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翌朝
ペロペロペロペロ
頬っぺたを舐められてる気がする
猫ちゃんが舐めてるんだろうな
どうしよう
起きちゃったら ペロペロが止まるわ
寝たふりをしようと決めた!
その時
「お嬢様何時まで寝たふりをしてるのですか?」
く!
優秀過ぎる侍女のマリアが話しかけてくる
お願い マリア!
この 猫ちゃんとの スキンシップを……
「猫ちゃんには
もうミルクをあげちゃいましたよ」
「え!
そんなのズルい!」
「早く起きてください!」
「だって ペロペロしてくれてたのに」
すでに ビックリして距離をとられ
こちらを窺っている様子だ
失敗した…
でも 今一度 信頼を勝ち取るのだ!
と
萎えた心にむち打ちながら……
「猫ちゃん おいで」
その言葉を口にして 手をさしのべた
「ミャ~」
歩いてくる!
信頼を取り戻したのか?
いや 焦ってはだめ
まだ この手に勝利は………
きた~~~~!
「ゴロゴロ」
喉をならせて 手にすり寄ってくる!
勝利を確信した瞬間だった
「ミルク あげたかった……」
「お寝坊するからですよ」
「うっ!」
「さぁ お着替えしないと
今度は首輪まで
他の方につけられてしまいますよ」
そうだった!
「着替えるわ!」
「はい」
クスクス
「お食事の後にはすぐ 来られますよ
出来上がりが楽しみですね」
黒のベルベットの首輪に
金糸で私の名前を縫い付ける
もしも また 迷子で困ったときに
保護されて私の所に来るように
つぎ そうなったら
ずっと 飼うつもりでいる
「さぁ 出来ましたよ
旦那様のお部屋に参りましょう」
「えぇ 猫ちゃんおいで」
猫を抱っこして
お父様のお部屋へ
食事を済ませたら
「お嬢様 首輪を持って参っております」
「お通しして」
「公爵様 おはようございます」
「あぁおはよう どうだ 出来たかね?」
「はい こちらでございます」
思った通りの出来映え
しかも 小さく丸い金のプレートに
アンジェリカの瞳の色のサファイアが
小さいながらも 埋め込まれていた
「これは……」
「はい 勝手ながら
つけさせていただきました
何か1つアクセントがあった方が
可愛らしいかと思い
申し訳ございません
お気に召されないときは
直ぐに外しますが…」
「いえ 可愛らしいわ
ありがとう」
「という事で
気に入ったらしい
急がせて済まなかった
こちらを受け取ってくれ」
そう言うと 公爵は
金貨3枚を渡した
「こんなにも 貰いすぎます!」
「急がせた分とアイデア料だ
受け取ってくれ」
「畏まりました
ありがとうございます」
「さあ 猫ちゃんつけましょうね」
膝の上に猫をのせて
今ついている首輪を外す
そして
新しい首輪をつけたら
「可愛い!」
「うん いいアクセントになってるな」
「連れていきたいけど
ご主人様が探してるかもしれないし
そうだ
女将さんに頼んで
もしも この後も居つくようなら
連絡を貰えるようにしてもいいですか?
お父様」
「あぁ 構わないよ」
「嬉しい!
ありがとう お父様!」
公爵の首に手を回し抱きつく
「こんな事で 抱きついてくれるなら
もっと頼まれてもいいな」
「お父様ったら うふふ」
「さぁ 今日も走らなきゃいけないからな
昼食の弁当も頼んでくれたか?」
「はい たっぷりと」
「よし 準備して出るか」
「畏まりました」
「アンジェリカ さぁ準備しておいで
その後は 猫ちゃんとのお別れだよ」
「仕方ないですが お別れですね
準備してまいります」
そして
「公爵様 この度もありがとうございます
旅のご無事をお祈りしております」
「女将 世話になったね また 頼むよ
あと この猫も 」
アンジェリカの抱いている猫を指差す
「女将さん お願いします」
「お嬢様 誰も居ないときは必ず連絡致しますわ」
「お願いします
猫ちゃん お別れね 元気でね」
そう言って猫を放す
ととっと走って 止まり
アンジェリカの方を向いて
「ミャ~」
一声
そして走っていった
「さぁ 出発だ 今日も走るぞ!」
「はい!」
猫の走っていった方を見て
「バイバイ 猫ちゃん」
その頃
猫はというと
カリカリ カリカリ
「アンジェリカ!帰ってきたんだね!」
「ミャ!」
「探してたんだぞ!
ん?この首輪は?」
「ラインハルト様
アンジェリカは帰ってきたんですか?」
「あぁ だが 新しい首輪をしているんだ」
「ええ?半日の家出でですか?
どんな金持ちですか!」
「うん 結構な値段がするだろうな
サファイアが入っているぞ」
「!猫に サファイア……」
「名前も アンジェリカって入ってるが
Bの文字が入ってる 誰だ?
アンジェリカ B」
「Bですか……この国で アンジェリカというと
ブレシア公爵家にいらっしゃいますね
領地も ここから1日ですかね
先程騎士団が集まってましたから
そうではないでしょうか
女将に聞いておきます
昨日泊まられたかもしれませんね」
「だが 王太子の婚約者ではなかったか?」
「確か そうですね
その辺りも聞いときましょう」
「頼む そうなら
この首輪のお礼も言わないといけないからな」
ペロペロペロペロ
頬っぺたを舐められてる気がする
猫ちゃんが舐めてるんだろうな
どうしよう
起きちゃったら ペロペロが止まるわ
寝たふりをしようと決めた!
その時
「お嬢様何時まで寝たふりをしてるのですか?」
く!
優秀過ぎる侍女のマリアが話しかけてくる
お願い マリア!
この 猫ちゃんとの スキンシップを……
「猫ちゃんには
もうミルクをあげちゃいましたよ」
「え!
そんなのズルい!」
「早く起きてください!」
「だって ペロペロしてくれてたのに」
すでに ビックリして距離をとられ
こちらを窺っている様子だ
失敗した…
でも 今一度 信頼を勝ち取るのだ!
と
萎えた心にむち打ちながら……
「猫ちゃん おいで」
その言葉を口にして 手をさしのべた
「ミャ~」
歩いてくる!
信頼を取り戻したのか?
いや 焦ってはだめ
まだ この手に勝利は………
きた~~~~!
「ゴロゴロ」
喉をならせて 手にすり寄ってくる!
勝利を確信した瞬間だった
「ミルク あげたかった……」
「お寝坊するからですよ」
「うっ!」
「さぁ お着替えしないと
今度は首輪まで
他の方につけられてしまいますよ」
そうだった!
「着替えるわ!」
「はい」
クスクス
「お食事の後にはすぐ 来られますよ
出来上がりが楽しみですね」
黒のベルベットの首輪に
金糸で私の名前を縫い付ける
もしも また 迷子で困ったときに
保護されて私の所に来るように
つぎ そうなったら
ずっと 飼うつもりでいる
「さぁ 出来ましたよ
旦那様のお部屋に参りましょう」
「えぇ 猫ちゃんおいで」
猫を抱っこして
お父様のお部屋へ
食事を済ませたら
「お嬢様 首輪を持って参っております」
「お通しして」
「公爵様 おはようございます」
「あぁおはよう どうだ 出来たかね?」
「はい こちらでございます」
思った通りの出来映え
しかも 小さく丸い金のプレートに
アンジェリカの瞳の色のサファイアが
小さいながらも 埋め込まれていた
「これは……」
「はい 勝手ながら
つけさせていただきました
何か1つアクセントがあった方が
可愛らしいかと思い
申し訳ございません
お気に召されないときは
直ぐに外しますが…」
「いえ 可愛らしいわ
ありがとう」
「という事で
気に入ったらしい
急がせて済まなかった
こちらを受け取ってくれ」
そう言うと 公爵は
金貨3枚を渡した
「こんなにも 貰いすぎます!」
「急がせた分とアイデア料だ
受け取ってくれ」
「畏まりました
ありがとうございます」
「さあ 猫ちゃんつけましょうね」
膝の上に猫をのせて
今ついている首輪を外す
そして
新しい首輪をつけたら
「可愛い!」
「うん いいアクセントになってるな」
「連れていきたいけど
ご主人様が探してるかもしれないし
そうだ
女将さんに頼んで
もしも この後も居つくようなら
連絡を貰えるようにしてもいいですか?
お父様」
「あぁ 構わないよ」
「嬉しい!
ありがとう お父様!」
公爵の首に手を回し抱きつく
「こんな事で 抱きついてくれるなら
もっと頼まれてもいいな」
「お父様ったら うふふ」
「さぁ 今日も走らなきゃいけないからな
昼食の弁当も頼んでくれたか?」
「はい たっぷりと」
「よし 準備して出るか」
「畏まりました」
「アンジェリカ さぁ準備しておいで
その後は 猫ちゃんとのお別れだよ」
「仕方ないですが お別れですね
準備してまいります」
そして
「公爵様 この度もありがとうございます
旅のご無事をお祈りしております」
「女将 世話になったね また 頼むよ
あと この猫も 」
アンジェリカの抱いている猫を指差す
「女将さん お願いします」
「お嬢様 誰も居ないときは必ず連絡致しますわ」
「お願いします
猫ちゃん お別れね 元気でね」
そう言って猫を放す
ととっと走って 止まり
アンジェリカの方を向いて
「ミャ~」
一声
そして走っていった
「さぁ 出発だ 今日も走るぞ!」
「はい!」
猫の走っていった方を見て
「バイバイ 猫ちゃん」
その頃
猫はというと
カリカリ カリカリ
「アンジェリカ!帰ってきたんだね!」
「ミャ!」
「探してたんだぞ!
ん?この首輪は?」
「ラインハルト様
アンジェリカは帰ってきたんですか?」
「あぁ だが 新しい首輪をしているんだ」
「ええ?半日の家出でですか?
どんな金持ちですか!」
「うん 結構な値段がするだろうな
サファイアが入っているぞ」
「!猫に サファイア……」
「名前も アンジェリカって入ってるが
Bの文字が入ってる 誰だ?
アンジェリカ B」
「Bですか……この国で アンジェリカというと
ブレシア公爵家にいらっしゃいますね
領地も ここから1日ですかね
先程騎士団が集まってましたから
そうではないでしょうか
女将に聞いておきます
昨日泊まられたかもしれませんね」
「だが 王太子の婚約者ではなかったか?」
「確か そうですね
その辺りも聞いときましょう」
「頼む そうなら
この首輪のお礼も言わないといけないからな」
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