チートだけど、俺はこの先がチートだと思う

アルトリア王国

両親の悩み

俺の名前はギリア、元王国騎士だ
俺は今悩んでいる
どうするか、この事を国王に伝えるべきか？

「あなた、大丈夫？」
「あぁ、大丈夫だ」

俺と妻は長い事一緒に居た、平民の俺を側付きになったのが、王国一の問題姫
リリア・アルトリア・サンドライト、国の第3王女となんやあって結婚か、わからない物だったな

「リリア、コレを見てくれ」
「これは、カナタが作ったのね」

流石は母だな、いや当たり前か
しかし困った、コレは予想外だ、こんなインフレ武器をサラッと作ってしまうとは
サバイバルナイフは本来は星1、だがこの武器は星3、こんな物はドワーフ国でも見た事も聞いた事もない

「カナタはコレをどうやって作ったんだ？」
「そうね、本来武器によって星は決まっている筈なのにカナタはそれを無視したわ
それにこの特殊能力、これはなんなの？ダンジョン産の武器でも見たことが無いわ」
「魔術の消費無効、文字通りなら、魔法を使った時に消費しないと言う事になるな」
「そんな事ありえるの？回数を増やすならともかく、確率で消費なしは明らかに狡いわ」

そうだな、魔法は1日に撃てる回数が決まっている
範囲魔法なんかは最高でも４回が限度だ、それにこの装備を合わせたら？考えただけで地獄絵図だ
俺も妻も戦争経験者だから言える、戦争なんて無い方が良い

「どうするべきか、この武器はこの国の未来の為には必要になる」
「そうね、サバイバルナイフにある火属性は本来は無い筈よね」
「あぁ、多分カナタが星を上げた時に付いた属性だろうな
確かに星一つで決定的な差になるが、まさか唯の武器が属性武器になるとはな」
「そうね、コレは国を左右するわ」

アルトリア王国では日々怯えている物がある
一つは疫病、もう一つは疫病で死んだ人のアンデット
疫病は大半重症になり死ぬ、死んだ人間は未練が強く、アンデットになる
火葬してもレイスになりより厄介になる、かと言ってしなかったらグールやゾンビになる
だから、村と墓はかなり距離を置いて作られている
ゴブリンやオークの被害より、アンデットの被害の方が遥かに多い
それどころか、ゴブリンやオークもアンデットになる始末だ

「アンデット系に2番目に効く火属性があるのは大きい、もし聖属性が作れるなら安全性は格段に上がるな」
「そうね、コレもカナタの固有、なのかしら？」
「そうだろうな、しかし困ったな、この武器一つでかなりパワーバランスを崩すな」
「あまり言いたく無いけど、私は今の王国内部のままでは教えるべきでは無いわ
アルトリア王国の貴族は自分の領土を広げる事に躍起だわ
民を切り捨てでも自分の領土を広げる事に異常な執着がある、そんな所にカナタの事を知ったら」
「奴隷や戦争になるだろうな」
「はぁ～考えたくは無いわ、10年前の繰り返しは私はゴメンよ」

そうだな、アレは酷かった、あんな出来は無い方が良い
いや、あの戦争は異例と言うか異質と言うか
とにかく人同士の争いでは無かったからな

「そうだわ、あなた、カナタの机にこんな物が見つかったわ」
「うん？何かあったのか？」
『%$→+♪アルトリア王国の三つの領地はネクロポリスになるだろう
それと同時に隣国のヴォルトブ国が侵略に仕掛ける、だが軍はネクロポリスに飲み込まれるだろう
アルトリア王国に希望など無い、たが一つ言えるだろう
腐敗は腐敗で解決するだろう』
「酷いな、こんな現実的な厨二を見るとは」
「あなた、確かに起こりそうだけど、他にもまだあるのよ」
「まだあるのか、あるな・・・あぁ～なんでだろうな本当に起こりそうだから怖いな」