【完結】魔導士会には入らない

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番外編 救済と贖罪

【後日談】魔導士会には戻らない(1/2)※ーーーアーク

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「アーク…好き…、かわいい…ちゅ、ふふっ…幸せ…」

事後の余韻を滲ませる薄紅色に染まったスラリとした頬。
満足そうに細められる潤んだ瞳は、俺をうっとりと見上げていた。

最近セオはすっかり背も伸びて、危うい大人の色気を放っている。
顔つきも大人びて、何か物思いに耽っている時は俺ですら声をかけるのをためらうほどに美しかった。

その細い腰をいつものように掻き抱くと、スラリと伸びた艶やかな脚が俺の膝に跨る。

「ああ、愛してる。セオ」
「俺も…愛してる、アーク…」

「…ところで…ロイズバリドからアイツが来るというのは、一体どういうことだ?」

俺はつい逸る気持ちを抑えられず、いつもの悪い癖で雰囲気を壊すようなことを聞いてしまう。
しかしセオは素直に翠色の宝石のような瞳を丸くしてから、花が綻ぶように微笑んだ。

「あ、そうなんだよ。誰か言ってた?長期で大口契約をしたいって言ってくれてさ、しかもブランド化するから今より高値で買い取ってくれるんだって!」

ク…ッソ忌々しい。

この笑顔がアイツを思ってのことだと思うと、狭量な嫉妬が燃え上がるのを止められない。
俺は染み出す憎悪のままに、口元を歪めた。

「ほお…?高値で…それは本当に正当な取引と言えるのか?」
「え…どういうこと?」
「お前に金をチラつかせて近づこうとしているだけのように見える」
「オーレンが?ああー…あいつ確かにちょっと神のこと好き過ぎるからな。変な風には見えるかも。まあでも、多少はそういうのもね、商売は人の縁ってことで」

セオはロスディアではかなり独特の経済感覚の持ち主だった。
それは以前憑依した人間が別の世界の住人だったらしく、トラスレットのような機械でその世界のしくみを学んだからだということだった。

しかし俺たちからすると、金のためにそこまでこいつが奔走して働くのが、未だに理解できない。

保健医療部や衛生療養室への異動が叶わず、メイスンへ移り住むことになると、セオは魔導士会からの資金援助は全て断りたいと言ってきた。
これには七賢人も慌てふためき、何とか魔導の御子兼神の落とし子であるセオを繋ぎとめようと躍起になっていたのだが。

セオはなぜか魔導士会に寄付ができるようにと、任務でもないのに毎日何時間も働いているのだ。

毎日いきいきと働くセオは労働の神かと思うばかりに神々しい。
もう手伝いに人を何人も雇い入れたというのに、重たい牛乳缶をせっせと運び、牛の世話も牛舎の掃除も楽しそうに行い、時折町の診療所にまで手伝いに足を運んでいる。いつも自分が一番動き回っているのだ。
誰かに声をかけられるたびに輝く笑顔で振り返る姿は、地上の奇跡のごとく美しいくせに、人懐っこく愛らしい。

太陽の下で働くセオの姿を思い浮かべて、俺はグシャリと顔をしかめた。

アレをアイツに見せるというのか。

「アーク…?やっぱり気に入らない…?今からでも断った方がいい…」
「いや…問題ない…」
「問題ない顔には見えないけど…?」

少し困った顔で俺を見上げてくるセオ。
近頃ますますあの小憎たらしい創世神に顔の造りが似てきた。あの時も似ているなとは思ったが、最近は彼と瓜二つの美しさだ。

しかし彼は畏れを抱くほどの神々しさと美しさだったのに対して、セオはただただ親しみやすい愛らしさと物欲しそうな色気を振り撒いている。
時折哀しそうに空を見上げる姿は何を放り出しても抱きしめなければという気にさせるし、俺に欲情している姿は視界の暴力かと言いたくなるほどに妖艶だ。

つまり、あのヘルネシウスよりも百倍は可愛い。

これに、あの狂信者が会いに来る。

道中を襲撃してロイズバリド領の肥料にでもしてやったほうが、生産的というやつなのではないだろうか。
それともまだ危険が伴う転移陣に押し込んで、細胞単位で組み換えさせればこいつへの執着も薄れるのではないだろうか。

相手が誰であろうと俺が人を殺めたと知ればセオが泣くだろうから、何としても事故に見せかけなければならない。

そう算段をつけて頷くと、俺は少し口元を緩めていつも触り心地のいいセオの頬を撫でた。

「問題ない。…日程はもう決まっているのか?」
「うん!他の同盟国とロスディアで調印式があるから、その前にこっちに来るって」
「そうか。俺はまた明日から狩りをしに行くが、夜には必ず戻る。アイツがどんなに汚い手を使っても、二人きりで会ったりはしないでくれ」
「ふふ…心配してくれてありがと。でもオーレンは生まれた時からヘルネシウスに夢中なんだから、俺なんか親戚の子供くらいにしか思ってないぞ?」
「そう、だな…」

その無邪気な笑顔に、俺は顔を引き攣らせた。
自分でも見苦しいとはわかっているが、俺はセオに許しを得た上でトラスレットでのヤツとの会話を盗聴している。許した本人は盗聴されていることをもう忘れているようだが。

セオはまるで気がついていないが、あいつは商談と称して早朝から抜け抜けとセオを口説き、性的な欲求を滲ませるような要求を次々と突きつけているのだ。
俺のセオに。

自分でもどうしようもないグラグラと煮えたぎるほどの破壊衝動が生まれる。

俺は今まで考えたこともない、殺人を完璧な事故に見せかける方法をグルグルと考え始めた。

「お前がしたいようにすればいい…お前の笑顔が、俺の幸福だ…」
「アーク…大好き…」
「ああ。俺もだ、セオ」
「ん…っ」

再びうっとりと見上げて抱きついてくるセオに口付け、その唇を手で塞ぐ。
子供部屋で寝かせているティオが起きないようにと、最近はいつも口を塞いでくれと頼まれるからだ。

白く艶めく脚を持ち上げれば、まだ俺の白いモノで濡れそぼって、ふっくらと縦に割れた卑猥な穴が、クパクパと蠢きながら欲望を誘った。

「んぐ…っ!ふぅ…っ!うぅん…ッ!」
「く…っ」

限りを知らない興奮をヌプヌプとゆっくり埋め込んでいく。
いつも陽の光を浴びて微笑む目元が、快感に歪んで焦点をずらす。ビクンビクンと胸を反らせて、好色に熟れた身体を食べてくれと差し出してくる。

「ンンッ!!はあっ!ん…ッ!アアッ!」

情事の跡が残る身体に更に噛みつけば、俺の手の中で小さな舌が滑り、篭った吐息を吐き出した。

「ンッ!ぐっ!?んふぅ~~ッ!!」
「はあ…」

折れそうなほど細い腰に、グポリと奥まで入り込んで一息つく。

この時が、一番安心する。

「ふー…ッ!んふー…っ、ふぅぐ…」
「…」

心配が尽きないほどに美しく妖艶に成長してしまった俺の最愛は、この時ばかりは何も考えられないようで、失神しているように瞳をクリクリと彷徨わせ、カタカタ震える四肢をだらりと弛緩させる。
俺はそれを上から眺めると、どうしようもなく満たされていく気分になる。

これは、俺のものだ。
俺だけの、獲物。

「ンンン~~ッ!!?んんッ!!ぷはあっ!ああ…ッ!」

押さえていた手を外し、ズルリと腰を引いてベッドに押し付けるようにまたグプンと入り込む。
すると虹色の砂糖菓子のような精液が、いびつに膨らんだ腹にプシャリと飛び散った。

俺はそれをすかさず親指で押し込んで胸元に塗りつける。
プルプル震える可愛い心臓の辺りにセオの精液を塗りたくって齧りつくと、背を無理に丸めさせられて宙に投げ出された脚がピクピクと跳ねた。

「は…っ、あ…っ、あぁ…」
「はあ…」

欲望のままに身体を押し付けてグプグプと奥のひだをもてあそべば、セオは涎を垂らして恍惚とした表情を浮かべ、ため息のような静かな嬌声をあげる。

「ああ~…、ひはあ~、ああ…、はああ~…」

その声が、全てを俺のものにした充足感が、甘えて絡みつく肉のひだが。
腰を抜かしそうなほどに気持ちがいい。

細い身体を潰して胸の骨に齧りつき、乳首を舐めしゃぶり、何度も腰を打ち付ける。

「ああ…、あーく…、あ~、しゅきぃ~…、いぃ~…、ああ~、おなか、しゅきぃ…きもちいぃ~…、はあ~…」
「…ああ」

焦点の合わない瞳から涙を、だらしなく微笑んで開いた唇から涎をこぼしながら、頭の中を全て晒け出したように愛を告げられる。

これが一番可愛い。

ねっとりと甘えてくる穴をガツガツ暴いていると、セオは何度も緩い嬌声をもらして美しく白目を剥く。
細い竿からはトロトロと透明な汁があふれている。

「愛してる…セオ」
「はひぃ…、はへ…、ふ…、ぁ…」
「はあ…っ、く…っ」

しつこく捏ね上げていると、やがて泡を吹いて気絶してしまったが、こんな姿までもが美しくて笑いそうになる。
それでもそのままグチャグチャと卑猥な穴を愛で続ける。

出会った時からそうだったが、この寂しがり屋からあふれ出す人恋しそうな謎の色気と、俺を見上げてくる懐っこい瞳に、俺は毎日飽きもせず翻弄されて、いつだって興奮してばかりいる。

もう俺は変態でいい。
あんな痩せぎすの小さい身体の時ですら欲情したのだ。
小さいまま結婚して、その成長を堪能してしまった。
これからもっと大人びて、老いて死ぬまで、これはずっと俺のものだ。

「…ん、…ふ、…ん…」
「はあ…、美味い…、セオ…」

気絶した身体に二回目の子種を注ぎ込むと、俺はしばらく奥に埋まったまま、セオの胸や腹を舐めてその味を楽しんだ。




「…歓迎にしては礼を失しているな。アーク」
「ちっ…」

爆風で上がった土煙の中、強固な結界に守られた旅姿のオーレンが俺を睨み上げていた。

よく晴れた日の午後。
ロイズバリドは複数の国と不戦と貿易交渉についての協定を結ぶため、聖王自ら中立を謳う魔導士会本部があるロスディア付近まで飛竜の手綱を引いていた。

こちらから出向く手間が省けるというものだ。

「おっと、手が滑った!」

俺はそう大声で宣言しながら、銀の仕込み杖をオーレンの頭を吹き飛ばすつもりで振り抜いた。

「これは…どういうことだ…!」
「事故だ!」
「事故…だと?」

黒い羽根飾りのついたコートを纏い、黒い髪をなびかせて飛竜にまたがったオーレンは、戸惑ったように魔導砲を呼び出そうとした。

「く…っ」

しかし宙に手を差し出したヤツは広げた手を固く握って胸を押さえた。
抵抗をやめたオーレンを飛竜から飛び降りて蹴り飛ばすと、あっという間に地面に倒れたので、そのまま背骨を踏み肩をひねり上げる。

しかしヤツは軋む肩に眉を顰めながらも、俺を少し哀れっぽく睨みつけてくる。

「アーク…貴様は…もうあの言葉を忘れたか!殺さないでくれと必死に我々に訴えるあの、悲痛な涙を…!」
「ぐ…っ、だ、だがこれは事故だ!」

「知らないのか?かつて愛し子を救った大司教が、事故に見せかけて撲殺されたことを」
「何…?」

俺は戯言を宣うオーレンの背後にあるロイズバリド領の豊かな森を見渡した。
固そうな木だ。あれに叩きつければ飛竜の暴走でカタがつく。

同盟のために出てきた聖王を守る護衛や官吏たちは、まんまと幻影の罠にかかり、俺は聖王の引き離しに成功した。
しかしコイツを魔法で範囲爆撃したところ、しぶとくも魔道具を使って生き残っていたのだ。

オーレンの戯れ言はまだ続く。

「セオは、かつて半死半生で長年土に埋まっていたところを、のちに大司教となるナリスに助け出された!そのナリスを撲殺し、事故に見せかけ、まんまと次の大司教に収まったのがナリスの息子ジュリアスだ!彼はあれが悪夢の始まりだったと私に打ち明けたぞ。セオはナリスを少なからず愛していた。それを殺された悲しみと、愛する者を殺した者に触れられる恐怖。お前は彼らの二の舞を演じるつもりか!!」

「な、何だと…ナリス…?愛していた、だと…?」

俺が狼狽えてそう尋ねると、ヤツは目障りにもニヤリと笑った。

「そうだ。ナリスこそ、セオの初恋の相手だ」

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