【完結】ねこの国のサム

榊咲

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〈本編〉

サムとクロ《将来の話》

 サムはニセイとアゴ母さんと将来の話をしてから、クロとも将来の話をする事にしました。クロには《人の国》の事を一緒に調べて貰っている事もあり、その時に話そうと思っていました。
 ちょうど、一緒に調べる日になったので、今日、クロに話す事にしました。

「クロちゃん、おはよう!」
「あ、サムちゃん、おはよう」
「あのさぁ、今日、クロちゃんに話があるんだけど、聞いてくれる?」
「うん、いいよ。どんな話?」

「うんとねぇ、今調べてる事と関係してるんだけど」
「そうなの?」
「そう。……将来の事なんだけどさ、クロちゃんはどうしたいって考えてるの?」

「俺?俺はお母さんの手伝いがしたいな」
「ふ~ん。そうなんだね。じゃあさ、それ以外はないの?」
「そうだね、これと言ってないかな」

「そっか~。僕はね、《人の国》に行きたいんだよね」
「え、サムちゃん《人の国》に行っちゃうの?」
「そう、将来は行きたいって思ってるんだ」

 サムはとうとう、クロに将来は《人の国》へ行く事を話しました。クロはニセイと同じようにビックリしていました。クロはまさかサムが《人の国》へ行くとは思っていなかったのです。行ったとしても前に行った時のようにこちらに帰ってくる事が前提でした。だから《人の国》の事をサムが一生懸命に調べているんだとも思いました。

「ビックリさせちゃって、ゴメンね。クロちゃん」
「本当に行っちゃうの?…だって、あっちの国に行ったら帰って来れないんだよ!わかってるの?」
「うん、わかってるよ。でもね、それでも行きたいんだ」

 クロはサムの決意が固いことを感じ取り、もうなにを言ってもダメなんだと思いました。前に《人の国》の事を調べていた時に言っていた事を思い出して、サムが一生懸命調べていたのは、《人の国》で暮らす為の下準備だったのだと考えました。

「ねえ、サムちゃん。もしかしてさ、この調べてた事って、《人の国》で暮らす為に調べてたの?」
「うん、そうだよ!」
「それなら、どうして言ってくれなかったのさ!」

「だって、そんなこと言ったら、決心が鈍っちゃうと思ったんだもん。……でも、今クロちゃんに言ったけど、そんな事なかった。だから、独立する時には《人の国》へ行くよ」

 サムは最初はクロにもニセイにも黙って《人の国》へ行く事にしていましたが、ブチやアゴ母さんと話をして、やっぱりクロやニセイには話した方がいいだろうと思い、話す事にしたのです。ニセイに話した時には平然としていられましたが、クロに話す時には涙目になってしまい、声も鼻声で寂しさが募ってきました。

「サムちゃん、まだ独立しないよね?まだこの国にいるよね?」
「まだ独立も《人の国》にも行かないよ。クロちゃん」
「よかった!……まだ一緒に遊んだり出来るんだね」

「うん。だってまだ独立するまでには、時間が掛かるもん!……調べないといけない事が沢山あるしね」
「そうだね。じゃあさ、調べるのはまた一緒にやってもいい?」
「勿論!まだまだ調べる事は山盛りなんだから、手伝って貰えないと困るよ。よろしくね、クロちゃん」
「任せといてよ!サムちゃん!」

 こうして、サムとクロは自分達の将来について話し合いをしました。サムはクロに将来は《人の国》へ行く事を話す事が出来て、清々しく感じていなした。クロはサムがもう将来の事を真剣に考えていた事に驚きましたが、自分も、もうそろそろ将来の事を考える時が来たんだと思い、サムの調べ物の合間に、サムと将来の話をするのもいいかなと思っていました。
 
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