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第5章
第203話 美少年の抱き枕
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「ひっく…うぇ…ひ……」
「あの……」
「…っ、メガネ…急に…えぐ…いなくなって……探しても…どこにも…いなくて……うわああぁぁん」
「ごめんねリリー。心配させちゃって」
僕に縋りついて泣くリリーを、ずっとよしよしポンポンしながら抱きしめていた。
クライスに助けてもらって、目が覚めたら寮の自分のベッドに寝ていた。起きようとしたらなんだかお腹がちょっと重たくて、なんだろうと不思議に思う。
(ん~……またクライスの抱き枕にされているのかしら。)
と起き上がって見てみると、そこには可愛い友達の顔があった。すぅすぅと小さな寝息が聞こえる。どうやら眠っているみたい。長いオレンジ色のまつ毛が少し涙に濡れているような……。
(無事だったんだ。よかった。)
僕は彼が起きないようにそっと彼の柔らかな髪を撫でた。部屋を見渡すと、サイドテーブルに水とクライスからの手紙を見つけた。調査報告を聞いて、すぐに戻ると書いてある。クライスは用事で出かけているらしい。
もう一度お腹の上に目を移す。すっごい美少年……。白く透き通る肌、桜色の唇、どこもかしこも整っていて儚げで、目の眩むような美しさだ。今回彼を巻き込まずに済んだことは本当に良かったと思う。あの変態男がリリーを見たら、もっともっと変態っぷりを発揮したに違いない。手首に残ったぬめぬめとした舌の感触を思い出し、ぞくぞくっと寒気がした。
リリーは僕のベッドサイドの椅子に座り、頭だけ僕に預けて眠っている。このままじゃ疲れが取れないし、風邪をひいちゃうかもしれない。ちゃんとベッドに寝かせてあげようと思い、よいしょ、と彼の体を引っ張り上げる(彼は軽いからなんとか持ち上げることに成功)。隣にコロンと寝かせ布団をかけると、彼はきゅうっと僕の体に手を回し抱きついてきた。
「ふふっ、リリーったらなんだか可愛いな」
僕も彼の小さな体を抱きしめる。
(ぽかぽかして温かい……。ふぁ…、なんか…また眠くなってきちゃった……。)
二人で一緒にまた眠った。そして起きた瞬間に僕を見て泣き出したリリーを、あの手この手で宥めている。
「ひっく…もう…どこにも…行かないで…メガネ…僕の手を握ってて…」
「ん、行かない。ずっとここにいるよ。リリーの側にいる」
「本当に?」
「ほんとだよ」
「うぇええん…よかった……」
よしよしよし。撫でていると泣き疲れたのか、また彼は眠ってしまった。
こんな風に彼が泣くなんて……。すごく心配をかけちゃったんだな、と申し訳なく思う。そりゃショッピングの途中に友達が消えたらびっくりするよね。
「ごめん、ごめんね。リリー」
ハンカチで彼の目尻に溜まった涙をそっと拭った。
「あの……」
「…っ、メガネ…急に…えぐ…いなくなって……探しても…どこにも…いなくて……うわああぁぁん」
「ごめんねリリー。心配させちゃって」
僕に縋りついて泣くリリーを、ずっとよしよしポンポンしながら抱きしめていた。
クライスに助けてもらって、目が覚めたら寮の自分のベッドに寝ていた。起きようとしたらなんだかお腹がちょっと重たくて、なんだろうと不思議に思う。
(ん~……またクライスの抱き枕にされているのかしら。)
と起き上がって見てみると、そこには可愛い友達の顔があった。すぅすぅと小さな寝息が聞こえる。どうやら眠っているみたい。長いオレンジ色のまつ毛が少し涙に濡れているような……。
(無事だったんだ。よかった。)
僕は彼が起きないようにそっと彼の柔らかな髪を撫でた。部屋を見渡すと、サイドテーブルに水とクライスからの手紙を見つけた。調査報告を聞いて、すぐに戻ると書いてある。クライスは用事で出かけているらしい。
もう一度お腹の上に目を移す。すっごい美少年……。白く透き通る肌、桜色の唇、どこもかしこも整っていて儚げで、目の眩むような美しさだ。今回彼を巻き込まずに済んだことは本当に良かったと思う。あの変態男がリリーを見たら、もっともっと変態っぷりを発揮したに違いない。手首に残ったぬめぬめとした舌の感触を思い出し、ぞくぞくっと寒気がした。
リリーは僕のベッドサイドの椅子に座り、頭だけ僕に預けて眠っている。このままじゃ疲れが取れないし、風邪をひいちゃうかもしれない。ちゃんとベッドに寝かせてあげようと思い、よいしょ、と彼の体を引っ張り上げる(彼は軽いからなんとか持ち上げることに成功)。隣にコロンと寝かせ布団をかけると、彼はきゅうっと僕の体に手を回し抱きついてきた。
「ふふっ、リリーったらなんだか可愛いな」
僕も彼の小さな体を抱きしめる。
(ぽかぽかして温かい……。ふぁ…、なんか…また眠くなってきちゃった……。)
二人で一緒にまた眠った。そして起きた瞬間に僕を見て泣き出したリリーを、あの手この手で宥めている。
「ひっく…もう…どこにも…行かないで…メガネ…僕の手を握ってて…」
「ん、行かない。ずっとここにいるよ。リリーの側にいる」
「本当に?」
「ほんとだよ」
「うぇええん…よかった……」
よしよしよし。撫でていると泣き疲れたのか、また彼は眠ってしまった。
こんな風に彼が泣くなんて……。すごく心配をかけちゃったんだな、と申し訳なく思う。そりゃショッピングの途中に友達が消えたらびっくりするよね。
「ごめん、ごめんね。リリー」
ハンカチで彼の目尻に溜まった涙をそっと拭った。
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