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勇者候補たちの想い
51.はじめての野営
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■西方州 アイン村 周辺 ~第4次派遣2日目~
的(まと)にしていた岩は、地面から上が完全になくなっている。
岩の破片は近くには見当たらなかった。
アキラさんが殴った方向の地面は雑草が無くなり、20メートル先まで放物線状に土がえぐれている。
(OH MY GOD!)
「アキラさん、拳は大丈夫ですか?」
「うん。」
少年のような笑みでサックをした拳を見せる。
俺のゴッドブローは猫パンチ程度だったようだ。
確かに寸止めしてる時点で、殴ってないといえばその通りだろう。
(ウィン様、アキラさんに力を与えてくれてありがとうございます)
リュックを拾って、野営地に戻ることにする。
怒るナカジーの顔が今から浮かぶ。
野営地に戻ると、予想通りの怒声が飛んだ。
「タケル! あんたでしょ!! 何を爆発させたのよ!!」
「村の人もビックリして、そこいら中を見回りに行ったわよ!!」
「いやぁー、俺じゃぁ無いんだよね。」
アキラさんと目を合わせる。
詳しい話は飯を食いながらと言うことにして、火起こしに逃げた。
石で釜を組んで、短く折った焚き木を入れる。
「ファイア」
3分程度燃えるイメージで小さめの炎を焚き木の下につけた。
メインはバーベキューのようだ。
ソーセージ、ベーコンとさっきもらった野菜が切ってある。
スープも作ると言うので、もう一箇所火を起こす。
上がY字型になった鉄杭を2本地面に刺し、その間に焚き木を入れてさっきと同じ要領で火をつけた。
鉄杭にきの棒を渡して、鍋を火にかける。
焚き木に火が行き渡りだしたので、先に乾杯することにした。
レンブラント差し入れの果実酒を注いでから、アランにしきたりを伝授する。
「では、初の野営とゴッドブローの誕生を祝して乾杯~!」
「で、ゴッドブローってのは何よ。」
ナカジーはトングでベーコンを焼き網に載せながら、タケルをにらむ。
岩場でのコソ連の件を二人に説明した。
「俺も、風でぶっ飛ばすぐらいの予定だったんだけど、ウィン様が思った以上にアキラさんを愛してくれたみたいで、岩が粉砕されちゃったんだよね」
「『ちゃったんだよね。』じゃ無いわよ! どんな音したかわかってんの? 地響きがして、そこいら中から鳥が飛び立ったのよ!!」
ベーコンの油を網に広げながら、怒鳴っている。
「アキラさんは鼓膜が両耳とも破れたみたいだからね。そうだと思う。」
「鼓膜・・・って! アキラさん大丈夫なの?」
「うん、タケルがすぐに直してくれた。」
相変わらずの笑顔で、果実酒をゴクゴク飲んでいる。
「その、メリケンサックって言うの、見せてもらって良いスか?」
ダイスケは渡された金属の固まりを手に載せて重さを量る。
「意外と重いんスね。 でも確かにこれなら、拳は守られる感じがします。」
「そんなの、いつから持ってたのよ。」
「ずっと。」
「ずっと。・・・って!!」
(はい、ずっとです。最初から)
「何で使わなかったんスか?」
「・・・恥ずかしくて。」
(なるほどね)
ナカジーが焼けたベーコンや野菜をどんどんみんなの皿に配っていく。
ほぼ、塩と胡椒だけの味付けだが、焼きたてを外で食べるのはやはり上手い。
「ただ、アキラさん。ゴッドブローは当分封印しといてください。あそこまでの破壊力はいらないでしょう。巻き添えが心配なんで。」
「わかった、普通に殴る練習をする。」
「ええ、グローブ付ければ、それで十分やっていけると思います。」
「うん、そのつもり。」
理解してくれているようでよかった。
あんなものが間違って仲間に当たったら、体の一部が飛んでいくかもしれない。
しかし、ご機嫌な笑顔がずっと続いている。
はじめておもちゃをもらった子供のようだ。
「あたし達はパワーアップしてくれないの?」
ナカジーがスープをかき混ぜながら、タケルに催促する。
「ナカジーは武器よりも魔法ロッドが良いかなと思ってる。ダイスケはその両手剣がいいのか、これから行く先で相談した新しい剣が良いのか・・・それ次第だね。いずれにせよ今回の旅はそれが目的だから。」
「魔法ロッド! やった! これで私も魔法少女ね!!」
「・・・」
アランは我々の話を黙って聞いている。
どこまで理解できているかはわからないが、聞かれて困ることは特に無い。
「アラン、食事は口に合う?」
「はい、とても美味しいです。こんなに味がついているベーコンは初めて食べました。」
(やはり塩漬けは高級品なのか?)
「ところで、この国は白いパンは貴重品なの?」
いま食べているパンは、食パンと違い固くパサパサしている。
「白いパンは食べたことがありません。皇都の教会に納めるものだと聞いております。」
「ダイスケ、お風呂プロジェクトが終わったら、小麦粉の製粉と燻製小屋にチャレンジしない?」
「良いですよ、面白そうですね。」
「難しいことはわかんないけど、小麦粉作るときにもう少しふるいにかければ、綺麗な小麦粉になると思うんだよね。」
「燻製はタルとかでやっても出来るだろうけど、せっかくだからある程度の量を作って町の人に配ろうよ。」
「了解です、戻ったらネットで調べて、今度もってきます。」
「うん、マリア達も積極的に使ってあげてよ。」
これなら、町の人も喜んでくれるかな・・・
的(まと)にしていた岩は、地面から上が完全になくなっている。
岩の破片は近くには見当たらなかった。
アキラさんが殴った方向の地面は雑草が無くなり、20メートル先まで放物線状に土がえぐれている。
(OH MY GOD!)
「アキラさん、拳は大丈夫ですか?」
「うん。」
少年のような笑みでサックをした拳を見せる。
俺のゴッドブローは猫パンチ程度だったようだ。
確かに寸止めしてる時点で、殴ってないといえばその通りだろう。
(ウィン様、アキラさんに力を与えてくれてありがとうございます)
リュックを拾って、野営地に戻ることにする。
怒るナカジーの顔が今から浮かぶ。
野営地に戻ると、予想通りの怒声が飛んだ。
「タケル! あんたでしょ!! 何を爆発させたのよ!!」
「村の人もビックリして、そこいら中を見回りに行ったわよ!!」
「いやぁー、俺じゃぁ無いんだよね。」
アキラさんと目を合わせる。
詳しい話は飯を食いながらと言うことにして、火起こしに逃げた。
石で釜を組んで、短く折った焚き木を入れる。
「ファイア」
3分程度燃えるイメージで小さめの炎を焚き木の下につけた。
メインはバーベキューのようだ。
ソーセージ、ベーコンとさっきもらった野菜が切ってある。
スープも作ると言うので、もう一箇所火を起こす。
上がY字型になった鉄杭を2本地面に刺し、その間に焚き木を入れてさっきと同じ要領で火をつけた。
鉄杭にきの棒を渡して、鍋を火にかける。
焚き木に火が行き渡りだしたので、先に乾杯することにした。
レンブラント差し入れの果実酒を注いでから、アランにしきたりを伝授する。
「では、初の野営とゴッドブローの誕生を祝して乾杯~!」
「で、ゴッドブローってのは何よ。」
ナカジーはトングでベーコンを焼き網に載せながら、タケルをにらむ。
岩場でのコソ連の件を二人に説明した。
「俺も、風でぶっ飛ばすぐらいの予定だったんだけど、ウィン様が思った以上にアキラさんを愛してくれたみたいで、岩が粉砕されちゃったんだよね」
「『ちゃったんだよね。』じゃ無いわよ! どんな音したかわかってんの? 地響きがして、そこいら中から鳥が飛び立ったのよ!!」
ベーコンの油を網に広げながら、怒鳴っている。
「アキラさんは鼓膜が両耳とも破れたみたいだからね。そうだと思う。」
「鼓膜・・・って! アキラさん大丈夫なの?」
「うん、タケルがすぐに直してくれた。」
相変わらずの笑顔で、果実酒をゴクゴク飲んでいる。
「その、メリケンサックって言うの、見せてもらって良いスか?」
ダイスケは渡された金属の固まりを手に載せて重さを量る。
「意外と重いんスね。 でも確かにこれなら、拳は守られる感じがします。」
「そんなの、いつから持ってたのよ。」
「ずっと。」
「ずっと。・・・って!!」
(はい、ずっとです。最初から)
「何で使わなかったんスか?」
「・・・恥ずかしくて。」
(なるほどね)
ナカジーが焼けたベーコンや野菜をどんどんみんなの皿に配っていく。
ほぼ、塩と胡椒だけの味付けだが、焼きたてを外で食べるのはやはり上手い。
「ただ、アキラさん。ゴッドブローは当分封印しといてください。あそこまでの破壊力はいらないでしょう。巻き添えが心配なんで。」
「わかった、普通に殴る練習をする。」
「ええ、グローブ付ければ、それで十分やっていけると思います。」
「うん、そのつもり。」
理解してくれているようでよかった。
あんなものが間違って仲間に当たったら、体の一部が飛んでいくかもしれない。
しかし、ご機嫌な笑顔がずっと続いている。
はじめておもちゃをもらった子供のようだ。
「あたし達はパワーアップしてくれないの?」
ナカジーがスープをかき混ぜながら、タケルに催促する。
「ナカジーは武器よりも魔法ロッドが良いかなと思ってる。ダイスケはその両手剣がいいのか、これから行く先で相談した新しい剣が良いのか・・・それ次第だね。いずれにせよ今回の旅はそれが目的だから。」
「魔法ロッド! やった! これで私も魔法少女ね!!」
「・・・」
アランは我々の話を黙って聞いている。
どこまで理解できているかはわからないが、聞かれて困ることは特に無い。
「アラン、食事は口に合う?」
「はい、とても美味しいです。こんなに味がついているベーコンは初めて食べました。」
(やはり塩漬けは高級品なのか?)
「ところで、この国は白いパンは貴重品なの?」
いま食べているパンは、食パンと違い固くパサパサしている。
「白いパンは食べたことがありません。皇都の教会に納めるものだと聞いております。」
「ダイスケ、お風呂プロジェクトが終わったら、小麦粉の製粉と燻製小屋にチャレンジしない?」
「良いですよ、面白そうですね。」
「難しいことはわかんないけど、小麦粉作るときにもう少しふるいにかければ、綺麗な小麦粉になると思うんだよね。」
「燻製はタルとかでやっても出来るだろうけど、せっかくだからある程度の量を作って町の人に配ろうよ。」
「了解です、戻ったらネットで調べて、今度もってきます。」
「うん、マリア達も積極的に使ってあげてよ。」
これなら、町の人も喜んでくれるかな・・・
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