それ行け!! 派遣勇者(候補)。33歳フリーターは魔法も恋も超一流?

初老の妄想

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勇者候補たちの想い

68.チタの教会武術士

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■ 皇都州 チタ聖教会前 広場  
~第6次派遣1日目~

タケル達を4人の男が囲んでいる。
腰に巻いた紐と一人が帯びている剣をみると、教会の人間だろう。

「この石がどうかしましたか?」

タケルは石をマリンダから受け取って、剣の男に見せた。

「それは、聖教石だな。しかも、加工がしてあるようだ。聖教石は全て教会の管理下にあるものだ。お前が持っていて良いものではない」

(お前呼ばわりはこの世界で初めてだな)

「こちらの方は・・・」

前へ出ようとしたマリンダを押しとどめた。

「私はスタートスの勇者です、この石はスタートスのノックス司祭に許可をいただいて持っています」

「勇者? スタートス? そんな話は聞いていない」

「あなたが知らないのは仕方ないでしょう、私達は教皇が呼んだのですから。それより、あなたたちは誰ですか?初対面にしては、かなり失礼ですけど」

「教皇?・・・、いや、私はチタの教会武術士のライナーと言うものです。失礼があったならお詫びしますが、しかし、何か身分を証明できるようなものをお持ちでは無いでしょうか?」

「証明できるもの? それは特に持ってないですね。この教会に司祭は居ないのですか?」

「いまは、皇都に出かけられておりますが、今晩中にはお戻りになります」

(魔法を見せて、びびらせても良いが・・・)
(こいつらに手の内は見せない方が良いな)

「では、どうしようもありませんね。ですが、お疑いのようですので明朝に司祭へ合いに来ましょう。私はスタートスの勇者タケルです。こちらは、お世話になっている教会魔法士のマリンダさんです」

「・・・わかりました。今日はこの町へお泊りなのですね?」

「ええ、これから宿を探してきます」

(隣のマリンダが見つめる目線が痛い)

「ならば、教会で宿をご案内させていただきましょう」

(なるほど、監視したいんだな)

「そうですか、ありがとうございます。二部屋取れる宿をお願いします」

(隣のマリンダが目をそらした・・・)

ライナーが案内した宿は、大通りを戻ってから一本奥に入ったところにあった。
木造の2階建てで1階は受付とテーブルが3つあるだけの作りだ。
宿泊は1部屋小銅貨2枚(約2,000円)だった。

そのまま、二人でタケルの部屋へ入った。

「ここから、スタートスに戻ろうと思います」

「この宿では泊まらない・・・、のですか?」

(悲しそうな顔をしないでください、俺のほうが・・・)

「ええ、このまま泊まると大変なことになると思いますので」

「?」

(ナカジーとの亀裂が修復できないからね)

タケルは内開きになるドアの下へ、聖教石を突っ込んで扉が開かないようにした。

5本の光聖教石を部屋の床へ並べ、マリンダを抱き寄せる。

「ジャンプ」

■スタートス聖教会 宿舎食堂

マリンダとは教会の転移の間でキスをして別れた。

(オフィスラブってこんな感じなのかな)

食堂に戻ると、ちょうど料理が並んだ状態でメンバーが揃っていた。

「遅い! 何やってたのよ!」

「人助けだね」

3人にチタでの出来事を説明した。

「じゃあ、チタの聖教会は俺たちのことを知らないってことッスか?」

「うん、チタだけでなく、教会の人だからと言って、全員が知ってるわけじゃ無いみたいだね」

「ふーん。じゃあ、ここの人たちはやっぱり良くしてくれているのよね」

「そうだと思うよ、やっぱり自分達の勇者って言う、誇りがあるんじゃない?」

アキラさんが頷いている。

「それで、予定を変更して明日は全員でチタに行って、そのまま皇都へ向かうことにする」

3人とも笑顔になった。
訓練だけだと飽きてくるのだろう。
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