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真紅のドレス
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「暗黒の森で、初めてお前を見つけた日。あの時に感じた、強い女の気配は間違っていなかった。だからお前に惹き寄せられたのだ」
ラルフは床に片膝をつくと、ミアの肩を荒々しく掴んだ。
「お前は何者だ。どこから来たのだ」
物凄い力で揺すぶられた。骨が砕けそうな激しい痛みで、ミアは口が利けない。
「う……ううっ」
ラルフは答えられない彼女を、ベルの赤いドレスの上に押し倒した。一糸まとわぬ裸の胸を滑り、黒のゴアがコツンと落ちる。
ミアはその音にはっとして、懸命に声を上げた。
「青のゴアを…返して!」
「返す? おかしなことを言う。これはお前のものではない」
「あなたの…ものでもない……っ」
「いや、私のものだ。これはな、ベルを楽しませてやった代価としていただいたものだ。お前からも、同じように黒のゴアをいただくつもりだったが、やめたよ。もう今夜限りだ。お前は私の身体に精気を搾り取られ、朽ちるのだ。その上で、お前を欲しがっている魔物に喰わせてやる!」
あの恐ろしい魔物の貌を目に浮かべ、ミアは蒼ざめた。
「やめて……お願い」
震える唇で懇願する。その唇に指でそっと触れ、ラフルは微笑んだ。
「その前に楽しませてやろう。ミア、お前は忌々しい奴だが面白い。そして今のお前は実に美しく、私好みの女になっている」
「やめて!」
(お母さん……お父さん! 助けて、こんな所で死ぬなんて、嫌!)
生まれた時からいなかった父。幼い頃に死んでしまった母。
求めても誰も来ない。助けてくれない。
私はなすべきこともなさぬまま、この世から消えるのだ。
絶対に、そんなのは……いや……
ミアはしかし、捻じられた細い腕が解放されても、抵抗しなかった。
もう抵抗できなかった。
ラルフの愛撫を隅々まで受けた身体は、痺れたように動けない。
ベルの赤いドレスの上で、彼女はもう泣きもせず、自分を翻弄し楽しんでいる、冷酷な双眸に見とれている。
他律人形になった気がした。
恐怖でいっぱいのはずなのに、命を獲られると解っているのに、何度も受け入れ、そして愛してしまうのを止められなかった。
ラルフは床に片膝をつくと、ミアの肩を荒々しく掴んだ。
「お前は何者だ。どこから来たのだ」
物凄い力で揺すぶられた。骨が砕けそうな激しい痛みで、ミアは口が利けない。
「う……ううっ」
ラルフは答えられない彼女を、ベルの赤いドレスの上に押し倒した。一糸まとわぬ裸の胸を滑り、黒のゴアがコツンと落ちる。
ミアはその音にはっとして、懸命に声を上げた。
「青のゴアを…返して!」
「返す? おかしなことを言う。これはお前のものではない」
「あなたの…ものでもない……っ」
「いや、私のものだ。これはな、ベルを楽しませてやった代価としていただいたものだ。お前からも、同じように黒のゴアをいただくつもりだったが、やめたよ。もう今夜限りだ。お前は私の身体に精気を搾り取られ、朽ちるのだ。その上で、お前を欲しがっている魔物に喰わせてやる!」
あの恐ろしい魔物の貌を目に浮かべ、ミアは蒼ざめた。
「やめて……お願い」
震える唇で懇願する。その唇に指でそっと触れ、ラフルは微笑んだ。
「その前に楽しませてやろう。ミア、お前は忌々しい奴だが面白い。そして今のお前は実に美しく、私好みの女になっている」
「やめて!」
(お母さん……お父さん! 助けて、こんな所で死ぬなんて、嫌!)
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求めても誰も来ない。助けてくれない。
私はなすべきこともなさぬまま、この世から消えるのだ。
絶対に、そんなのは……いや……
ミアはしかし、捻じられた細い腕が解放されても、抵抗しなかった。
もう抵抗できなかった。
ラルフの愛撫を隅々まで受けた身体は、痺れたように動けない。
ベルの赤いドレスの上で、彼女はもう泣きもせず、自分を翻弄し楽しんでいる、冷酷な双眸に見とれている。
他律人形になった気がした。
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