偽りの姿 ===騎士は月光の下で乙女を求める

夢のままで

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16 ダレン幸せを知る

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ダレンは一人浴槽で動けなかった。


「初めて女性に風呂の世話をしてもらったな・・・」


イーフィの手で髪を洗ってもらうのは至福だった。
上手だったように思う。
手際がいいというか。
まさか、初めてではない?
そう思うとなんかムカムカ?モヤモヤ?する。


背中を流してもらったときは力が無いせいかくすぐったかった。撫でてるだけなんだろう。普段自分ではゴシゴシやっているからな。


イーフィの格好を思い出してしまい。また顔に熱がこもる。


駄目だ。考えてはいけない。
とにかく早く捻挫を治さなくては。こんな幸せが続いたら俺はどうなってしまうんだ?


風呂から出るとイーフィがお茶を勧めてくれる。
今日はイーフィの体調も落ち着いていたので明日は王都に向かって出発することになった。


王都まで5日間ほど。
気を緩めることなくイーフィを守って行かなければ。
ダレンは新たに決心した。


その晩、就寝したベッドの上でダレンは考え込んでいた。
何故か気が付くとイーフィを目で追っていたり イーフィの姿が見えないと不安になっていることに気が付いたのだ。


俺はどうしたんだ?
イーフィを目で追うのは心配だからとしても居ないと不安になって探して安心するなんて。


俺は小さい子供じゃないんだぞ。まるで母親を求める幼子のようだ。
それは決してない。
なんでだ?


そっち方面には全く疎いダレンにはどんなに考えても答えがわからないのだった。




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       ----------------------------------------




ゴトゴトゴトゴト.....
「へい!お客様方、お待ちどう様です。着きましたよ!」


馬車はようやく王都に着いた。何人かの乗客が降りていく中、最後に体格のいい男と若い娘が降りた。
そう、ダレンとイーフィだ。


「ダレンさん今までありがとうございました。」
ダレンに深々と頭を下げるイーフィにダレンは行った。


「いや、こちらこそ世話になったな。俺の捻挫も完治した。これも、イーフィのお陰だ。」


「そんな!もとは私を助けておったケガです。それくらい当然ですよ!」


なんでもないと顔の前で手をふるイーフィにダレンは暖かい微笑みをたたえて言った。


「今日は王都に着いた祝いに私の屋敷で夕食でもどうだ?いや、是非 来て欲しい。」


「えっ、ダレンさんの屋敷ですか?でも、庶民の私がお邪魔しては...」


「何を言う。今は騎士だが私も元は庶民だ。」


「えっ、そうなのですか?」


「あぁ、だから遠慮しないで来て欲しい。」


「では、お言葉に甘えて宜しくお願いします。」


ダレンとイーフィはお互い微笑みながらダレンの屋敷へと向かうのだった。


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