【完結】ねこの国のサム

榊咲

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〈本編〉

ニセイとクロ《将来の話と頼り甲斐》

 サムと将来の話をした後、クロはニセイに将来の話を聞く事にしました。サムの事をニセイは知っているのか?と思ったからです。チャシロとチロと一緒に公園行ったら、ニセイもチビを連れて公園に来ていました。
 クロはチャシロとチロにチビと遊んでくる様に言って、ニセイに話しかけました。

「チャシロ、チロと一緒にチビちゃんと遊んできてくれるか?俺はニセイと話があるから。悪いな、よろしくな」
「うん、わかったよ。クロ兄ちゃん。チロ、行こう!」

「お~い、ニセイちゃん。チビちゃん。チャシロとチロと遊んでくれるか?」
「おう、任せとけ!さあ、チビ、行ってこいよ!俺はクロと話があるからな」
「うん、行ってくるね。おはよう~、チャシロちゃん、チロちゃん。今日はなにする?」

「おう、おはよう。……それでなんの話だ?」
「おはよう、ニセイ。そんなの決まってるだろう!」
「……サムの事か?」

 クロがサムの事を話そうとすると、ニセイは露骨に嫌そうにしました。眉間にシワまで出来ています。やっぱり、ニセイもサムが《人の国》に将来は行く事を知っているのだと確信しました。

「うん、そうだよ。やっぱりニセイも聞いてたんだ」
「まあな。初めははぐらかして、俺の将来の事をアゴ母さんと3人で話してたんだよな」
「そうなんだ。俺の時も最初は俺の将来の話をしてたよ」

「そうなんだよな~。俺は全然将来の事なんか考えてもいなかったのに、サムは考えてた。そりゃビックリしたよ!」
「俺もそうだよ。漠然とお母さんを助けられたら良いな、ぐらいしか考えてなかったよ」
「普通はそんなもんだと思うぜ!クロ」
「そうだよね」

「そうそう。……俺達にはブチ兄ちゃんがいるから、独立するのが大変だってわかってたけどさ、サムみたいに先の先まで考えるヤツはすくないと思うぜ!」
「そっか。ブチさんがいるから、大変な事がわかってたんだ。……でもさ、サムちゃんも少しは俺らを頼ってくれたって、良いと思わないか?ニセイ」

「そうだよな。……まあ、俺がサムを怒らせてたみたいだからな。俺には言いにくかったかもしれないわ」
「へ、サムちゃんを怒らせてたの?」
「ああ、ちょっとな!……来てくれるなよ。落ち込むから!」
「まあ、聞かれたくないんなら、聞かないけど」

「俺には言わなかったけど、ブチ兄ちゃんには相談してたようだ」
「へぇ、やっぱりブチさんは頼り甲斐がありそうだもんね!」
「なんだよ!ケンカ売ってんのか?ああ」

「そんな事ないよ、ニセイ。ただ、年上で独立してる人の意見は聞いた方がいいんじゃあないか?」
「確かに、意見は聞いた方がいいよな。……そういえば、こちらで暮らすには仕事をしないといけないようだぜ」
「そうだね。でもさ、仕事ってどうやって見つけるのかな?」

「それは俺、アゴ母さんから聞いた。長老が#斡旋__あっせん__#してくれるってさ」
「そうなの?俺、初めて聞いたよ。…教えてくれてありがとう、ニセイ」

「いや、俺も最初はブチ兄ちゃんに聞けばいいかな?って思ってたんだけどさ、若いから紹介先がないってアゴ母さんが言ってたんだ。それで、ほかはないのか聞いたら、長老の名前が出たんだ」
「そうなんだね。仕事を探すのも、一苦労って事なんだね。でもさ、サムちゃんが将来の話をブチさんにしたから、そういう話が出たんじゃないかな?」

「多分、そうだと思う。俺ってさ、サムと違ってのんびりやだと思われてるしさ……」
「でも俺は助かったよ。俺には年上の兄弟がいないからさ、将来のことなんて、全然考えてなかったしね」
「でも、年上の兄弟がいなきゃ、そんなもんじゃあないか?」

「だから、助かったって言ってるんだよ。ニセイ」
「でもさ、俺はサムの事は釈然としないんだよな」
「どうしてさ、ニセイ」

「俺たちは同じ時に生まれたのにさ、サムは俺に頼る事ってないんだよ。いつもブチ兄ちゃんに先に聞くんだ。それでもわからなかったりすると、アゴ母さんに聞いて俺には聞かないし、頼らない。なんでかなあって思う時がある。まあ、俺に聞かれても、分からないことが多いってわかってるけど。寂しいものがあるじゃん」

「まあその心理はわかるよ。ニセイ。俺もチャシロやチロが頼ってくれなかったら、落ち込むと思うしね」
「そうなんだよ!俺にも頼って欲しいんだよ。今頼ってくれるのはチビだけなんだ。だから俺はチビが可愛くってさぁ!」
「わかる、わかる。わかるよニセイ」
「本当にわかってくれるか?クロ」
「勿論だよ、ニセイ!」

 ニセイとクロはガッシとお互いの肩を抱き合って、意見を言い合っています。サムの将来の話から自分達の将来の話になり、その後は、弟達が頼ってくれるか、そうでないかで盛り上がっていました。盛り上がりを見せる話にチビ達、ちびっ子は遊びながら、兄達はなにをそんなに盛り上がっているのだろうと思っていました。
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