【完結】空の青と海の碧

榊咲

文字の大きさ
65 / 65
《海の神殿にて》

湖に向けて③【完】

しおりを挟む
 青と梓は口を閉じて碧が話始めるのを待ちます。じっとりと汗が背中を伝うのがわかるほど、緊迫した時間ときが過ぎていきます。ほんの数分の事が、何時間にも思われた頃に、碧が話始めました。

「2人とも、ちょっと大人が無いですわよ!……なんですか?あれしきの事で喧嘩なんて!もう少し考えて行動してください!!いいですね!!」
「「はい」」

 碧の剣幕に青と梓は『はい』としか返事が出来ませんでした。それでも青は碧に話しかけました。

「……ねぇ、碧。そんなに怒らないでよ。……悪かったと思ってるから……」
「御免なさい、碧様。……調子に乗ってしまいました!これから気を付けますから……」

 青と梓の2人は碧に勢いよく頭を下げて謝りました。その様子を見た碧は『はぁ~』とため息を吐きました。そして2人を見てから、言葉を紡ぎます。

「青も梓さんも、なぜ私が怒ったかわかっていますよね?」
「もちろんよ、碧」
「ええ、解ってます。碧様」

「じゃぁ、もう喧嘩をしないで下さいね。約束ですよ!」
「約束するわよ。ねぇ、梓」
「もちろんだよ、姉さん」

 碧の問い掛けにすぐに反応して2人は返事を返します。その返事を聞いて、やっと怒りが引いたのか、碧は笑顔になると湖の事を話し始めました。

「2人とも、湖に行くのよね。2人にお願いがあるのだけど、いいかしら?」
「え~、碧のお願いかぁ。……モノによるわねぇ」
「そんなに難しいものじゃ無いわよ?」

「因みにどんなモノ何ですか?碧様」
「梓さんや青なら、難なく出来るわよ?」
「もう、焦らさないで教えてよ!碧」

「ふふ。あのね、湖で一番楽しかった事を教えて欲しいのよ?ね、簡単でしょう?」
「えー、そんな事でいいの?碧」
「あら、私からしたらそんな事では無いわよ?」

「まあ、確かに。……碧からしたらそうかもね」
「でも、僕達2人の意見が食い違った時はどうしたらいいのですか?碧様」
「その時は青と梓さん、2人がそれぞれ楽しかった事を話して欲しいわ」

 碧は2人が仲良く休暇を過ごして欲しくて、お願いとして楽しい事を探してくる様に頼みました。この碧の意図は青と梓も薄々、気が付いていました。それに青と梓の2人は碧がこの海の神殿から出掛ける事が出来ない事もわかっていたので、二つ返事で了承しました。

「青も梓さんもよろしくね。楽しみにしてるから」
「わかったわ、う~んと楽しい事を見つけてくるわ!!待っててね、碧」
「うふふ。楽しみに待ってるわ。……2人とも気を付けて行ってきて」
「「碧(様)、行って来ます~」」

 青と梓は喧嘩をして碧に怒られていた時とは全然違う笑顔を碧に見せながら、湖に向けて出発しました。また2人は喧嘩をするかも、と心配するよりも元気に過ごして帰って来て欲しいと思いながら、碧は2人を見送りました。
しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

花雨
2021.09.02 花雨

文章の構成と組み立て方が抜群に良いですね(^^) とても参考になりましたm(_ _)m きっと頭が良いんですね♪♪

2021.09.02 榊咲

花雨様

お読み頂きありがとうございます。
お褒め頂きありがとうございます。私は何処にでもいる者と変わらないです。
まだまだ精進しなければと思っています。これからも、お読み頂ければ、幸いです。
よろしくお願いします。

解除
柚木ゆず
2021.07.07 柚木ゆず

本日、最新話を拝読しました。

作者様が紡ぐ世界は。どれもが魅力的で。でもそれは、似通っていなくって。それぞれが、それぞれの特色をお持ちで。
作者様のほかの作品を拝見した後、こちらを訪れたのですが。
作者様の引き出しの多さ、それを文字とする技術。やはり、素晴らしいです……!

2021.07.07 榊咲

柚月ゆづ様

お読みいただきありがとうございます。
まだまだ、柚木様に頂いた様な文章力には程遠いと思っております。
日々、精進して参りますので、よろしくお願いします。

解除
柚木ゆず
2021.05.30 柚木ゆず

投稿スタート、おめでとうございます。

奥行きが広いとすでにわかる、そして気になる、設定、ストーリーですよね……っ。
次のお話も、楽しみにしております……!

2021.05.30 榊咲

ご感想ありがとうございます。

学生時代に書いたお話をもとにしていますので、設定がゆるゆるでご都合主義になっております。

ご期待に添える様に頑張ってまいりますので、よろしくお願いします。

解除

あなたにおすすめの小説

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。