モブが主人公になった日

ゆーの部屋

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モブ・変わる

世界が巻き戻った日

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2350年
世界が変わってから50年。たったそれだけの間に様々なことが起こった。覚醒者の存在やダンジョンなど。そしてたった今、世界の英雄であり、人類の最終防衛線。灯火相馬が倒れた。
「時魔法・絶・タイムリープ・世界よ。巻き戻れ。」
と告げて。
そのあと静止したように周りは止まり全てが巻き戻るように動いていった。ある・5人・を除いて。









2330年
「あれ?なんで俺も記憶があるんだ?あの2人はわかるけど、なんでだ?」
ピロン♪
ーあなたは覚醒しました!
ー特別な条件下での覚醒を成功させたので神からの恩恵が与えられます。
ースキル・時渡りが与えられました。
「え?」
ー私に名前をください。
「つまり俺は巻き戻ると同時に覚醒したイレギュラーってことか。」
ーその通りです。
…そういえば灯火さんも再覚醒の後声が聞こえるとかなんとか言ってたな。それがこれか。
「じゃあお前は菊だ。」
ー了解いたしました。
「でもな、俺に何ができるってんだよ。」
…そう俺は自分で言うのもアレだがゴミである。何もできないただのゴミ。
「よいっしょ。」
そう思いつつベッドから起き上がると、
「そうか!時間巻き戻ったってことは15歳に戻ったのか!」
「これなら何かできるんじゃないか?」
「なら頑張ってみるか!」
「なんか眠気が…ファァねむ。そりゃそうかまだ3時だもんな。また後で考えるか。取り敢えずもうちょっと寝よ。」








ー午前5時
「うーん。」
「やっぱりいきたくないな学校。」
「よっこいしょ。」
ーピロン♪
ーデイリークエストが発動します。


デイリークエスト
腕立て伏せ 0/100
腹筋    0/100
背筋    0/100
体幹    0/100(1分で1回)
ストレッチ 0/10
ランニング 0/10(㎞)
勉強    0/3(時間

「え?は?」
「なにこれ」
ーもし行われなかった場合ペナルティクエストが発生します。

「俺に?無理に決まってんだろ。俺デブだぞ。どうにかなんねえの?」
ー決まりですので。
「はぁ?」
ーやった方がいいと思いますよ。
…ここで諦めてもなんも変わらないしやるか。
「取り敢えず朝は筋トレ類をやるか。」



ー午前7時30分
「はぁはぁ、やっと終わった。学校行かなきゃ。」
ーお疲れ様です。行ってらっしゃいませ。

「なんか疲れたな。毎日か~辛いな。学校も殴られる生活が始まるのか。」
「よおクソ豚。お前目障りなんだよ。話しかけてやってるだけありがたいと思え。」
ボコ バキ ボキ
「グフ。」
「wwwじゃあな。」
「本当に最悪だな。」



ガラ
…みんな遠巻きに見て俺のこといじめて。うっぷ吐き気がする。

「おいよくきたな。お前邪魔なんだよ。」
バキ ボキ バコ
「はぁはぁ」
「へへ。じゃあなクソ豚。」

…俺の性格もあってかいじめはエスカレートしている。
…やめてなんかいえない。
…頑張るしかねえ。




ー授業中
…そうか!時渡りの魔法で同じ空間でずっとひたすらダイエットすれば取り敢えず少しは良くなるんじゃないか!?よし!家に帰ったら早速実践してみよう!




午後7時
…やっとデイリークエストが全て終わった。
…じゃあ今やってみるか。




午後12時
「はぁはぁ。時渡り。」



午後7時
「またやるか。」



午後12時
「はぁ。時渡り。」



午後7時
「よし。」



午後12時
「ひぃ。時渡り。」





午後12時
「時渡り。」



午後7時




午後12時
「そろそろか。」
…今日は合計15回繰り返した。明日から夏休みに入るようだから、
もっと頑張っていこう。

















50日後
「ふう。久しぶりの学校っていうか。久しぶりに外に出るな。
…というのも俺は時渡りの空間の中でダイエットしていたためほとんど外に出ていない。
「いきたくないな。学校。あの地獄には戻りたくないよな。」
ーいきましょう。
「わかったよ。全く。」
…俺がここまで頑張れたのはこいつのおかげでもある。いつも後押ししてくれていたところが非常にでかい。
ーもっと自分に自信を持ってください。今のあなたはきっと誰もいじめられませんよ。ほら。鏡を見てください。
「わかったよ。」
…そういいながら鏡を見てみると、
「え?」
「…これが、俺?」














…そこにはなんとも形容し難いとてつもないイケメンがいた。
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