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罰ゲームでクラス一の陰キャに告白して付き合う話

薄い本でよく見かけるシチュだ

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 雪兎、作家モード覚醒!

 説明しましょう!俺、伊勢嶋雪兎は「Yukito」と言うPNでBL小説を書いています。そしてひとたび作家モードに入れば、この世の有象無象をすべてBL的に解釈する事が出来るのです!
 また、腐男子イアーは地獄耳ッ!向こうに男同士の恋愛話があれば、どんなに離れていても一言一句逃さず聞き取れます!
 ほぅほぅ。負けた奴が、罰ゲームでクラス一の陰キャに告白…。あっこれ、薄い本でよく見かけるシチュだ!いいじゃん、嫌いじゃないですよ。そこから、真実の恋が芽生えるやつね。
 「クラス一の陰キャ」が一瞬俺の事かと思い、このまま告白されて付き合う展開まで妄想しました。だけど、違ったようですね。
 …加藤仁成くん。名前の読み、「ひとなり」?「じんせい」?新学期初日の自己紹介で聞いた筈ですが、声が小さすぎて聞き取れなかったので記憶にございません。
 パリピどもが言っていた「クラス一~」の評価に違わず、まぁ教科書に出てくる陰キャのお手本みたいな子です。…「子」と表現をしたのは、一瞬クラスの誰かが中学生の弟でも連れてきたのかってレベルの幼い容貌だからですね。俺もクラス内では背が低めな方なんですけど、彼は160行くか行かないか?下手したら、もっと低いかも。
 加えて「目隠れキャラ」とでも言うのか、その両目をガッツリと覆い隠した黒髪…。あの、前見て歩きづらくないんですかそれ?でも、知ってるでぇ。その髪の奥底には、つぶらな瞳…そして稀代の美少年が隠されているんやろ。ぐへへ…。

 …つい、興奮してしまいました。続いて、陽キャ側の紹介をしましょうか。
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