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EPISODE48

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目が覚めるとそこは病院だった。腕には点滴、頭と足は包帯ぐるぐる巻き、辺りは暗く夜なのだろう。
暗くてあまり見えなかったが、徐々に慣れていき、見えてきた。
変な棚のようなものの上に花瓶があり、その中には花が大量に入っていた。誰かお見舞いに来てくれたのだろうか?
ま、そんなことどうでもいい。俺はどうしたらいいのか分からなかったため、ナースコールで医者を呼び出すことにした。ってか、身体に異常ないのに押していいのか?と疑問はあったが、別にいいべって感じで押した。



「おぉ、起きたね、修くん」
30代前半ぐらいの男の医者が来た。
ナースコール押したんだから、可愛いナースが来いよ!と、内心文句を言いつつ、俺は医者の言葉を聞く。
「いやぁ、君はもう5日ぐらい寝てたんだよ。」
物珍しそうな目で俺を見てくる。
「交通事故にあったんだってね、しかもだいぶ派手に。でも、見た目以上に怪我は酷くないよ。左足を骨折したぐらい。それ以外はなんともないね」
「じゃあ、この頭の包帯はなんなんですか?」
「あぁ、これね。これはノリだよ!頭を包帯でぐるぐる巻きになってると、怪我してるって感じでしょ?」
知らんはクソジジイ!なんだよこの医者絶対にやぶ医者だろ。
頭の包帯を勝手にとる。
「ああ!なにやってんのさ」
本当になんもないやん!
痛みもなんにもない。ホントにやぶ医者だろ。
「まぁ、今はまだ夜だし、日が昇れば家族が来ると思うから寝ててね」
5日間も寝たのにまた寝ろって、俺どんだけ睡眠好きって思われてるの?普通なら寝れないでしょ。俺は寝るけど!
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