にゃんこの居場所【完結】

榊咲

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【ミミの章】

新しい家に引っ越しよ〜 ②

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 お隣のおばさんもハウスの人も、わたしの美しさの虜になった様だわ。ふふふふ、嬉しい限りよああ、でも今から憂鬱だわね~。前の家に行くの……。そういえば、前の家の事を《実家》ってさよちゃんが言ってたわね。わたしも《実家》って言いましょ。

 引っ越しした翌日、お父さんに連れられて、実家に行ったわ。やっぱり、ゴンに『出戻り』って言われたわ。ああ、わたしだって帰って来たくて来たんじゃぁないわよ。『お父さんの気遣いなんだから、仕方ないでしょ』ってゴンには言ったけどね。まあ、これを言ったら、ゴンも微妙な顔をしたわね。

 一番注意しないといけない小トラは、目敏くわたしを見つけて「ニャアン、ニャアン(ミミにゃん、お帰り)」って言いながら突進して来たのよ。ハッキリ言って、怖かったわ。凄い勢いで来るんだもの。まあ、すぐに回れ右して逃げたけど。でも、小トラもわたしを追いかけて来たわね。「ニャアン、ニャアン、ニャン(ミミにゃん、待って!)」って言って。

 ハァと溜め息が出るくらい鬱陶うっとうしかったのよ!本当にあのヘコタレない精神力には脱帽だわ。早く隠れ家に行かなくっちゃね。お昼寝の時間よ~~!

 あら~、イヤだ小トラが来るわ。隠れなくっちゃ。もうここまで来れる様になるなんて……、困るわ。まあ成長期だから仕方ないのかしらねぇ。「ニャアン、ニャン、ニャアン(ミミにゃん、待ってよ!)」と言って突っ込んでくるの。だからわたしも「ニャアン、ニャアン、ニャン(こっちに来ないでよ!)」と言って木の上に登ったの。そしたら、小トラったら、わたしのあとを付いて木の上を登って来たのよ!もうビックリしてしまったわ。

 キャーって言いながら、わたしは違う場所に逃げたの。そしたら登っていた木が折れてしまったのよ!ギャー、折れた、と思いながら逃げたわ。そしたら、わたし達の声を聞いたお父さんがわたし達を心配して見に来てくれたんだけど、凄く怒った声で「ミミ!!」って呼ばれたんだけど、近くに行けなかったの。だって、小トラがいたんだもの。もう、小トラのせいで、お父さんに怒られちゃうじゃない!どうしてくれようか!!

 やっぱり、新しい家に帰るとお父さんから怒られたわ。それもさよちゃんが仕事から帰って来てから、恨めしそうによ!最悪よ!!まあね、なんだかお父さんが大切にしていた木だったらしいのよね。ああ~ぁ、これも小トラのせいよ!!!さよちゃんにお父さんが言ってるのを聞いたからわかったんだけど。

「さよ、ミミが、オレが大事にしていた椿の木を折ちゃいやがった。ミミは太ったんじゃぁないか?」
「ミミは太ってないよ!」

 もうお父さんたら、わたしが太ったなんて言うのよ!失礼しちゃうわ。わたしは貰われて来た時から変わらないのに!!でも、それだけ大切にしていた木なのね。それは悪い事をしたと思うから、素直に謝ったのよ。「ニャウン、ミャオ、ミャーン(お父さん、御免なさい)」ってね。最後にはお父さんも許してくれたわ。よかったわ。それにしても、小トラには腹が立つわ。なんでわたしがお父さんに怒られなきゃならないのよー!ああもう、この恨み、今度あったら全部、小トラにぶつけてやるわよー!!!!!!
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