159 / 183
派遣勇者の進む道
156.南方州へ (3)
しおりを挟む
■南方州入り口の検問
~第14次派遣2日目~
タケル達の前方に8人の教会武術士が、後方には3人の男たちが取り囲む形になっている。
「説明はここですればよいと思いますが、なぜ小屋に行く必要があるんですか?」
「中の方が座ってゆっくりと話が出来るだろう?」
「残念ですが、ゆっくり話をしている時間は無いんですよ。バーンまでは遠いですからね・・・。ですけど、私からも質問が一つあるんですが」
「なんだ? 言ってみろ」
「皆さんは教会の教えや教皇の事を既に信じていないのでしょうか? アシーネ様の事も信じていない?」
「そんなことは無い! 我らは聖教典に記されていることを信じている。だが、教皇様は・・・、間違っておられるのかもしれない」
「間違い? 何を間違っていると言うのでしょうか?」
「お前たちの事だ。勇者を異なる世界から招くなどとは、聖教典には記されておらぬ。教皇様が聞いた神託により、バーンにも勇者を名乗る者たちが来たが、町を見物して帰って行っただけだ。そのような者たちが勇者のはずがないのだ」
-なるほどね、聖教典は信じるが教皇の連れてきた謎の勇者はダメと言う事か。
「確かに、派遣されている勇者は色々いたようですが、私たちは本気で魔竜を倒すつもりですよ? さっき魔法も見せたではないですか」
「確かにそうだが・・・、それでも、あの程度の魔法では魔竜の討伐は出来ぬはずだ。だからこそ、副司教様が・・・」
「副司教? 副司教の命令で街道を封鎖しているのですか?」
「それは、お前たちには関係の無いことだ。このまま来た道を引き返すなら見逃してやる。どうしても南へ行くと言うなら・・・」
男は最後まで言わなかったが、タケルも聞く必要が無かった。
「では、もう一度だけ、魔法をお見せしましょう。皆さんにはアシーネ様が怒っていることを理解してもらう必要があるようです」
「アシーネ様が怒っている? それは一体どういう意味だ?」
「それは神様に直接聞いてもらう方が良いでしょう」
タケルはそう言ってから風の腕輪を握って、台風で車が飛ぶ強さの風を小屋に叩きつけた。 急ごしらえで作られていた木造の小屋に辺りの石や草木が風に乗って激しくぶつかり、大きな音が何度も聞えてくる。
風をそのままにしていると、ガタガタと揺れている小屋から男達が血相を変えて飛び出してきた。
「神様はずいぶんと怒っているようですが、小屋の中に居る人は全員出てきましたか?」
「一体全体、何が起こっているんだ? 」
「中に人が残っていると死んでしまいますけど、良いですか?」
「おい、全員出てきたか?」
「ああ、これで全員だ!」
武術士達のやり取りを聞いたタケルは雷のロッドを取り出して目を瞑った。
-アシーネ様、ワテル様、雷雲と天からの雷を授けてください
タケルの祈りで上空に黒い雲が固まり始めて、あたりが暗くなってきた。
「おい、アシーネ様の怒りとはどういう事だ!? 何が始まるんだ?」
男達はタケルよりも上空の雲を警戒して全員で上を見ていた。コーヘイ達も何が起こるのかわからずに、不安そうな顔をしている。
「サンダー!」
タケルは掛け声とともにロッドを小屋に向けて振り下ろした。雷雲から激しい稲光が走り、小屋を引き裂く爆音が響き渡った。
「「「ウ、ウワァアー! 神の怒りだ! アシーネ様の怒りが・・・」」」
教会武術士達は口々に恐怖の言葉を漏らし、青ざめた顔で黒焦げになった小屋の残骸を見ていた。
「アシーネ様はこのようなことは望んでいないのですよ。皆さんがアシーネ様を信じているなら、何も言わずに私たちを通してください。それが神の思し召しですから」
「・・・」
男達はタケル達から離れた場所で集まって小声で話し始めた。後ろを囲んでいた武術士達も合流している。
「タケルさん、今のは何だったんですか?」
「見るのは初めてだよね? 最初は精霊の腕輪で風を叩きつけてから、雷の魔法で小屋を破壊した。雷って神の怒りっぽいでしょ?」
「確かに。俺もタケルさんの話でアシーネ様の怒りだと信じそうになってましたよ」
タケルとコーヘイも小声で話しながら、ニヤリと笑みを浮かべていた。だが、その横のリーシャは何が起こったか判らずに険しい表情を浮かべたままだった。
-詳しい説明はこの検問を抜けてからにしよう。
男達は5分ほど議論を続けていたが、ようやく結論が出たようだった。背の低い男がタケル達の前に戻って来た。
「あなたの話を信じることにします。神の思し召しであるなら、通っていただいて結構です」
「そうですか、ありがとうございます。では、ここでの検問はやめるのですか?」
「それは出来ません。あなた方が勇者であるなら、司教様にお会いしていただくのが良いと皆の意見は一致しましたが、あなた方以外を通すのは司教様のお許しを得てからになります」
「わかりました。では、我々は南に向かって進ませてもらう事にします」
「ですが、ここから先にも検問が2か所あります。何か聞かれれば、『ロードから許可をもらった』と伝えてください」
「ロード? あなたのお名前ですか?」
「ええ、私は南方大教会の武術士でロードと言います」
タケルはロードに礼を言って、南への歩き旅を続けた。何とか戦わずに済ませること出来て良かった。小屋は申し訳ないことをしたと思うが、そもそも検問も無い方が良いのだから問題ないことにしておこう。
500メートル程歩いて後ろを振り返ると、検問の残骸の周りに集まった武術士達はこちらをまだ見ていた。声が届かないと判断したミーシャが歩きながらタケルに疑問をぶつけてきた。マユミ達も横でそれを聞いている。
「タケルよ、さっきのはお前の魔法なのか?」
「そうだ、俺は雷と雨も出すことが出来るからね」
「雷を・・・、どうすればできるようになるのだ?私にもできるのだろうか?」
「どうだろう? エルフは神様を信じることが出来るのか? そこが一番の問題のような気がするけどな」
「うむ、神か…、我らは信じておらんからな・・・」
リーシャは首を捻りながら離れて行った。代わりにマユミが近づいて来た。
「私は神様を信じてますけど、使えますかね?」
「どうかなぁ? 雷魔法は光の魔法の一つだから、出来ないことも無いと思うけど。この世界でできるのも俺ともう一人しかいないからね」
「えーぇ、なんかタケルばっかり出来てズルイわぁ」
「そうだな、俺もそう思うよ。なんで俺だけがってね・・・」
「?」
タケルは冗談では無くそう思っていた。神に愛されている理由はいまだに解らないし、自分だけ色々な魔法が使えることに喜びがある反面、与えられた責任が重いのも判っていたのだ。
~第14次派遣2日目~
タケル達の前方に8人の教会武術士が、後方には3人の男たちが取り囲む形になっている。
「説明はここですればよいと思いますが、なぜ小屋に行く必要があるんですか?」
「中の方が座ってゆっくりと話が出来るだろう?」
「残念ですが、ゆっくり話をしている時間は無いんですよ。バーンまでは遠いですからね・・・。ですけど、私からも質問が一つあるんですが」
「なんだ? 言ってみろ」
「皆さんは教会の教えや教皇の事を既に信じていないのでしょうか? アシーネ様の事も信じていない?」
「そんなことは無い! 我らは聖教典に記されていることを信じている。だが、教皇様は・・・、間違っておられるのかもしれない」
「間違い? 何を間違っていると言うのでしょうか?」
「お前たちの事だ。勇者を異なる世界から招くなどとは、聖教典には記されておらぬ。教皇様が聞いた神託により、バーンにも勇者を名乗る者たちが来たが、町を見物して帰って行っただけだ。そのような者たちが勇者のはずがないのだ」
-なるほどね、聖教典は信じるが教皇の連れてきた謎の勇者はダメと言う事か。
「確かに、派遣されている勇者は色々いたようですが、私たちは本気で魔竜を倒すつもりですよ? さっき魔法も見せたではないですか」
「確かにそうだが・・・、それでも、あの程度の魔法では魔竜の討伐は出来ぬはずだ。だからこそ、副司教様が・・・」
「副司教? 副司教の命令で街道を封鎖しているのですか?」
「それは、お前たちには関係の無いことだ。このまま来た道を引き返すなら見逃してやる。どうしても南へ行くと言うなら・・・」
男は最後まで言わなかったが、タケルも聞く必要が無かった。
「では、もう一度だけ、魔法をお見せしましょう。皆さんにはアシーネ様が怒っていることを理解してもらう必要があるようです」
「アシーネ様が怒っている? それは一体どういう意味だ?」
「それは神様に直接聞いてもらう方が良いでしょう」
タケルはそう言ってから風の腕輪を握って、台風で車が飛ぶ強さの風を小屋に叩きつけた。 急ごしらえで作られていた木造の小屋に辺りの石や草木が風に乗って激しくぶつかり、大きな音が何度も聞えてくる。
風をそのままにしていると、ガタガタと揺れている小屋から男達が血相を変えて飛び出してきた。
「神様はずいぶんと怒っているようですが、小屋の中に居る人は全員出てきましたか?」
「一体全体、何が起こっているんだ? 」
「中に人が残っていると死んでしまいますけど、良いですか?」
「おい、全員出てきたか?」
「ああ、これで全員だ!」
武術士達のやり取りを聞いたタケルは雷のロッドを取り出して目を瞑った。
-アシーネ様、ワテル様、雷雲と天からの雷を授けてください
タケルの祈りで上空に黒い雲が固まり始めて、あたりが暗くなってきた。
「おい、アシーネ様の怒りとはどういう事だ!? 何が始まるんだ?」
男達はタケルよりも上空の雲を警戒して全員で上を見ていた。コーヘイ達も何が起こるのかわからずに、不安そうな顔をしている。
「サンダー!」
タケルは掛け声とともにロッドを小屋に向けて振り下ろした。雷雲から激しい稲光が走り、小屋を引き裂く爆音が響き渡った。
「「「ウ、ウワァアー! 神の怒りだ! アシーネ様の怒りが・・・」」」
教会武術士達は口々に恐怖の言葉を漏らし、青ざめた顔で黒焦げになった小屋の残骸を見ていた。
「アシーネ様はこのようなことは望んでいないのですよ。皆さんがアシーネ様を信じているなら、何も言わずに私たちを通してください。それが神の思し召しですから」
「・・・」
男達はタケル達から離れた場所で集まって小声で話し始めた。後ろを囲んでいた武術士達も合流している。
「タケルさん、今のは何だったんですか?」
「見るのは初めてだよね? 最初は精霊の腕輪で風を叩きつけてから、雷の魔法で小屋を破壊した。雷って神の怒りっぽいでしょ?」
「確かに。俺もタケルさんの話でアシーネ様の怒りだと信じそうになってましたよ」
タケルとコーヘイも小声で話しながら、ニヤリと笑みを浮かべていた。だが、その横のリーシャは何が起こったか判らずに険しい表情を浮かべたままだった。
-詳しい説明はこの検問を抜けてからにしよう。
男達は5分ほど議論を続けていたが、ようやく結論が出たようだった。背の低い男がタケル達の前に戻って来た。
「あなたの話を信じることにします。神の思し召しであるなら、通っていただいて結構です」
「そうですか、ありがとうございます。では、ここでの検問はやめるのですか?」
「それは出来ません。あなた方が勇者であるなら、司教様にお会いしていただくのが良いと皆の意見は一致しましたが、あなた方以外を通すのは司教様のお許しを得てからになります」
「わかりました。では、我々は南に向かって進ませてもらう事にします」
「ですが、ここから先にも検問が2か所あります。何か聞かれれば、『ロードから許可をもらった』と伝えてください」
「ロード? あなたのお名前ですか?」
「ええ、私は南方大教会の武術士でロードと言います」
タケルはロードに礼を言って、南への歩き旅を続けた。何とか戦わずに済ませること出来て良かった。小屋は申し訳ないことをしたと思うが、そもそも検問も無い方が良いのだから問題ないことにしておこう。
500メートル程歩いて後ろを振り返ると、検問の残骸の周りに集まった武術士達はこちらをまだ見ていた。声が届かないと判断したミーシャが歩きながらタケルに疑問をぶつけてきた。マユミ達も横でそれを聞いている。
「タケルよ、さっきのはお前の魔法なのか?」
「そうだ、俺は雷と雨も出すことが出来るからね」
「雷を・・・、どうすればできるようになるのだ?私にもできるのだろうか?」
「どうだろう? エルフは神様を信じることが出来るのか? そこが一番の問題のような気がするけどな」
「うむ、神か…、我らは信じておらんからな・・・」
リーシャは首を捻りながら離れて行った。代わりにマユミが近づいて来た。
「私は神様を信じてますけど、使えますかね?」
「どうかなぁ? 雷魔法は光の魔法の一つだから、出来ないことも無いと思うけど。この世界でできるのも俺ともう一人しかいないからね」
「えーぇ、なんかタケルばっかり出来てズルイわぁ」
「そうだな、俺もそう思うよ。なんで俺だけがってね・・・」
「?」
タケルは冗談では無くそう思っていた。神に愛されている理由はいまだに解らないし、自分だけ色々な魔法が使えることに喜びがある反面、与えられた責任が重いのも判っていたのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる