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陰キャの彼氏と二回目のデートをする話

どうせ、ロクな事じゃないでしょう

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 目当ての品を買ってからも、二人で少し店内を回ってみた。色んなキャラの商品があるもんだ。ストラップ、クリアファイル、缶バッジ、etcetc…。

 「そうだ、閃いた!」
 「どうせ、ロクな事じゃないでしょう!?まぁ、一応聞いてあげますけど」
 「加藤くんの『歌ってみた』動画、今もすげー人気じゃん。世界中の野郎どもが、男とはつゆ知らずに『Aquaちゃん、Aquaちゃん』ってもてはやしてさ。ここは一つキャラクター化して、LIMEスタンプやら何やら売り出すってのはどうよ?」
 「やはり、ロクな事じゃなかった…。そんなの、誰がデザイン化するんです。ボクもあなたも、絵心ないでしょう?」
 「フフフ。さっき話したオレの姉貴だがな、東京の美大でデザインを専攻しておるのだよ!元々オタクだから、キャラクター化も余裕だぜ!姉貴にも、Aquaちゃんの正体打ち明けなきゃだけど…。稼ぎは半々って事で、儲けた金で念願の個室露天風呂に…」
 「まだ諦めてなかったんですか、それ!?絶対、うまくいかないような…。それはそれとして、お姉様に正体を打ち明ける事自体は構いませんよ」

 「おうよ。何せ腐女子だからな。弟が連れてきた恋人が男子高校生だって知ったら、鼻血出して喜ぶぜ!」
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