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派遣勇者の進む道
128.新しい神!?
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■ファミリーセブン札幌駅前店 倉庫
~第11次派遣帰還~
派遣4日目の午前中はタケルが考えた防御策の練習を5人で試してみた。そんなに難しいことでは無かったので、実戦で使っても問題なさそうだった。午後はそれぞれ練習して、16時の帰還をそれぞれの部屋で迎えることになった。
帰還した後もダイスケの顔色はあまりよくなかった。身体的なことではなく、精神的にダメージを受けてしまったのかもしれない。明日から大学の試験があるが、そっちに影響がないかをタケルは心配していた。
マユミにはダイスケが休みの間は平日に来てもらうことになった。本人もその方が良いらしく、タケルが休みの火曜日も行きたそうにしていたぐらいだ。
「それで、今回はどうだったの?」
西條は今日も缶コーヒーを用意して、タケルを打ち合わせスペースに誘った。
「また、怪我人が出ました・・・。ダイスケとコーヘイが・・・」
「ダイスケ君は帰るときも元気なかったね」
「ええ、学校の方に影響がないと良いんですけど」
「そうだね、こっちに戻ってくれば体は大丈夫なんだけどねぇ。それで、次はどうするつもりなの?」
「次はナカジ―が一緒ですから、洞窟は先送りにして南の司教に会いに行こうかと思っています」
「ああ・・・、その、中島さんなんだけどね。しばらく休みたいって連絡があったんだよ」
「えっ! しばらくっていつぐらいまでですか?」
やっぱり、前回ダイスケが怪我をしたのを引きずっているのか・・・
「はっきり言わないんだけどね、やっぱり行くのが怖いみたいだね」
「そうですか・・・」
「まあ、バイトと言っても特殊なことをお願いしているから、私も強くはお願いできないしね」
確かにそうだろう、この世界で死ぬわけでは無いと言っても、死にそうに怖い経験を味わうことになるのだから。
「わかりました、俺からもメッセージ入れて様子を聞いてみます」
「そう? 頼むよ。で、南の司教には土の魔法を教えてもらいに行くのかな?」
「ええ、それが目的ですけど、もう一つは魔竜と勇者についてどう考えているのかを教えてもらおうと思っています」
「それは、どういう事だろう?」
西條は眉を寄せて怪訝な表情を浮かべている。タケルは教皇から聞いた南の司教が異世界から勇者を招くことに反対している話を西條に伝えた。
「そうだったのか、私が向こうに居た頃はそんな風でもなかったんだけどね、南に送った勇者達はみんな長続きしなかったんだよね」
「そうなんですか?」
「うん、南の司教は熱心に教えてくれる人のはずなんだけど、副司教は少しクセがあるひとだからかな」
「クセがあるって、嫌がらせでもするんでしょうか?」
「嫌がらせって訳ではないだろうけど、自分の価値観を押し付けるタイプだから、思うように魔法が使えないと、嫌みぐらいは言うだろうね」
-そんな面倒くさい人がスタートスには居なくて良かった。
「副司教は何の魔法が得意なんですか?」
「彼も土魔法だね、それしか使わない。だけど・・・、他にも神が居るはずだって言っているね」
「他に神が!?」
-ドリーミアで他に神が居るとはどういう意味なんだろう?神を信じなければ魔法が使えない世界なのに。
「驚いているのかい?」
「ええ、だって、ドリーミアはアシーネ様の世界ですよね」
「そうだけど、こっち世界に居ると八百万の神っていうぐらい神様がたくさんいるじゃない。僕も、こっちに来てからは他に神が居るっていう考えは否定しなくなったよ。僕たちが知らない神様も居るかもしれないし、新しい恩恵-新しい魔法があるのかもしれないよね」
「確かに、こっちの世界では・・・、俺は神が居るとは思っていないんですけどね。むしろドリーミアで魔法があるから、神が居ると信じているぐらいで・・・」
「なるほどね、魔法があるから神が居ると信じられるか・・・、その考え方もありだね。じゃあ、新しい魔法が見つかれば、新しい神も見つかるってことだね」
「・・・」
西條が言っていることは理解できたが、見つかっていない魔法をどうやって実現するのかが想像できなかった。
「祈る神が判らなければ、魔法は使えないんじゃないですか?」
「我々が知っている範囲ではそうだけど・・・、何事にも始めがあったわけでしょ?だったら、知らない魔法の始まりがあったとしてもおかしくないよね?」
確かにそうだ、火の魔法でも最初に使った人が必ずいる。その人はどうやって・・・
「今の魔法を最初に使った人は誰なんですか?」
「聖教典では、『神の使い』としか記されていない。僕は神そのものじゃないかと思ってるんけどね。僕たちを導くために人の姿で神が現れたと考えているんだ」
「神そのもの・・・、だとすると、他に神が居れば同じように・・・」
「その通り、神が導きたくなる理由は判らないけど、新しい魔法を教えてくれる日が来るかもしれない」
新しい神が新しい魔法を教えに来る。宗教国家の重鎮である西條、いや、サイオンがそんなことを言って良いのかがタケルには疑問だったが、言いたいことはよくわかった。
しかし、南の大教会は司教、副司教が二人とも変り者なのかもしれない。明日からの派遣、ナカジ―が来ないのならもう一度北の洞窟へ行くべきか?
帰って冷えたビールを飲みながらゆっくり考えよう。
~第11次派遣帰還~
派遣4日目の午前中はタケルが考えた防御策の練習を5人で試してみた。そんなに難しいことでは無かったので、実戦で使っても問題なさそうだった。午後はそれぞれ練習して、16時の帰還をそれぞれの部屋で迎えることになった。
帰還した後もダイスケの顔色はあまりよくなかった。身体的なことではなく、精神的にダメージを受けてしまったのかもしれない。明日から大学の試験があるが、そっちに影響がないかをタケルは心配していた。
マユミにはダイスケが休みの間は平日に来てもらうことになった。本人もその方が良いらしく、タケルが休みの火曜日も行きたそうにしていたぐらいだ。
「それで、今回はどうだったの?」
西條は今日も缶コーヒーを用意して、タケルを打ち合わせスペースに誘った。
「また、怪我人が出ました・・・。ダイスケとコーヘイが・・・」
「ダイスケ君は帰るときも元気なかったね」
「ええ、学校の方に影響がないと良いんですけど」
「そうだね、こっちに戻ってくれば体は大丈夫なんだけどねぇ。それで、次はどうするつもりなの?」
「次はナカジ―が一緒ですから、洞窟は先送りにして南の司教に会いに行こうかと思っています」
「ああ・・・、その、中島さんなんだけどね。しばらく休みたいって連絡があったんだよ」
「えっ! しばらくっていつぐらいまでですか?」
やっぱり、前回ダイスケが怪我をしたのを引きずっているのか・・・
「はっきり言わないんだけどね、やっぱり行くのが怖いみたいだね」
「そうですか・・・」
「まあ、バイトと言っても特殊なことをお願いしているから、私も強くはお願いできないしね」
確かにそうだろう、この世界で死ぬわけでは無いと言っても、死にそうに怖い経験を味わうことになるのだから。
「わかりました、俺からもメッセージ入れて様子を聞いてみます」
「そう? 頼むよ。で、南の司教には土の魔法を教えてもらいに行くのかな?」
「ええ、それが目的ですけど、もう一つは魔竜と勇者についてどう考えているのかを教えてもらおうと思っています」
「それは、どういう事だろう?」
西條は眉を寄せて怪訝な表情を浮かべている。タケルは教皇から聞いた南の司教が異世界から勇者を招くことに反対している話を西條に伝えた。
「そうだったのか、私が向こうに居た頃はそんな風でもなかったんだけどね、南に送った勇者達はみんな長続きしなかったんだよね」
「そうなんですか?」
「うん、南の司教は熱心に教えてくれる人のはずなんだけど、副司教は少しクセがあるひとだからかな」
「クセがあるって、嫌がらせでもするんでしょうか?」
「嫌がらせって訳ではないだろうけど、自分の価値観を押し付けるタイプだから、思うように魔法が使えないと、嫌みぐらいは言うだろうね」
-そんな面倒くさい人がスタートスには居なくて良かった。
「副司教は何の魔法が得意なんですか?」
「彼も土魔法だね、それしか使わない。だけど・・・、他にも神が居るはずだって言っているね」
「他に神が!?」
-ドリーミアで他に神が居るとはどういう意味なんだろう?神を信じなければ魔法が使えない世界なのに。
「驚いているのかい?」
「ええ、だって、ドリーミアはアシーネ様の世界ですよね」
「そうだけど、こっち世界に居ると八百万の神っていうぐらい神様がたくさんいるじゃない。僕も、こっちに来てからは他に神が居るっていう考えは否定しなくなったよ。僕たちが知らない神様も居るかもしれないし、新しい恩恵-新しい魔法があるのかもしれないよね」
「確かに、こっちの世界では・・・、俺は神が居るとは思っていないんですけどね。むしろドリーミアで魔法があるから、神が居ると信じているぐらいで・・・」
「なるほどね、魔法があるから神が居ると信じられるか・・・、その考え方もありだね。じゃあ、新しい魔法が見つかれば、新しい神も見つかるってことだね」
「・・・」
西條が言っていることは理解できたが、見つかっていない魔法をどうやって実現するのかが想像できなかった。
「祈る神が判らなければ、魔法は使えないんじゃないですか?」
「我々が知っている範囲ではそうだけど・・・、何事にも始めがあったわけでしょ?だったら、知らない魔法の始まりがあったとしてもおかしくないよね?」
確かにそうだ、火の魔法でも最初に使った人が必ずいる。その人はどうやって・・・
「今の魔法を最初に使った人は誰なんですか?」
「聖教典では、『神の使い』としか記されていない。僕は神そのものじゃないかと思ってるんけどね。僕たちを導くために人の姿で神が現れたと考えているんだ」
「神そのもの・・・、だとすると、他に神が居れば同じように・・・」
「その通り、神が導きたくなる理由は判らないけど、新しい魔法を教えてくれる日が来るかもしれない」
新しい神が新しい魔法を教えに来る。宗教国家の重鎮である西條、いや、サイオンがそんなことを言って良いのかがタケルには疑問だったが、言いたいことはよくわかった。
しかし、南の大教会は司教、副司教が二人とも変り者なのかもしれない。明日からの派遣、ナカジ―が来ないのならもう一度北の洞窟へ行くべきか?
帰って冷えたビールを飲みながらゆっくり考えよう。
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