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プロローグ

神から奪った

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「ふぁぁ。平和だなぁ。」
…俺、坂口 穂さかぐち みのるはその日はいつも通りゴロゴロしていた。
「なんか面白いこと起こらないかなぁ。つまんないな~。」
…そうはいうが、俺は極度のめんどくさがり屋。何をするにもご褒美がないとやる気も出ない。
ーそんなに面白いことが欲しいなら異世界に飛ばしてやる。
「な、なんだ?」
…自分の周りが光り始めている。
「うわぁ~。」















「いててて。全く下に布団ぐらい敷いといてくれよな。で、ここ何処?」
「奥に主がお待ちしております。」
「まったく親切じゃないな。じゃあ行ってみますかね。」
「ふん。貴様か。つまらないつまらないとほざいておったのは。わしは神じゃ。」
…誰だこの自称神のクソジジイ。
「あー確かにそんなこと言ってたような気もするわ。」
「そんなに面白い人生を送りたいならわしが送ってやらんこともない。」
「それもそれでめんどくさいような。」
「なんだと!?馬鹿にしているのか!?」
「だってあんたが神様だったとしてもそんなに位高くないでしょ。さっき上下関係があるのは見たから良くて中の下位じゃない?」
「ばかにしおって!わしはお前なんぞいつでも消し飛ばせるんじゃぞ!」
「でも呼び出したのは上司の命令でしょ。ってことは俺のことをここで消すわけにはいかないんだ。それでも消すのか?」
「ぐぬぬぬぬ。スキルを一つだけ渡してやる。好きなものをいえ。」
「そうだなぁ。楽できそうなスキルでしょ。簒奪でどうだ?」
「世界のバランスが乱れん程度に整えるためある程度グレードは落ちるぞ。」
「問題ない。ちなみにどうして俺をよんだんだ?」
「お前が知っていいことではない。」
「つまりおまえも知らないってことだな。」
「バカにしおってぇ!ほらこれがスキルだ。さっさとそこにある魔法陣の上に乗れ!」
「ふーん。スキル 簒奪 自分の目の前にいる存在にのみ使える。相手の全てのスキル、魔力、称号、レベルを奪うことができる。使える回数 1回 か。まあ悪くないな。じゃあ。簒奪」
…えげつない量のものが目の前の自称神から俺に流れてきた。
「え?は?」
「ざまあみろ!」
「貴様ぁ!ふざけるなぁ!」
「じゃあな。」
…そう言って俺は魔法陣の上に乗った。…瞬間俺は光に包まれた。















「すみません。???様。どうか私にチャンスを。」
「断る。…それにしてもまずいことになったな。早く???様に伝えなければ。お前はこれで終わりだ。」
「そんなぁ。だずげでぐだざいよぉぉぉぉ。」
「鬱陶しい消えろ。」
…その瞬間とある力を失った神は消え去った。
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