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セクハラ、パワハラしてくる上司を成敗した話③
しおりを挟むそれから更に半年ぐらい経った、春の頃。
通勤用の車を車検に出し、たまたま電車通勤をしていた日に、イカつい男性に両側を挟まれて駅長室に向かう上司を発見しました。
ほとんど無意識のうちに、私は写メを撮りました。
ざわついている周りに耳を傾けると、どうやら上司は痴漢で捕まったようです。
これは今度こそ、上司が会社から居なくなるのでは? と心が沸き立ちました。
しかし、意に反して何事も起らなかったのです。
一週間経っても、上司はいつも通りに出勤してきました。
私の見間違いだったのでしょうか。そう怖気付いた私は、件の先輩に写メを見せて相談しました。
吹き出した先輩の目に光が点ります。あの痴漢はやはり上司でした。ふたりで考えた末、あまり大事にし過ぎるとあの上司の性格上報復が怖いので、上司の奥様にこれまでのセクハラを記したA4用紙と共に、痴漢の写真を添えて送りました。会社の封筒で。
ちなみにセクハラの証言は私のものだけでは無く、先輩と他の被害にあっていた女性社員達から集めたものです。
あとから聞いた話では、上司は有給を消費する事なく自主退職したとのことでした。奥様と一体どういう話をされたのかは不明ですが、封筒を送った自宅は売却され、どこに行ったのかは誰も知らないそうです。
奥様には気の毒なことをしてしまいましたが、あの上司の性格では家でも何かしらあったのでしょう。上司が退職してすぐに離婚したと、上司の同期である男性社員が噂していました。
パワハラもセクハラもない会社は、とても居心地がいいです。
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