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コンフォート(最終章)
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しかし、彼の行いは世間に肯定的に受け止められている。
なぜなら、織人さんは被害者の立場であり、しかも多勢に無勢の不利な状況だった。逆境に打ち勝つ姿が、爽快な感動を呼んだらしい。
事件の詳細が報道されると、ますます味方が増えた。織人さん個人にファンが付き、株価もホテルの会員数もうなぎのぼり。
お義父さんはじめ役員も彼の功績と認めざるを得ず、織人さんはついに、キングとしてのオープンな活動を許可されたのだった。
「それに、特務室の皆さんがホッとしてましたよ。特に関根さんが、『もう隠さなくていいのね』って、バレたことで肩の荷がおりたって」
「やっぱり結果オーライだな」
快活に笑う。
こんな織人さんだから、関根さんたちは憎めないのだ。
いずれにしろ、特務室の皆さんがホッとしてくれて私も嬉しい。
「俺のことは置いておいて……とにかく、動画をきっかけに、あの男に注目が集まったのは良かったぜ。SNSってのは凄いもんだな」
「ええ」
世間が大騒ぎになったもう一つの理由は、西野社長の逮捕である。
事件の首謀者は西野綾華だが、凶行の原因は彼女の父親。警察の調べが進むにつれ、西野社長の悪事が次々に暴かれていき、SNSでは真の悪人として大バッシングされた。
「娘が集めた悪事の証拠が断罪の決め手になるとは、想像もつかなかったろうな」
「うん……」
綾華のUSBメモリは、現場にかけつけた警察官が受理した。提出したのは綾華自身である。
何もかも失った彼女の、それが最後の望みだった。
「西野社長……いや、解任されて、もう社長じゃないな。あの男の罪状は今のところ、脅迫、詐欺、粉飾決算による特別背任罪、金融商品取引法違反、賭博場開帳等図利罪なんてのもある。裁判が終わるのはまだ先だが、長いことぶち込まれるのは確かだ」
「ニシノ製薬は海外の製薬メーカーに買収されるそうですね」
「買い取ってもらえるだけありがたいと、社員が喜んでるってさ。西野のワンマン経営に、皆うんざりしてたんだよ」
そして、経営陣を一掃された西野一族は空中分解した。
「綾華は……」
口に出そうとして、引っ込めた。
気遣われるのを気にして。
だが織人さんは、察してくれた。
「あの女はもう顔を上げて生きていけない。父親と同じく脅迫罪やらなんやら複数の罪を重ねて、おまけに暴言を吐く姿が世界中に晒されちまった」
「うん……」
綾華は逮捕された。
彼女の弁護士によると、取り調べには大人しく協力したそうだ。
「許したわけじゃないんだろ?」
「もちろん」
事件の数日後、綾華の弁護士が私に示談を申し入れた。
示談というのは、感情を抜きにした手続きである。苦しめられた事実をなかったことには出来ないが、私はある理由から交渉に応じた。
「すべては、西野綾華の弟のために」
「そうです」
綾華の両親は離婚した。
今後、彼女は母親のもとで、幼い弟と一緒に生活する。一人では生きていけないからだ。また、母親と弟も横暴な家長によるモラハラ被害者であり、生きづらさを抱えていると、弁護士の説明で初めて知ったのである。
「これ以上、犠牲者を増やしたくない。そう思って……それに」
弁護士はまた、こんな話も伝えた。
綾華がなぜ、あれほど私を憎んだのか。嫌がらせをしたのか。
『奈々子さんが羨ましかったと、彼女は打ち明けました』
にわかには信じられず、示談を進めるための嘘とすら思った。だが、弁護士は必死に、彼女の言葉を伝えたのだ。
『家族に愛され、大事にされてる奈々子が憎らしかった。私は父親に、「遅くならないよう早く帰れ」なんて言われたことがない』
それを聞いて、私はびっくりした。
おそらくそれは、横浜に遊びに行った日の話だ。
私は父に、日が暮れる前に帰るよう命じられた。おかげで私だけ夜景を見られず、父を恨んだものである。
でも、そんなことで? あの綾華が「羨ましい」だなんて……
娘を跡取りとしか見ていなかった父親に対する愛憎ゆえ、だろうか。よく分からないが、言葉のまま受け止めた。
『それから、もう一つ』
弁護士は綾華の意思として、私の暴行傷害について問題にしないと伝えた。
それはもちろん、彼女を殴った件である。綾華の鼻血まみれの顔を思い出すと、我ながら怖くなってくる。
だから、暴力については訴えられても仕方ないと覚悟していたので、綾華の対応は不思議だった。
『あなたに対して、西野綾華は酷いことをしました。今回だけでなく、中学時代も。しかし彼女が今、悔いているのは確かです』
信じていいのか分からない。許したわけでもない。
だけど私は、示談交渉に応じた。
織人さんは私の意思を尊重してくれた。
『俺も、奈々子のことを言えないからさ』
実は織人さんも、剛田たちと示談している。それどころか、今ではリスペクトし合っているというから驚きだ。
雲井さんなど、いつか皆んなで格闘技イベントを開催しようと、男たちと約束したらしい。言うまでもなく、合法かつフェアな試合である。
拳をぶつけたことで分かり合えたのか。格闘家の心理は計り知れない。
ちなみに剛田さんと猿渡さんは、弁護士を介して謝罪の手紙をくれた。彼らには怖い思いをさせられたが、根っからの悪人ではないと今は知っている。
拒絶せず、手紙のお礼を弁護士に託した。
あと、エミさんとはアカウントを交換したので、直接メールをもらった。
事件の後、エミさんは父親にすべてを話したという。父親は愕然とし、彼女に土下座をしたそうだ。
エミさんも、これからは一人で我慢せずなんでも相談すると約束したとのこと。
「いろいろあったけど、今は静かな気持ちです。穏やかで、ゆったりとして……」
「そうか」
織人さんが肩を抱き寄せる。
美しい景色の中、彼の優しさに甘えた。
なぜなら、織人さんは被害者の立場であり、しかも多勢に無勢の不利な状況だった。逆境に打ち勝つ姿が、爽快な感動を呼んだらしい。
事件の詳細が報道されると、ますます味方が増えた。織人さん個人にファンが付き、株価もホテルの会員数もうなぎのぼり。
お義父さんはじめ役員も彼の功績と認めざるを得ず、織人さんはついに、キングとしてのオープンな活動を許可されたのだった。
「それに、特務室の皆さんがホッとしてましたよ。特に関根さんが、『もう隠さなくていいのね』って、バレたことで肩の荷がおりたって」
「やっぱり結果オーライだな」
快活に笑う。
こんな織人さんだから、関根さんたちは憎めないのだ。
いずれにしろ、特務室の皆さんがホッとしてくれて私も嬉しい。
「俺のことは置いておいて……とにかく、動画をきっかけに、あの男に注目が集まったのは良かったぜ。SNSってのは凄いもんだな」
「ええ」
世間が大騒ぎになったもう一つの理由は、西野社長の逮捕である。
事件の首謀者は西野綾華だが、凶行の原因は彼女の父親。警察の調べが進むにつれ、西野社長の悪事が次々に暴かれていき、SNSでは真の悪人として大バッシングされた。
「娘が集めた悪事の証拠が断罪の決め手になるとは、想像もつかなかったろうな」
「うん……」
綾華のUSBメモリは、現場にかけつけた警察官が受理した。提出したのは綾華自身である。
何もかも失った彼女の、それが最後の望みだった。
「西野社長……いや、解任されて、もう社長じゃないな。あの男の罪状は今のところ、脅迫、詐欺、粉飾決算による特別背任罪、金融商品取引法違反、賭博場開帳等図利罪なんてのもある。裁判が終わるのはまだ先だが、長いことぶち込まれるのは確かだ」
「ニシノ製薬は海外の製薬メーカーに買収されるそうですね」
「買い取ってもらえるだけありがたいと、社員が喜んでるってさ。西野のワンマン経営に、皆うんざりしてたんだよ」
そして、経営陣を一掃された西野一族は空中分解した。
「綾華は……」
口に出そうとして、引っ込めた。
気遣われるのを気にして。
だが織人さんは、察してくれた。
「あの女はもう顔を上げて生きていけない。父親と同じく脅迫罪やらなんやら複数の罪を重ねて、おまけに暴言を吐く姿が世界中に晒されちまった」
「うん……」
綾華は逮捕された。
彼女の弁護士によると、取り調べには大人しく協力したそうだ。
「許したわけじゃないんだろ?」
「もちろん」
事件の数日後、綾華の弁護士が私に示談を申し入れた。
示談というのは、感情を抜きにした手続きである。苦しめられた事実をなかったことには出来ないが、私はある理由から交渉に応じた。
「すべては、西野綾華の弟のために」
「そうです」
綾華の両親は離婚した。
今後、彼女は母親のもとで、幼い弟と一緒に生活する。一人では生きていけないからだ。また、母親と弟も横暴な家長によるモラハラ被害者であり、生きづらさを抱えていると、弁護士の説明で初めて知ったのである。
「これ以上、犠牲者を増やしたくない。そう思って……それに」
弁護士はまた、こんな話も伝えた。
綾華がなぜ、あれほど私を憎んだのか。嫌がらせをしたのか。
『奈々子さんが羨ましかったと、彼女は打ち明けました』
にわかには信じられず、示談を進めるための嘘とすら思った。だが、弁護士は必死に、彼女の言葉を伝えたのだ。
『家族に愛され、大事にされてる奈々子が憎らしかった。私は父親に、「遅くならないよう早く帰れ」なんて言われたことがない』
それを聞いて、私はびっくりした。
おそらくそれは、横浜に遊びに行った日の話だ。
私は父に、日が暮れる前に帰るよう命じられた。おかげで私だけ夜景を見られず、父を恨んだものである。
でも、そんなことで? あの綾華が「羨ましい」だなんて……
娘を跡取りとしか見ていなかった父親に対する愛憎ゆえ、だろうか。よく分からないが、言葉のまま受け止めた。
『それから、もう一つ』
弁護士は綾華の意思として、私の暴行傷害について問題にしないと伝えた。
それはもちろん、彼女を殴った件である。綾華の鼻血まみれの顔を思い出すと、我ながら怖くなってくる。
だから、暴力については訴えられても仕方ないと覚悟していたので、綾華の対応は不思議だった。
『あなたに対して、西野綾華は酷いことをしました。今回だけでなく、中学時代も。しかし彼女が今、悔いているのは確かです』
信じていいのか分からない。許したわけでもない。
だけど私は、示談交渉に応じた。
織人さんは私の意思を尊重してくれた。
『俺も、奈々子のことを言えないからさ』
実は織人さんも、剛田たちと示談している。それどころか、今ではリスペクトし合っているというから驚きだ。
雲井さんなど、いつか皆んなで格闘技イベントを開催しようと、男たちと約束したらしい。言うまでもなく、合法かつフェアな試合である。
拳をぶつけたことで分かり合えたのか。格闘家の心理は計り知れない。
ちなみに剛田さんと猿渡さんは、弁護士を介して謝罪の手紙をくれた。彼らには怖い思いをさせられたが、根っからの悪人ではないと今は知っている。
拒絶せず、手紙のお礼を弁護士に託した。
あと、エミさんとはアカウントを交換したので、直接メールをもらった。
事件の後、エミさんは父親にすべてを話したという。父親は愕然とし、彼女に土下座をしたそうだ。
エミさんも、これからは一人で我慢せずなんでも相談すると約束したとのこと。
「いろいろあったけど、今は静かな気持ちです。穏やかで、ゆったりとして……」
「そうか」
織人さんが肩を抱き寄せる。
美しい景色の中、彼の優しさに甘えた。
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