にゃんこの居場所【完結】

榊咲

文字の大きさ
11 / 37
【ミミの章】

わたしの居場所

しおりを挟む
 わたしはいつもさよちゃんと一緒の部屋にいるの。お布団の中にも入れてくれるのよ!いいでしょう!

 それでこの家には番犬ワンコの名前を“ゴン”って言うのが居るんだけど、わたしが外を散歩してると『ワウン、ワウン(よう、散歩か?)』て言って来るけど、わたしは誇り高いネコですからね、ツンとして無視を決め込むの。そうすると、『ワウ~ン、ワン、ワン(何済ましてんだよ)』って言って因縁つけて来るの。本当、ウザイわ~。

 そうわたしは血統確かなネコなの。知っているかしら、《アメリカン・ショートヘアー》と言う種なのよ!だからわたしには誇りがあるの!番犬如きが声を掛けて来るんじゃあないわよ!それも、シッポがない癖に。わたしみたいに立派なシッポを見せてみなさいよって言おうと思ったけど、こんな事言ったらイジメになっちゃうわ。だから言わないけどね。

 そんな事を繰り返しながら、家に慣れて行ったの。そして1年間2年位経った頃に、新しくネコを飼うって言われたのよね。もう青天の霹靂へきれきだったわ。わたしと同じ様にさよちゃんの仕事の関係先でネコを飼って貰えないかと聞かれたらしいの。本当は断る事にしていたみたいなんだけど、ここで諸悪しょあく根源こんげんお兄ちゃんが飼いたいと言ったみたいなのよ!もう、余計な事して!

 だってね、お兄ちゃんのお嫁さんは、元々、ネコが嫌いなんだって。まあ、わたしは誇り高いアメリカン・ショートヘアーですからね、我慢してくれてるみたい。それも今度来る子はトラ柄のミックスなのよ。呆れちゃうわ。でも、最終的にお兄ちゃんが面倒をみるって事で、トラネコは来る事になったのよ。キィー!!

 そして来たトラネコ。ビックリするほど小さかったの。目なんか目ヤニが付いてて汚いし、近寄りたく無かったわ。お兄ちゃんは『よう、お前はトラだぞ』なんて言ってるのよ!わたしの時と態度が180度違うの!!もう何なのよ!……まあね、トラが来てくれたおかげで、お兄ちゃんに追っ掛けられなくなるから、その点は素直に嬉しいけど、でも、何だかモヤモヤするわねぇ。でも嬉しい気持ちの方が勝っていたから、苦難が待ってるなんて思って無かったわ!!

 そうトラが来た翌日、わたしがご飯を食べて寛いでいたら、トラがお兄ちゃんと一緒に来たの。まあ、それは別にいいの。トラがわたしを見つけた途端に、近付いて来るの。《何で来るの!》って思わず思ってしまった。だってね、わたしは成熟したナイスバディの持ち主よ。お子様はお呼びじゃあないの。

 な、なのに、なぜ、わたしに近付いてくるよー!!すぐに外に避難したわ。トラはまだご飯前だったみたいで、追って来なかったから“ハァー”て溜め息吐いちゃったわ。もう、わたしの事、母親と間違えてるのかしら?そうだったら、ちょっと悪い事したかなぁ。だってねぇ、トラくらい小さかったら、まだ母親に世話をされてても可笑しく無いもの。でも、わたし、子どもって嫌いなのよね。これからどうしようかしら。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

冷遇妃マリアベルの監視報告書

Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。 第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。 そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。 王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。 (小説家になろう様にも投稿しています)

義務ですもの。

あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。

処理中です...