『Nightm@re』という異世界に召喚された学生達が学校間大戦とLevel上げで学校を発展させていく冒険譚。

なすか地上絵

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第二章★

059:もうひとり。

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ーー同時刻
■線路上(草壁 真司)


 真っ暗な線路上で私、上杉と謎の人物で対峙している。男は未だフードを被り、得体が知れない不気味な雰囲気を漂わせていた。

「あなたは何者なんです?」

 私はランスを構えながら男に聞く。

 無動作での移動系能力…そしてひしひしと伝わってくる存在力。相手を観察ながら思う。彼の存在力の大きさは間違いなく現時点最強クラスですね。うちの会長前後くらいのLvはありそうです。

「何かいったらどうだ? 」

 上杉が指輪の形状を変え拳銃にしていた。耳を貫くような発砲音がする。弾丸が男に向かっていく。

「……せっかちな人達だねー」

 男の手元から鎖鎌が飛び出し、素早く弾丸を切り落とす。あの鎖鎌…どこかで見覚えが…それは上杉も同じようだ。

「……!! 」

 男はフードを脱ぐ。
 まるで小動物のような可愛いルックスが現れる。この人以前、真君と一緒にいた男子生徒ですね…。もっとも今は不気味な笑顔と得体の知れない雰囲気をしていますけど。

「あ、あなたは確か大和 真と大凶高校戦では共に行動していたナルとかいう人物では?」

「へー、さすが副会長さんだね。あなたとは直接お話ししたことはなかったけど、大和君といたことは覚えててくれてたんだね。そっちの上杉さんは僕のこと知ってるもんねー」

「お前何してるんだ?それにその雰囲気」

「我々の味方に手を出した時点で敵と判断すべきでしょう。それに今のあなたの存在力は異常な数値です。今まで戦闘力を隠していたんですか?」

「まあ、そんなとこだね。ちょっと見ときたかった人物がいてね。色々観察させてもらったよ。そしてね元々、僕は違う学校の人間なのさ。星華高校で「彗星」を名乗っている」

ーーバシャ

 「ーー!!!」

 足元にはいつの間にか水が溜まっている。いや…薄く水没している。どこからか水が流れてきていて、どす黒く禍々しい水が辺りを覆う。これって……

「おいおい! この能力どこかで…」

 ナルの手には鎖鎌くさりがまではなく、いつの間にか刀が握られている。

 これまでで一番の身の危機を感じた。

 身体がやけに震える。
 背筋からは汗が止まらない。

━━━━━━━━━━━
発動!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★水神の神殿
━━━━━━━━━━━

 ナル…いや彗星の刀からは禍々しい音声が流れ、刀身からはさらにとめどなく水が溢れて出てくる。線路上だけじゃない。付近の駅のホームや街中にまで水が敷かれていく。

「その刀は大和のじゃねーか!!まさかあいつも殺したのか!? 」

 上杉は拳銃を構えながら、彗星に聞く。

「いや、少し違うよ」

「…? 」

「この刀の名前は【草薙刀(左)】だよ。ちなみに大和君が持っているのは【草薙刀(右)】さ」

「お、お前は何者なんだ?草薙刀とその膨大な存在力……」

 辺りに敷かれたどす黒い水が揺れ始め、異変を感じる。

「うーん。そろそろ立心館との終戦が近づいてるみたいだね」

 2人は彗星から明らかな殺気を感じていた。

「もう正直、うちの高校は負けるからもう、どうにかしようみたいな気はないんだけどね。でも君達は死んでもらうね。僕の気まぐれで」

 彗星の辺りの水が盛り上がり、まるで竜のような形が何体もできていく。その水の竜が2人を囲む。

「最後に教えてあげるよ。僕の名前は“ナル”でも"彗星"でもない……」

 水の竜が急速に動きだし、2人に容赦なく迫っていく。

「……我が本当の名前は“タケル”」

 凄まじい轟音が辺りに鳴り響いた。

 しかし、その音は戦闘中の会長達に届くことはなかった。

…………
……
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