【完結】僕はサム

榊咲

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【番外編】

③−⑵僕と予防接種

 ああぁ、とうとうご主人が『病院に行こうかねぇ』って言ったよぉ~!恐れていた予防接種ワクチンを受けに行かないといけないようだ。ぐすんぐすん。行きたくないよぉ~。

 あ、そうだ、逃げよう!ちょっと待ってぇ!!ご主人がキャリーを持ってきたよぉ~……。は、早く逃げなきゃぁ!で、でも、ど、どこに逃げようか?……そうだ、居間の窓際の隙間に逃げようぅ!!

 確かあそこは本やDVDなんかがあって、すぐにはご主人も近付けないはず……。ここで時間稼ぎをして、つがう所に逃げようぅ。この作戦でなんとかなるかなぁ……。う~ん、なんとかしなきゃ!!

 あ、不味い、ご主人がこっちにきた!!『サムにゃん、行くよ!』って言いながらご主人が来るよ~。こ、怖い。ご主人来ないで~って『にゃん、にゃん」って言って逃げるんだけど、『さあ、行くよ~。サムにゃん』って言いながら来るんだよ!『ニャーン、ニャーン(ご主人、来ないで~)』って僕も言いながら逃げるんだけど、抵抗虚しく捕まっちゃったぁ~よ~。

 ハァ~、もう観念してキャリーに入るしかないかなぁ~。うう、ヤダなぁ~。

 ご主人は『さあ、車に乗るよ』って言いながら僕を乗せるの。そして、車のエンジンをかけるんだよね。この車のエンジンの振動と音が、僕は大っ嫌いなんだよね!!ああぁ、吐きそう!

 『さあ、サムにゃん、行くよ~』ってご主人は車を発進させるんだけどさ、もう僕はそれどころじゃぁないんだよね。『ニャーン、ニャーン、んにゃーん(ご主人、降ろして、降ろしてよ)』って言っても、『サムにゃん、どうしただん。もうじき着くよ』ってご主人は言うだけなんだ!

 僕が何回も『ニャーン、ニャーン、んにゃーん(ご主人、降ろしてよ、降ろして)』って言うたびにご主人は『どうしたの。もうじきだよ』って言うだけなんだ。

 そんなやり取りを何回か繰り返してると、本当に病院に着いたんだ。はぁ~、やっと着いた……。僕が黙っているもんだから、ご主人は『サムちゃん、大丈夫?』って言ってくるんだけど、僕は車に乗ってるだけで疲れちゃって声も出ないんだ。流石にご主人も悪かったと思ったのか、何も話さなくなったけどね。

 そう、今から病院の中に入るんだけどさ、いろんな動物が待合室にはいるんだよねぇ。まずは僕と同じネコでしょう、それからイヌにウサギなんかが病院にはいるんだよ。まあ、1番多いのはネコとイヌだけどね。

 ネコは僕と同じ様にキャリーに入ってるかな。そういえば1度だけ、洗濯ネットに入ったネコを見た事があったなぁ~。そのネコは一緒に同居ネコと居たから、キャリーが足りなくてネットに入れられたらしいんだ。

 あとイヌは待合室の外っていうか、病院の外で待ってるんだよね。僕達はキャリーに入ってるから他のネコやイヌと直に会う事はないからいいけどさ、やっぱり同族と一緒になると、どうしてもケンカになったりするから、外にいるみたいだよ。

 ああ、とうとうご主人が受付に行っちゃったよ!……ああぁ、逃げたいよぉ~!
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