を書く以外にないのだ。

土木作業は週に3回である。休みの日に集中して書いている。

僕の詩は泥臭くない。汗と泥を完全に体から除去して書いている。

これは儀式のようなものだ。以前は小説を書いていたが、発表できる場がなかった。

僕はこの生活を続けていく、一生を棒に振っても構わない。もともと僕がこの世に生まれる予定はなかった。

それは父母の会話からはっきりと聞いた。もともと僕はこの世にいないものとして生きている。それなら何をしてくたばろうと誰も知ったことじゃない。

今日も書いていく、この文章は決意表明のようなものだ。今後もこうして生きていくという表明だ。
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