いらない子の悪役令息はラスボスになる前に消えます

日色

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第6章

第299話 番外編 クライスSIDE ③ キルナの巣篭もり※

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膝に乗せたキルナを抱き上げベッドへと運ぶ。仰向けに寝かせると、おいしそうな唇にキスを落とした。舌を潜り込ませればそれに応えて舌を絡めてくる。拙い動きだがそれがまた、可愛らしい。

ちゅっちゅと甘い甘いキスを繰り返す。次第にそれは深くなりお互いをむさぼるようなキスへと変わる。フェロモンはより濃厚になり、体は熱を持つ。


彼の体はどこもかしこも甘かった。小さくツンとした乳首も、縦長の美しい臍も、折れそうな腰も、ピンクのペニスも。

「んきゃあ。そこ、あ、きもちいぃ!」

口淫してやれば泣いてよころび、あっさりと射精する。そのまま後ろの穴も舐めてやると、喘ぎ声しか聞こえなくなった。

もうたっぷりと濡れているが念には念を入れ、ローションも足しておく。指が三本入っていたくらいだから大丈夫なのだろうが、まだ心配だった。指で解した後、さらに道具で十分に拡げていく。

「っも、ほしいよぉ……」
「あと少し拡げたら挿れるから、待ってくれ」
「ほんとに…くれる?」
「ああ、本当だ」
「ほんとに…ほんと?」
「ああ」
「ん……わかったぁ」


気づくと彼はもうトロトロになっていて、目がうつろになっている。しまった。やりすぎたか?

同じ体勢だと疲れるだろうと、ひっくり返して今度は彼を四つん這いにした。もうくたりとしていて自力では支えられないようだったので、枕やクッションを配置して楽な姿勢を整える。尻だけ高く上がったその体勢ではその入り口がよく見える。くぱくぱと収縮し、俺を誘惑してくるそれから目が離せない。

「挿れるぞ」
「あ……ぅ……やっとくれる…の? うれし……」

くちゅり……先端を潜り込ませると、小さな尻がぶるりと震えた。可愛らしいピンク色のペニスからは、ダラダラと雫が溢れ、彼の官能が高まっていることがわかる。中へ押し進めると、押し出されるようにこぷりと蜜を吐き出した。

全てを収め腰を前後に動かすと、彼の喘ぎ声が一層大きくなる。室内にはぐちゅぐちゅと粘液の音が鳴り響いた。長い時間我慢していたせいか、ひと突きするごとに脳が焼けるような強烈な快感が全身を駆け巡り、俺は獣のように夢中で腰を振っていた。


ーー白いうなじに……噛みつきたい。


細い首に顔を寄せ、その甘い香りに酔いしれる。だが彼の首に巻きついたネックガードを目にし、ハッと我に返った。これは俺が贈ったものだ。大切な彼を守るために。なのに……彼はというと、失神している!?

「キルナ!!」

慌てて動きを止めた。

俺は…なんという抱き方をしているんだ。優しく抱くとあれだけ心に決めていたのに。ずっとずっと恋焦がれてきた相手を大切にできないような男に、番を得る資格なんてない! いっそ神殿で修行でもしてきた方が……。

「ごめん…ぼく、ねて…た?」

自分を責めている間に、意識を取り戻した彼がむくりと手で上体を支えて振り返った。月の光を集めたような大きな瞳は、何も疑うことなく真っ直ぐに俺へと向けられている。

「かんで」
「……いいのか?」

こんな俺で……。

「つがいに……してくれるのでしょ?」

微笑む姿に勇気づけられ、俺は頷いた。彼はいつも俺を翻弄する。どうしようもなく強い力で俺を引き寄せる。

ーー可愛くて、美しくて、強い俺の運命の番。

「ああ、噛ませてくれ。愛してる」
「ふふっ……ぼく…も……」

黒い革製のネックガードを外すと柔らかな肌が現れる。
熱くたぎった怒張を最奥さいおうまで挿れ、白い頸に歯を立てた。プツリと犬歯が肌を突き破り、噛み痕をつけていく。彼の中に熱が広がった。


***


番になった翌朝。

もぞもぞもぞ

またキルナが巣篭もりをはじめてしまった。精液を体内に入れたことで発情が収まった彼は、今朝早くに巣に飛び込んで、そのまま出てこなくなってしまったのだ。

「おい、出てこい」
「やだ…だって…ぼくが、昨日…一人で……恥ずかしいことしてたの……見たでしょ、クライス……」

見た。可愛い尻に指を三本も咥えて気持ちよさそうだったな、とはもちろん言わず俺は首を横に振った。

「いや、お前は何もしてなかったぞ」

「え、だってクライスの前でおし…り…に…ゆ…び…いれてたぁあ!! うっぁあああああん、も、だめぇえ恥ずかしすぎて死んじゃうううう」

「落ち着け、俺は何も見ていない。お前はここで寝ていただけだ。それを俺がベッドに運んで、愛し合って番になった。それだけだ」

「そ…なの? 僕、ここで寝てた…だけ?」

「ああ。だから出てきて一緒に朝食を食べよう」

「じゃあ、いいのだけど……」

もそもそと巣から出てきたキルナは元気を取り戻し、美味しそうに朝食のポポの実サンドを食べている。昨日よりスムーズに誘き出せたのは番になったからか? うなじに残る噛み痕を見ていると誇らしく、彼のことがもうなんでもわかるような気がした。

あ、そだ。と振り返って彼が言う。

「ね、クライス」
「なんだ?」
「パンツちょうだい」
「え?」

「僕、クライスが今履いてるパンツが欲しいの!」


なんだって? 


番の言っていることがわからない。こうして俺の翻弄される日々は続いていくのだった。


                       🐰巣篭もり🪺(おしまい)
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