【完結】僕はサム

榊咲

文字の大きさ
9 / 15
【番外編】

①僕のお散歩のお供

 僕の散歩はご主人が朝と夕方、外に連れて行ってくれるんだよね。朝は僕がご主人を起こしに行くんだよ。へへへへ、すごいでしょう!

 僕が起こしに行くとご主人は起きてくれるんだけど、外がまだ暗いからか、「サムにゃん、まだ早いよ。もう少し寝ようよ」って言ってまた部屋に入って行っちゃうんだよ。もうプンプン。怒れるぅ!!

 それで、僕も2階のいつものところで、横になって外が明るくなるのを待つんだよ。まあね、この時に毛繕いをしたりして時間が過ぎるのを待つんだけどね。

 ご主人が僕を「サムにゃん、外に行くよ!行かないの?おいで~」って言って呼んでくれるんだけどさ、呼んでくれる時には、もう外は明るくなってるんだなぁ。僕としては、もう少し暗い方が好きなんだけどね。ご主人に文句は言えないし。だって文句なんか言ったら、外に出してくれなくなっちゃう。そんなの、耐えられないよ~。

 そうしてご主人が僕を呼んでくれたら、猛ダッシュで2階の部屋から出て階段もトン・トン・ト・トト・トンって走ってご主人のところに行くんだ~。ご主人は待ってくれるんだよ。フフフフ。僕は勝手口の少し開いてるところから外を見てさ、敵がいないか見るんだ。後ね、イヌの友達が来てないかも見てるんだ。

 もしね、イヌの友達がもうすぐ歩いてくるって時はご主人に早く、早くってご主人の顔を見て催促しちゃうんだ!だって友達に会いたいからね。誰だってそうじゃぁないのかな?僕だけ……なのかな。そんな事ないよね!

 そうやって外に出るんだけどさ、イヌの友達は遠くまで散歩に行くから、僕が側に行かないと僕をスルーして行っちゃうの。薄情だよね。でも仕方ないのかなぁ。だってね、友達にもご主人がいるもんね。僕に合わせるなんてできないもんね。

 それで、ご主人と外に出ると、この頃は小さな緑色のカエルさんがピョンピョン飛んで僕を歓迎?してくれるんだよ。でもね、僕が近くに行くとピョンって飛んで僕から離れて行くんだ。なんで離れて行くんだよ~って思ったけど、僕がカエルさんより大きいからなんだって、今は思うようになったんだ。だってね、僕も自分より大きいイヌは怖いもん。だからカエルさんも僕が怖いんだって思ったの。

 あとね、トンボさんもいっぱい僕の散歩コースにはいるんだよ。僕の周りを飛んでくるの。だからトンボさんにも僕をよく知ってもらおうと、ジャンプして捕まえようとするんだけどね、スーって飛んで行っちゃうんだよ。もう僕にもあいさつさせてよね!モウ、モウ、モウ、イライラしちゃう。

 そんなトンボさん達は僕の事、バカにする様に、僕の周りをいつも、いつも、飛んでるんだよ。あ、あとね、散歩の途中にカメさんもいるの。でもね、カメさんは恥ずかしがり屋みたいでね、僕やご主人の足音がすると隠れちゃうんだよ。僕はカメさんはあんまり見たことないんだけど、ご主人はよく見るみたい。

 甲羅干しって言うのをカメさんがよくしてるらしいんだけど、僕は見たことないんだー。ご主人も車で出かける時に見るんだって言ってた。一度でいいから、カメさんの甲羅干し、みたいな~。はぁ。

 そうそう、散歩は僕にとって一番の楽しみなんだ。だってね、友達に会えるからね。それにずーっと、家にいるのも退屈なんだよね。2階の部屋で寝るしか、やることないもんね。僕が2階で寝てると、たまにご主人が来るんだけど、ご主人は僕に「サム、暑くないの?暑いじゃんか」って言って来るんだけど、僕にはちょうどいいんだから、そんな事言わないで欲しいな。

 ご主人が暑いって言うけどさ、僕にはちょうど良い温度なんだなぁ。ご主人が暑いって言ってると、散歩の時間が減るから、もう少し涼しくなると良いなぁって散歩の度に思っちゃう。
 ああ、暑くも寒くもない時季にならないかなぁ。待ち遠しいよ~。
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

刺繍妻

拓海のり
恋愛
男爵令嬢メアリーは魔力も無くて、十五歳で寄り親の侯爵家に侍女見習いとして奉公に上がった。二十歳まで務めた後、同じ寄り子の子爵家に嫁に行ったが。九千字ぐらいのお話です。

令嬢失格な私なので

あんど もあ
ファンタジー
貴族の令息令嬢が学ぶ王都学園。 そこのカースト最下位と思われている寮生の中でも、最も令嬢らしからぬディアナ。 しかしその正体は……。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
 第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。  言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。  喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。    12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。 ==== ●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。  前作では、二人との出会い~同居を描いています。  順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。  ※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。