16 / 183
勇者を目指して
14.魔法剣はすごかった!
しおりを挟む
■ スタートス 聖教会裏
(やっぱり、あの剣ではムリかぁ)と思いながらタケル達は高くに放り投げられた2本の短剣を目で追った。
ゆっくり回転している短剣が落下に入った瞬間にブラックモアが動いていた。
落ちて来た短剣を左右の手で掴むと同時に右の短剣を前方へ突き出す、そのまま前へ出る勢いを殺さずに、左右の足を踏み変えて回転し左の後ろ回し蹴りを中段に放った。更に回転を止めずに、屈みながら右手の短剣で横になぎ払う。
流れるような連続攻撃だった。ブラックモアが動き出したことを理解してから、止るまで1、2秒だろうか? フィギュアスケートで足を変えながらスピンしたように見えた。
唖然とするタケル達に向かって、
「短い武器を手にしたときは、いかに相手の懐(ふところ)に入るかが鍵になります。今は相手の目線をずらしてから体術を意識した連続攻撃をしてみましたが、剣や槍を持つ相手に通用するかは、お互いの間合いとスピード次第でしょう。」
「獣相手なら、相手の攻撃をかわしながら、踏み込むタイミングが重要だと思います。」
息も切らさずに説明しながら、ブラックモアはそろえた短剣をアキラさんに返した。
「どの武器も、それぞれの間合いが異なりますが、それぞれの武器の特徴を理解して、間合いを掴む修練をされるのが良いと思います。槍の場合はその長さが最大の強みであり、弱みになります。」タケルの槍を手にしたブラックモアが続ける。
「まずは強みを活かす為、先ほどのレイピアと同じように、遠い間合いから一気に突く練習を修練されると良いでしょう。」
左足を前に半身になったブラックモアは、右腰に槍を両手で持ち少し膝と腰を落として構えた。
「ハァッ!」気合ともに一瞬で前方へ飛び出し、着地と同時に右手を一気に突き出した。
槍の穂先はレイピアのときよりも大きく前に移動している。
「武器の長さがある分、先ほどのレイピアよりも遠い相手に届いているのがわかると思います。反対に言うと、槍を持つ者はレイピアが届かない位置で構えなければ強みが薄くなります。これが、間合いの基本的な考え方です。」
「最後に魔法剣をご説明して、後はそれぞれの修練を始めていただきたいと思います。」
「魔法剣は先ほどの剣術に魔法の力を加えることにより、破壊力を増し、間合いを長くとることが可能になります。」
ブラックモアは自分の剣を鞘から抜いて右上段に構えた。
少し息を吸ってから、目を閉じる。
目を開けると同時に剣の先端部分が炎に包まれた。
「ハァッ!!」と言う気合とともに、先ほどと同じく上から斜め下に切り込んだが、横から見ているタケル達には炎で剣先が1mぐらい伸びたように見える!!
そのまま、回転して2撃目3撃目を放つが、炎をまとった剣は先ほどより大きな弧を描いている。
(スゲェ、超カッコイイ)と思ったのはタケルだけでは無い。
後の3人も子供のように目を輝かせている。絶対自分達もやってみたいと思っているはずだ。
「炎の力をお借りすることで、剣の力を増大させることが可能です。事前にお話した通り、魔法剣の力には剣術と魔法力の両方を必要としています。皆様には、魔法剣の前にそれぞれの剣術・槍術と魔法を修練いただきたく存じます。」
剣を鞘に収め、向き直ったブラックモアがマリンダに合図を送った。
マリンダは麻袋の中に、木や布が入った的を二つ持ってきて立木に縛りつけた。
「タケル様とナカジー様はこちらの的に向かって、「突き」の練習をしてください。
できるだけ遠い場所から、一気に突けるようになることが重要です。」
ブラックモアが地面にそれぞれの線を引き、構える位置を教えてくれた。
ダイスケとアキラさんは回転しながら攻撃するために、しっかりした下半身の動きに上半身を合わせる練習をするようだ。
少し見ていると、ブラックモアがダンスのステップのように足の動きを教えている。
タケルとナカジーはひたすら、的に向かって飛びかかった。
「突き」チームの二人にはマリンダがついて見守ってくれている。
マリンダ効果でタケルは張り切りすぎたかもしれない、飛び込みと槍を突き出すタイミングがあってきた頃に右手に痛みを感じた。見ると手のひらの皮が剥けていた。
「お見せください。」気がついたマリンダがタケルの手を取ってくれた。
マリンダが手をかざすと、あっという間に傷が元通りになっていた。
「マリンダさんありがとうございます。ところで、ケガや傷はどの程度までなら魔法で治療できるのですか?」
「魔法士の力にもよりますが、私なら骨折程度は元通りになります。最高位の魔法士なら、生きている方なら元に戻すことが可能と聞いております。」
(スゲェ)思わず、マリンダさんを見つめた。
「治療の魔法はアシーネ様にお願いするのですか?」
「はい、光の神アシーネ様は時の流れをもつかさどる神様です。私どもはケガや病気になる前にお戻しいただくように神にお祈りいたします。」
「私にも使えるようになるでしょうか?」
「魔法の種類によって、魔法士との相性があります。私の場合は光の魔法と相性がよく、炎の魔法はあまり相性が良くありません。タケル様の場合は・・・、グレン様に非常に愛されておいでですので、光の魔法が炎の魔法と同じように使えるかは・・・。」
「ですが、勇者様ですので、私たちと同じように考える必要も無いかもしれません。いちどに全部と言うわけにはまいりませんので、明日からそれぞれの魔法を順番に試してまいりましょう!」
「突き」チーム二人は日が暮れるまで、ひたすら的に飛び掛った。
「ステップ」チーム二人も日が暮れるまで、ダンスを踊った。
完全に日が落ちたので4人とも練習を終え、マリンダとブラックモアに礼を言ってから、宿へ戻った。
気候は5月の札幌並に乾いた空気でヒンヤリしているが、タケルはかなり汗をかいた。
食堂に入ると香ばしい香りがする。
「お帰り、今日はご馳走だからね。もう、いつでも食べられるよ!」とミレーヌが明るく迎えてくれた。
リアンもいるが、相変わらずミレーヌの後ろだ。
少し、体を拭いてから食堂に戻ることにして、それぞれ一旦部屋へ戻った。
(やっぱり風呂が欲しいなぁ、シャワーでもいいけど)タケルはスティンにどんな手順で何をお願いするかを考えながら、服を脱いで汗をぬぐった。
(やっぱり、あの剣ではムリかぁ)と思いながらタケル達は高くに放り投げられた2本の短剣を目で追った。
ゆっくり回転している短剣が落下に入った瞬間にブラックモアが動いていた。
落ちて来た短剣を左右の手で掴むと同時に右の短剣を前方へ突き出す、そのまま前へ出る勢いを殺さずに、左右の足を踏み変えて回転し左の後ろ回し蹴りを中段に放った。更に回転を止めずに、屈みながら右手の短剣で横になぎ払う。
流れるような連続攻撃だった。ブラックモアが動き出したことを理解してから、止るまで1、2秒だろうか? フィギュアスケートで足を変えながらスピンしたように見えた。
唖然とするタケル達に向かって、
「短い武器を手にしたときは、いかに相手の懐(ふところ)に入るかが鍵になります。今は相手の目線をずらしてから体術を意識した連続攻撃をしてみましたが、剣や槍を持つ相手に通用するかは、お互いの間合いとスピード次第でしょう。」
「獣相手なら、相手の攻撃をかわしながら、踏み込むタイミングが重要だと思います。」
息も切らさずに説明しながら、ブラックモアはそろえた短剣をアキラさんに返した。
「どの武器も、それぞれの間合いが異なりますが、それぞれの武器の特徴を理解して、間合いを掴む修練をされるのが良いと思います。槍の場合はその長さが最大の強みであり、弱みになります。」タケルの槍を手にしたブラックモアが続ける。
「まずは強みを活かす為、先ほどのレイピアと同じように、遠い間合いから一気に突く練習を修練されると良いでしょう。」
左足を前に半身になったブラックモアは、右腰に槍を両手で持ち少し膝と腰を落として構えた。
「ハァッ!」気合ともに一瞬で前方へ飛び出し、着地と同時に右手を一気に突き出した。
槍の穂先はレイピアのときよりも大きく前に移動している。
「武器の長さがある分、先ほどのレイピアよりも遠い相手に届いているのがわかると思います。反対に言うと、槍を持つ者はレイピアが届かない位置で構えなければ強みが薄くなります。これが、間合いの基本的な考え方です。」
「最後に魔法剣をご説明して、後はそれぞれの修練を始めていただきたいと思います。」
「魔法剣は先ほどの剣術に魔法の力を加えることにより、破壊力を増し、間合いを長くとることが可能になります。」
ブラックモアは自分の剣を鞘から抜いて右上段に構えた。
少し息を吸ってから、目を閉じる。
目を開けると同時に剣の先端部分が炎に包まれた。
「ハァッ!!」と言う気合とともに、先ほどと同じく上から斜め下に切り込んだが、横から見ているタケル達には炎で剣先が1mぐらい伸びたように見える!!
そのまま、回転して2撃目3撃目を放つが、炎をまとった剣は先ほどより大きな弧を描いている。
(スゲェ、超カッコイイ)と思ったのはタケルだけでは無い。
後の3人も子供のように目を輝かせている。絶対自分達もやってみたいと思っているはずだ。
「炎の力をお借りすることで、剣の力を増大させることが可能です。事前にお話した通り、魔法剣の力には剣術と魔法力の両方を必要としています。皆様には、魔法剣の前にそれぞれの剣術・槍術と魔法を修練いただきたく存じます。」
剣を鞘に収め、向き直ったブラックモアがマリンダに合図を送った。
マリンダは麻袋の中に、木や布が入った的を二つ持ってきて立木に縛りつけた。
「タケル様とナカジー様はこちらの的に向かって、「突き」の練習をしてください。
できるだけ遠い場所から、一気に突けるようになることが重要です。」
ブラックモアが地面にそれぞれの線を引き、構える位置を教えてくれた。
ダイスケとアキラさんは回転しながら攻撃するために、しっかりした下半身の動きに上半身を合わせる練習をするようだ。
少し見ていると、ブラックモアがダンスのステップのように足の動きを教えている。
タケルとナカジーはひたすら、的に向かって飛びかかった。
「突き」チームの二人にはマリンダがついて見守ってくれている。
マリンダ効果でタケルは張り切りすぎたかもしれない、飛び込みと槍を突き出すタイミングがあってきた頃に右手に痛みを感じた。見ると手のひらの皮が剥けていた。
「お見せください。」気がついたマリンダがタケルの手を取ってくれた。
マリンダが手をかざすと、あっという間に傷が元通りになっていた。
「マリンダさんありがとうございます。ところで、ケガや傷はどの程度までなら魔法で治療できるのですか?」
「魔法士の力にもよりますが、私なら骨折程度は元通りになります。最高位の魔法士なら、生きている方なら元に戻すことが可能と聞いております。」
(スゲェ)思わず、マリンダさんを見つめた。
「治療の魔法はアシーネ様にお願いするのですか?」
「はい、光の神アシーネ様は時の流れをもつかさどる神様です。私どもはケガや病気になる前にお戻しいただくように神にお祈りいたします。」
「私にも使えるようになるでしょうか?」
「魔法の種類によって、魔法士との相性があります。私の場合は光の魔法と相性がよく、炎の魔法はあまり相性が良くありません。タケル様の場合は・・・、グレン様に非常に愛されておいでですので、光の魔法が炎の魔法と同じように使えるかは・・・。」
「ですが、勇者様ですので、私たちと同じように考える必要も無いかもしれません。いちどに全部と言うわけにはまいりませんので、明日からそれぞれの魔法を順番に試してまいりましょう!」
「突き」チーム二人は日が暮れるまで、ひたすら的に飛び掛った。
「ステップ」チーム二人も日が暮れるまで、ダンスを踊った。
完全に日が落ちたので4人とも練習を終え、マリンダとブラックモアに礼を言ってから、宿へ戻った。
気候は5月の札幌並に乾いた空気でヒンヤリしているが、タケルはかなり汗をかいた。
食堂に入ると香ばしい香りがする。
「お帰り、今日はご馳走だからね。もう、いつでも食べられるよ!」とミレーヌが明るく迎えてくれた。
リアンもいるが、相変わらずミレーヌの後ろだ。
少し、体を拭いてから食堂に戻ることにして、それぞれ一旦部屋へ戻った。
(やっぱり風呂が欲しいなぁ、シャワーでもいいけど)タケルはスティンにどんな手順で何をお願いするかを考えながら、服を脱いで汗をぬぐった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる