【完結】婚約破棄された公爵令嬢 アンジェリカ様

文字の大きさ
4 / 76

4

しおりを挟む
「お父様とお兄様
お二人とも お辛くないかしら
馬での移動は久しぶりではないかしら」

「お嬢様
旦那様も最近はお仕事ばかりでしたが
奥様がお亡くなりになるまでは
騎士団長をおやりになっていらっしゃったのですよ?
この国随一の騎士様でしたの
私も カッコいい!と憧れておりました
国中の女性の憧れでしたわ!
お嬢様のお生まれと同時に
侍女として雇っていただいた時には
もうもう 天にも上る気持ちで
しかも
奥様とお並びになった 
お二方の美しさと言ったら
もう お給金なんて要らない!
本気でそう思いましたわ
しかも 
お生まれになったお嬢様も
天使!
一生お仕えすると その時心に誓いました」

マリアはいつも 側にいてくれる
お母様が亡くなってからは
特にずっと 側にいてくれる
でも
回想が始まると
止められない
お父様 お母様に心酔しているから
もう ほんとに止められない ふふふ

「マリア
いつものがまた 始まったわね
小さい頃から それは聞いてるわよ ふふふ」

「お嬢様は まだまだ 認識が甘いのですわ
奥様と言えば……」

まだ 続くようね
でも こうやって
 私の記憶には少ししかない
お母様のお話を聞かせてくれているの
マリアがわざわざ そうしてくれているのが
分かっているから
その優しさが 大好き
お父様もお兄様達も
マリアのお話は大好きなの
お母様が 
今でもそこにいてくださる気がするから


夜更けに出発して
夜明けですわ
ちょうど  太陽が出てきました


コンコン
ジアンお兄様が馬車の窓を叩かれました

「アンジェリカ もう少ししたら
草原になるから 休憩するよ」

「畏まりました お兄様
ありがとうございます」
笑顔でお答えしました

お兄様も 笑顔で返していただいて
また 馬を前の方に走らせていきました

「皆さん 夜通し走られて大変ですわね
マリア 朝のお支度は私も手伝いますからね」

「承知しております
エプロンもここにございますよ
お嬢様なら
そうおっしゃると思っておりましたから」
ニコ!

「流石 マリアね
作るものは 何か決まっているのかしら」

「そうですね
サンドイッチは
 屋敷の方で作って来ておりますから
あと 体を暖めるス―プを
作らないといけませんね」

「そういえば 料理長は?」

「もちろん 一緒ですわ
もともと 旦那様と同じ騎士団でしたから
馬で移動されてましたね
ちょっと体力が持つか 不安ですが」

実は 料理長とマリアは親子です
料理長は騎士団に騎士として在籍しながら
料理が上手いと言うことで
うちの料理長になったのです
お父様の昔からの学友らしいのです
ですから 私からすると
おじ様みたいなものですわ

マリアのお母様も家に勤めていただいてます
ただ 領地の侍女頭をしていただいてます
留守を任せられるのが 
他にいらっしゃらなかったので
申し訳ないことに
 別々に暮らしていただいてるんです
でも 今回久しぶりに
 一緒に暮らせるみたいなので
私としては 少しほっとしてます


馬車が止まったようです

「マリア いきましょうか
体が固いですわね」

「そうですね
ほぐさないと 
あ  向こうで旦那様達がお待ちですよ」

「お疲れでしょうに」

二人で歩いていくと
「アンジェリカ」

「お父様
お疲れではありませんか?」

「年をとったぶん 少しきついかな」
「なにをいってる? 」
「父上は余り変化が無いです
最盛期は どれだけ強かったのですか
戦ってみたかったです」
「おや?
今でも 勝つ以外に 想像ができないがな
ハハハ」
「こいつに 勝つには後5年は早い 
ジアン様」
料理長のマルコおじ様

「父さん
ス―プ作るんじゃないの?」
マリアが話しかけると

「あ  そうだった 忘れてた」

「もう!母さんに言いつけるわよ」

「勘弁してくれ!」


「私も手伝いますわ」

「アンジェリカ
疲れてない?」

「ジアンお兄様
皆さんの方が騎乗なので疲れてると思うの
それなら私が手伝うのが筋でしょ?」

「そうだな
ジアン アンジェリカの好きなように
させてあげなさい」

「俺は そんな気遣いが出来る妹が自慢だよ
じゃあ 行っといで」

「では お手伝いしてきます
待っててくださいね」

マルコおじ様とマリア
私と 数人の使用人で ス―プを作った

みんなが 美味しそうに食べてくれて
少しは気が休まりましたわ





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

処理中です...