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「サマンサ様の御領地で?」
アイリーンがショーンに確認している

「あぁ 叔母上はもう亡くなっているが 従兄弟のフレディから報告が上がっている」
「どうしても サマンサ様への感謝の気持ちでフレディ様よりお名前が出てしまいますわ ゴメンナサイ」

「いいんだよ アイリーン」
ショーンはずっと手を離さないで
アイリーンと話をしている

「でも なんだか嫌ですわ
今頃なぜ 私を探しているのでしょか」

「うん 逆にこちらも 訪ねてきた者の
後をつけたが 巻かれてしまった
余程の影かと おもう
隣とかな」

「隣の国の…
あまり良いお噂は聞きませんね」

「そうだね
今はあの国はかなり国民に重税をかけていると聞く 国境をコッソリと越えて我が国に入ってくる民が多いらしい」

「まぁ もしやフレディ様やうちのキャリング家の領地にも!」

「そうだ 
隣国と接しているのは その2領地だからね 弟君にもきいてみているよ
やはり少しずつだが増えているらしい」

「助けてあげるのは 良いのですが
国を…故郷を捨ててくるのは 心が痛むでしょうね……」

「勿論 国の中から変わらねばならないが
私達が出来ることではないから
優しいアイリーン」

「ショーン様 私最近思っておりましたの」

「アイリーンが考えていることを 私が分からないなんて!是非教えておくれ」

「ソフィアにこの私が女神様からいただいた 裁縫の加護 あの子に渡そうかとおもうのです どうでしょうか?」

「おや それは何故だい?」

「私も年を取りましたし
自分で縫うわけではないけれども
あの子の方がより多くの ハッピーを分けてあげると うちに入国してきた方々も
喜ぶのではないかと 思いますの」

「そうか…それも良いかもしれないね
女神様にご相談してみるといいよ」
アイリーンの肩を抱き寄せ
髪にキスするショーン

「そうですわね では
女神様!いらっしゃいますか?」
口にして祈りのポーズをとると

「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンよ!」

いらっしゃった




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「何 それでは 加護持ちは
隣国の王太后のアイリーン殿か」

「はい まだ ショーン様とご結婚される前に そのような加護をもっていたと
思われます」

「間違いないのか?」

「はい ご生家のキャリング家の領地に移らせました 部下の者からの報告です」

「そうか ならば 戦争か」
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