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【学校の怪談】名前を呼ぶ岩
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とある小学生から聞いた話である。
彼の小学校は創立100周年を越える歴史ある小学校だ。
敷地には、「二宮金次郎」の像がある。
二宮金次郎像の周りにはきれいな花壇があって、一面花畑になるそうだ。
二宮金次郎と言えば、学校怪談の鉄板だ。
私が子どもの頃も映画「学校の怪談」で出てきたし、古典的テーマと言ってもいいだろう。
だが、その二宮金次郎像自体には何もないらしい。
二宮金次郎像を囲む花壇の中に、不規則に岩が埋められているらしい。
庭の調和やレイアウトを無視するように、無造作に配置されているらしいのだ。
花の中に岩…それも不規則に…
話をした小学生すら、不自然な岩の存在に違和感を覚えるらしい。
彼は語る。
「その岩は、児童の名前を覚えるらしいんだ。児童が一人でその岩の周りをうろついてると、名前を呼ばれることがあるんだ」
「岩からかい?」私が聞き直す。
「そう。そこで、岩の方を振り向いてしまうと、不幸な事が起きるんだってさ」
「不幸な事?」
「取り返しのつかないこと…とか、怖い事さ」と小学生君は言う。「だから絶対に、二宮金次郎の周りでは、名前を呼ばれてもそっちを向いたらダメなんだ。友達が呼んでるならいいけど、岩だったらおしまいだからね。聞き間違いもあるかもしれないから、そこでは名前を呼ばれても無視するのが一番なんだ」
彼は深刻そうに続けた。
「だから、そこで先生に呼ばれたら、どうしようかって思ってるよ」
【おわり】
彼の小学校は創立100周年を越える歴史ある小学校だ。
敷地には、「二宮金次郎」の像がある。
二宮金次郎像の周りにはきれいな花壇があって、一面花畑になるそうだ。
二宮金次郎と言えば、学校怪談の鉄板だ。
私が子どもの頃も映画「学校の怪談」で出てきたし、古典的テーマと言ってもいいだろう。
だが、その二宮金次郎像自体には何もないらしい。
二宮金次郎像を囲む花壇の中に、不規則に岩が埋められているらしい。
庭の調和やレイアウトを無視するように、無造作に配置されているらしいのだ。
花の中に岩…それも不規則に…
話をした小学生すら、不自然な岩の存在に違和感を覚えるらしい。
彼は語る。
「その岩は、児童の名前を覚えるらしいんだ。児童が一人でその岩の周りをうろついてると、名前を呼ばれることがあるんだ」
「岩からかい?」私が聞き直す。
「そう。そこで、岩の方を振り向いてしまうと、不幸な事が起きるんだってさ」
「不幸な事?」
「取り返しのつかないこと…とか、怖い事さ」と小学生君は言う。「だから絶対に、二宮金次郎の周りでは、名前を呼ばれてもそっちを向いたらダメなんだ。友達が呼んでるならいいけど、岩だったらおしまいだからね。聞き間違いもあるかもしれないから、そこでは名前を呼ばれても無視するのが一番なんだ」
彼は深刻そうに続けた。
「だから、そこで先生に呼ばれたら、どうしようかって思ってるよ」
【おわり】
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