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13話 ミリオンパーティーの行く末は 1
ミリオンパーティーはこの日、魔獣討伐の目的地にむかっていた。カイトを追い出したあとに受けた依頼だ。
今回の目的地はピーコック山脈だ。そこに生息するパラリシスベアーを討伐するために、出発したのだった。
「クソッ、また魔獣かよ!」
「もう! こんなただのザコなんて、相手にしてる場合じゃないのよ!」
「チッ! トレット、こんな奴ら一発で片付けろ!」
「う、うるせぇ! サウザンこそダメージ喰らってんじゃねぇよ!」
今日はやたら魔獣が出没して、なかなか前に進めなかった。倒せはするものの、次から次へと襲われる。
「ファイアボール!」
「うらぁ!!」
ティーンが魔法で仕留めそこなった魔獣を、トレットがトドメを刺して、今回の戦闘は終了だ。
「なんだ、ティーン、調子悪いのか?」
今までは、あの魔法で仕留めていたのに、今回の討伐では一度も倒せていなかった。ミリオンは恋人の調子が心配で、優しく声をかける。
「うーん、なんでだろう? 昨日あんまり寝てないからかな?」
「それは……俺のせいだな。ごめん」
「もう、ミリオンったら仕方ないんだから。許してあげる」
「うわっ、また始まったよ!」
「チッ! ホント勘弁してほしいよな。こっちは独り身だってのに」
甘い空気を出しはじめたミリオンとティーンに、トレットとサウザンは辟易していた。たまに時と場所をわきまえずに、このふたりはハタ迷惑な空気を振りまくのだ。
そして周りにドン引かれていることに、気づいていない。
でも、そんなのはお構いなしに、魔獣たちは襲いかかってくる。
「オマエら! いい加減にしろよっ!!」
「チッ! 魔獣が来たぞ!!」
トレットとサウザンは戦闘状態に入っている。ミリオンとティーンも慌てて参戦した。
***
「はぁ……ったく、何なんだよ……!」
ミリオンは荷物をドサッと木の根元に投げつける。
カイトがいないことによって、野営の準備は担当制になったので、まずはトレットに割り振った。
ピーコック山脈の麓までは何とか来れたが、時間と体力的にその先に進むことができなかった。いつもなら、今頃は魔獣を倒したあとの、帰る前の野営のはずだった。
「ねぇ、ミリオン。今日の魔獣の遭遇率おかしいわよ」
ティーンが深刻な顔で、進言する。それにサウザンも続いた。
「チッ! まさかと思うが、スタンピードの前触れじゃねぇだろうな?」
「それはないだろ! 5年前に起こったばかりだぞ?」
トレットがすかさず否定する。だが、たしかにスタンピードの周期が来るのには、早すぎるのも事実だ。通常は10年から15年ほどで次のスタンピードが起きる。
「とにかく、戻ったらギルドに報告しよう。明らかにいつもと違う」
ミリオンはそう言って、眠ろうと横になる。夜の火の番も交代制だ。トレット以外の3人で、順番に見ることになっていた。
昼間に絶え間なく魔獣に襲われて、全員がいつもより疲れていた。最初に火の番をしていたサウザンも、やがて強い睡魔におそわれてウトウトとしてしまう。
近づいてくる獣の気配には誰も気が付かなかった。
今回の目的地はピーコック山脈だ。そこに生息するパラリシスベアーを討伐するために、出発したのだった。
「クソッ、また魔獣かよ!」
「もう! こんなただのザコなんて、相手にしてる場合じゃないのよ!」
「チッ! トレット、こんな奴ら一発で片付けろ!」
「う、うるせぇ! サウザンこそダメージ喰らってんじゃねぇよ!」
今日はやたら魔獣が出没して、なかなか前に進めなかった。倒せはするものの、次から次へと襲われる。
「ファイアボール!」
「うらぁ!!」
ティーンが魔法で仕留めそこなった魔獣を、トレットがトドメを刺して、今回の戦闘は終了だ。
「なんだ、ティーン、調子悪いのか?」
今までは、あの魔法で仕留めていたのに、今回の討伐では一度も倒せていなかった。ミリオンは恋人の調子が心配で、優しく声をかける。
「うーん、なんでだろう? 昨日あんまり寝てないからかな?」
「それは……俺のせいだな。ごめん」
「もう、ミリオンったら仕方ないんだから。許してあげる」
「うわっ、また始まったよ!」
「チッ! ホント勘弁してほしいよな。こっちは独り身だってのに」
甘い空気を出しはじめたミリオンとティーンに、トレットとサウザンは辟易していた。たまに時と場所をわきまえずに、このふたりはハタ迷惑な空気を振りまくのだ。
そして周りにドン引かれていることに、気づいていない。
でも、そんなのはお構いなしに、魔獣たちは襲いかかってくる。
「オマエら! いい加減にしろよっ!!」
「チッ! 魔獣が来たぞ!!」
トレットとサウザンは戦闘状態に入っている。ミリオンとティーンも慌てて参戦した。
***
「はぁ……ったく、何なんだよ……!」
ミリオンは荷物をドサッと木の根元に投げつける。
カイトがいないことによって、野営の準備は担当制になったので、まずはトレットに割り振った。
ピーコック山脈の麓までは何とか来れたが、時間と体力的にその先に進むことができなかった。いつもなら、今頃は魔獣を倒したあとの、帰る前の野営のはずだった。
「ねぇ、ミリオン。今日の魔獣の遭遇率おかしいわよ」
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「チッ! まさかと思うが、スタンピードの前触れじゃねぇだろうな?」
「それはないだろ! 5年前に起こったばかりだぞ?」
トレットがすかさず否定する。だが、たしかにスタンピードの周期が来るのには、早すぎるのも事実だ。通常は10年から15年ほどで次のスタンピードが起きる。
「とにかく、戻ったらギルドに報告しよう。明らかにいつもと違う」
ミリオンはそう言って、眠ろうと横になる。夜の火の番も交代制だ。トレット以外の3人で、順番に見ることになっていた。
昼間に絶え間なく魔獣に襲われて、全員がいつもより疲れていた。最初に火の番をしていたサウザンも、やがて強い睡魔におそわれてウトウトとしてしまう。
近づいてくる獣の気配には誰も気が付かなかった。
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