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カーラと 途中から心配して来てくださったお祖母様と3人で 色々と笑いながら
女神様の靴を作っていったわ

「出来た!」

そこには青空の色の靴が
見事な花の刺繍が趣味の良さをうかがわせる

「もう 夜も更けておりますわよ
アイリーン様 ショーン様がきっと
扉の向こうにいらっしゃいますわよ」

「まさか!」

「いいえ絶対にいらっしゃいます
あと ルイス様も居るでしょう」
今度はソフィアに向かって告げる

「ルイスが…」
また 胸が痛い

「では おやすみなさい ソフィア」
「はい お祖母様 来ていただいて
一緒に作っていただいて 嬉しかったです」
「ソフィア…最後まで諦めちゃ駄目よ
貴女のお父様もお祖父様 お兄様 家臣皆が知恵を出すわ 良いこと?」

「はい お祖母様」
ギュっと抱きしめて 扉にいって開けると
本当にお祖父様が待っていらっしゃった
「凄い ホントにいらっしゃったわ」
「ですわ ショーン様はアイリーン様しかいらっしゃらないのですよ ふふ」

開いた扉の向こう お祖父様より奥に
ルイスの姿も見えた

「ソフィア様!」
ルイスが 私の姿を見て声を出すが…

「閉めて……」

「よろしいのですか?ルイス様も
ソフィア様しか見ておりませんよ」
「だって もう私は…」

「ソフィア様 お話があります!」
なんとかソフィアと話がしたいルイスは
粘るが

「カーラ 閉めて
ルイスには明日話を聞くと言ってちょうだい 夜も遅いし カーラも閉めて出た後は 下がって休んで頂戴ね」

「畏まりました」

カーラは扉を閉めてルイスに説明しているようだった
少しの間話し声が聞こえたが 二人共居なくなったのか 静かになった


色々あった1日が終わり
広々としたフカフカのベッドに
ソフィアは丸くなって眠った
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