5 / 183
新たな世界へ
3.始まりの祠 前半
しおりを挟む
■始まりの祠
あたり一面が先ほどの水晶に覆われている、工学的な部屋ではなく鍾乳洞のように上下左右が不均衡になっている。
(ホログラムか?でなければ3D?でなければ、マジで異世界? )
武は頭の中で信じていない自分と対話した。
床を触ってみる。でこぼこした実感が伝わってくる。
壁の水晶にも触ってみるがやはり実感がある。
においもする、土のにおいだ。頬に湿気も感じる。
先ほどと違う場所にいることは間違いない。
しかし、本当に映像が切り替わるように周囲が変わった。
アニメのように暗い通路を光の速さで通過する演出などは無かった。
後の二人を見ると、二人とも武を見ている。
「さっさと行きましょうよ。リーダー」
小澤が武を促すが、心なしかトゲがある気がする。
部屋は一箇所開口部があって、その先は通路のようになっている。
今いる場所よりは水晶が少ないようで、かなり薄暗いが足元が見えないほどではない。
「じゃぁ行こうか」
武は返事をして通路へ歩き出した。
「小澤さんは3回目ってことだけど、前回の派遣はどこまで進んだの?」
「洞窟を出て、すぐの森で全滅」
「えっ! マジで?町までたどり着けず? ちなみにその前は?」
「町にたどり着いて剣の修行を少しやったけど、2回目の派遣のときにはリーダーがドタキャンでバイト辞めたんで、結局は派遣中止」
吐き捨てるように小澤が言う。
「前回町にたどり着けなかった原因は?」
武は足を止めて、小澤に聞く。
「リーダーがくそ野郎で、二人なのに洞窟出たらレベル上げするとか言って森に入って迷って、見たこと無い獣に囲まれてズタズタって感じ。要は2回ともリーダーが使えないんスヨ。まぁ、基本フリーターですからね」
冷ややかな目で小澤がこちらを見る。
(なるほど、小澤君はリーダー不信って感じね。でも、前のバイト先にもフリーターを下に見る大学生って結構いたよな)
「そういう感じね、じゃあ、今回は洞窟出たらまっすぐ町へ向かおう。小澤さんも気がついたことあったら教えてね」
武は無難に返事しておいた。
「高田さんはどんな感じでしたか?」
歩き出しながら、高田にも武は聞いてみた。
「大体同じです」
高田は下を向いたまま返事してくる。
しばらく歩くと、洞窟が二股に分かれていた。
「小澤さん前回とその前、左右どっちに進んだか覚えてる?」
「1回目は左、2回目は右だけどどっちも出口に出た。右のほうが早かったかな」
協力的な返事だったので、小澤に礼を言って右へ進んだ。
5分ほど進むとまた分岐になっている。
相変わらずあたりは薄暗い。
「次もどっちだったか覚えてる?小澤さん」
「・・・」
小澤は返事をせず、立ち止まって戸惑ってる。
「高田さん、前回と違うよね?」
高田は首を傾げたが、小さな声で「たぶん」と答えた。
「なるほど、洞窟が変化しているのか?前回と違う洞窟に飛ばされたのか? それ以外の何かがあるってことね。」
「そんなことマジであるんスか?」
「それは俺にもわからない、何せ初めてだし。異世界なんだから」
武は分岐点の地面にナイフで右にむけた矢印を書いて、右の通路へ進んだ。
「とりあえず、分かれ道があったら全部右に行くことにしよう。」
返事は無かったが特に異論も無いようだ。
右へカーブする通路を進むと、突然武の背中に何かが落ちてきた!
とっさに体をゆすって振り払う。
振り返ると足元のうごめく水の塊を小澤が木刀でなぎ払っている。
水の塊は二つに分かれて動かなくなった。
「小澤さん、ありがとう。これはスライムかな?」
「たぶん、そんなやつです。名前は知りません。」
近くで見ると水の塊は粘り気があるようだ。
イメージ的にはスライムそのもの。
「じゃぁ、スライムってことにしよう。この洞窟は前回どんなモンスターが出てきた?」
「今のやつと後は蝙蝠《こうもり》と小鬼かな。」
「苦戦した?」
「いや、素手でもいけるレベルだったし、今回は俺もコイツがあるから楽勝だと思います」
小澤は得意げに木刀を持ち上げた。
戦うのは好きなようだ。
しばらく洞窟を進んでいくと蝙蝠が上から飛んできた。
屈んでかわすと後ろの小澤が木刀で叩き落して、落ちた蝙蝠を踏みつける。
思ったより大きい、羽を広げると1m近くありそうだ。
爪はそれほど大きくないが、口元を見ると歯がギザギザに尖っている。
噛まれると出血は確実だ。
その後も何度か分かれ道を右に進むが中々出口にたどり着かない。
同じところを回っているわけでは無いので、かなり大きな洞窟のようだ。
二人とも前回と全く違う洞窟だと言っている。
洞窟の天井が高く、幅も広がった広場のような場所にたどり着いたときに、岩棚の陰から石が何個か飛んで来た。
「痛っ!」
山田と小澤が声を漏らす、壁際で小さな影が動いている。
後ろの高田も何か声を漏らしているので振り向くと後ろからも石が飛んでくる。
こぶしより少し小さい石で、骨が折れるようなダメージは無いがあざにはなるだろう。
「小澤さん後ろをお願い!」
山田はナイフを右手に持って前へ出た。
物陰からの投石は続く、左手で顔をブロックしながら走り、うごめく影のひとつをサッカーのインステップキックで蹴り飛ばす。
「フギャァッ」と言う声がし、10メートルぐらい吹っ飛んだ。
武のひざぐらいの高さの小人だ。
後3匹いるが、1匹が棒切れで武の足を叩いてきた。
左足の外側で受けたが、軽くしびれるような痛さだ。
背が低いのでナイフでは刺しにくい。
小さく踏み込んでトゥキックを小人の顔面付近に2匹連続で叩き込む。
喉元と顔面にそれぞれヒットし、相手の歯が折れた感触が足先に伝った。
2匹は呻き声を発しながら、通路の奥へ走っていく。
もう一匹いるので向き直った瞬間に背後で何かが落ちた大きな音がした。
『ズシン!!』
あたり一面が先ほどの水晶に覆われている、工学的な部屋ではなく鍾乳洞のように上下左右が不均衡になっている。
(ホログラムか?でなければ3D?でなければ、マジで異世界? )
武は頭の中で信じていない自分と対話した。
床を触ってみる。でこぼこした実感が伝わってくる。
壁の水晶にも触ってみるがやはり実感がある。
においもする、土のにおいだ。頬に湿気も感じる。
先ほどと違う場所にいることは間違いない。
しかし、本当に映像が切り替わるように周囲が変わった。
アニメのように暗い通路を光の速さで通過する演出などは無かった。
後の二人を見ると、二人とも武を見ている。
「さっさと行きましょうよ。リーダー」
小澤が武を促すが、心なしかトゲがある気がする。
部屋は一箇所開口部があって、その先は通路のようになっている。
今いる場所よりは水晶が少ないようで、かなり薄暗いが足元が見えないほどではない。
「じゃぁ行こうか」
武は返事をして通路へ歩き出した。
「小澤さんは3回目ってことだけど、前回の派遣はどこまで進んだの?」
「洞窟を出て、すぐの森で全滅」
「えっ! マジで?町までたどり着けず? ちなみにその前は?」
「町にたどり着いて剣の修行を少しやったけど、2回目の派遣のときにはリーダーがドタキャンでバイト辞めたんで、結局は派遣中止」
吐き捨てるように小澤が言う。
「前回町にたどり着けなかった原因は?」
武は足を止めて、小澤に聞く。
「リーダーがくそ野郎で、二人なのに洞窟出たらレベル上げするとか言って森に入って迷って、見たこと無い獣に囲まれてズタズタって感じ。要は2回ともリーダーが使えないんスヨ。まぁ、基本フリーターですからね」
冷ややかな目で小澤がこちらを見る。
(なるほど、小澤君はリーダー不信って感じね。でも、前のバイト先にもフリーターを下に見る大学生って結構いたよな)
「そういう感じね、じゃあ、今回は洞窟出たらまっすぐ町へ向かおう。小澤さんも気がついたことあったら教えてね」
武は無難に返事しておいた。
「高田さんはどんな感じでしたか?」
歩き出しながら、高田にも武は聞いてみた。
「大体同じです」
高田は下を向いたまま返事してくる。
しばらく歩くと、洞窟が二股に分かれていた。
「小澤さん前回とその前、左右どっちに進んだか覚えてる?」
「1回目は左、2回目は右だけどどっちも出口に出た。右のほうが早かったかな」
協力的な返事だったので、小澤に礼を言って右へ進んだ。
5分ほど進むとまた分岐になっている。
相変わらずあたりは薄暗い。
「次もどっちだったか覚えてる?小澤さん」
「・・・」
小澤は返事をせず、立ち止まって戸惑ってる。
「高田さん、前回と違うよね?」
高田は首を傾げたが、小さな声で「たぶん」と答えた。
「なるほど、洞窟が変化しているのか?前回と違う洞窟に飛ばされたのか? それ以外の何かがあるってことね。」
「そんなことマジであるんスか?」
「それは俺にもわからない、何せ初めてだし。異世界なんだから」
武は分岐点の地面にナイフで右にむけた矢印を書いて、右の通路へ進んだ。
「とりあえず、分かれ道があったら全部右に行くことにしよう。」
返事は無かったが特に異論も無いようだ。
右へカーブする通路を進むと、突然武の背中に何かが落ちてきた!
とっさに体をゆすって振り払う。
振り返ると足元のうごめく水の塊を小澤が木刀でなぎ払っている。
水の塊は二つに分かれて動かなくなった。
「小澤さん、ありがとう。これはスライムかな?」
「たぶん、そんなやつです。名前は知りません。」
近くで見ると水の塊は粘り気があるようだ。
イメージ的にはスライムそのもの。
「じゃぁ、スライムってことにしよう。この洞窟は前回どんなモンスターが出てきた?」
「今のやつと後は蝙蝠《こうもり》と小鬼かな。」
「苦戦した?」
「いや、素手でもいけるレベルだったし、今回は俺もコイツがあるから楽勝だと思います」
小澤は得意げに木刀を持ち上げた。
戦うのは好きなようだ。
しばらく洞窟を進んでいくと蝙蝠が上から飛んできた。
屈んでかわすと後ろの小澤が木刀で叩き落して、落ちた蝙蝠を踏みつける。
思ったより大きい、羽を広げると1m近くありそうだ。
爪はそれほど大きくないが、口元を見ると歯がギザギザに尖っている。
噛まれると出血は確実だ。
その後も何度か分かれ道を右に進むが中々出口にたどり着かない。
同じところを回っているわけでは無いので、かなり大きな洞窟のようだ。
二人とも前回と全く違う洞窟だと言っている。
洞窟の天井が高く、幅も広がった広場のような場所にたどり着いたときに、岩棚の陰から石が何個か飛んで来た。
「痛っ!」
山田と小澤が声を漏らす、壁際で小さな影が動いている。
後ろの高田も何か声を漏らしているので振り向くと後ろからも石が飛んでくる。
こぶしより少し小さい石で、骨が折れるようなダメージは無いがあざにはなるだろう。
「小澤さん後ろをお願い!」
山田はナイフを右手に持って前へ出た。
物陰からの投石は続く、左手で顔をブロックしながら走り、うごめく影のひとつをサッカーのインステップキックで蹴り飛ばす。
「フギャァッ」と言う声がし、10メートルぐらい吹っ飛んだ。
武のひざぐらいの高さの小人だ。
後3匹いるが、1匹が棒切れで武の足を叩いてきた。
左足の外側で受けたが、軽くしびれるような痛さだ。
背が低いのでナイフでは刺しにくい。
小さく踏み込んでトゥキックを小人の顔面付近に2匹連続で叩き込む。
喉元と顔面にそれぞれヒットし、相手の歯が折れた感触が足先に伝った。
2匹は呻き声を発しながら、通路の奥へ走っていく。
もう一匹いるので向き直った瞬間に背後で何かが落ちた大きな音がした。
『ズシン!!』
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる