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Ⅰ神に支配された国
4胸騒ぎはどこから
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ベットの上で目を覚ました。しばらく仰向けになって天井を眺めて、ベットから飛び降りた。辺りを見回すと別に当たり前だがメロイの宿の部屋だった。窓の外を見ると日はとっくに登っているようで外は賑わっているようだ。
僕は寝癖を直し、リュックを背負うと地図を購入するため宿を出た。大通りに出ると屋台はすでに立ち並んでいて、美味しそうな食べ物の匂いがあちこちから漂って来る。その匂いにつられ、僕は朝食を食べ歩きで済ましてしまった。
寄り道の末に地図を売っていそうな店に着くことができた。
「すみません、西に向かって行きたいんですけど……西にある国までの地図はありますかね?」
「あー?あー、西行きの地図はもう一昨日に売り切れたよ」
タバコと新聞に夢中でこちらに目を合わせてはくれない。
「じゃあ、北に行きたいんですけどー?」
接客の態度に少し苛立ちながらも平静を装って尋ねる。
さっと後ろを振り返ると、後ろの引き出しからなれた手付きで地図を机の上に置いて言った。
「あーい、これですっお金はこちらへ」
差し出された箱に地図の代金を放り込んだ。
「ありがとうございました……」
取り敢えずお礼だけ言ってすたすたその場を立ち去った。多分僕は二度とあそこを訪れることはない。そう思って店主の態度を脳みそから消した。というか何で今日はこんなにも屋台が並んでいるんだろう……ふと思いついたことを考えるが思い至る節が無い。仕方なく近くの屋台で聞いてみることにした。
「すみません、お尋ねしたいんですが……どうして今日はこんなにも屋台が開かれているんですか?」
「おー?あんたここへ来るのは初めてかい?今日は一日なのさ、月の初めはこうやって屋台を開いているのさ」
八百屋のおばさんは胸を張って答えてくれたが、僕の中では疑問が残る。
「今日は月の最後ですよね?確か……」
「何を言ってるんだい?今日は一日だよ」
「そんなはずは……って本当だ」
自分の持つカレンダーを見るとしっかりと昨日の日付にばつ印がついている。そしてその次の日が今日。きちんと昨日はカレンダーの印を消しているということは間違いは無い。
「すみません、ありがとうございます。僕が何かを勘違いしてたみたいです」
「解決したなら良かった。ついでに何か買って行くかい?」
店主はこの国の特産物らしき黄色い果物を僕の目の前に突き出して言った。
「いえ、大丈夫です……旅を急いでいるので」
「それは仕方ないねえ……まあ気を付けて行きなよ」
僕は店主に手を振ってその場を立ち去った。
何だ、今日は一日か……でも昨日印をつけた記憶がないけどなあ……ていうか昨日は何してたんだ?ばかみたいな疑問が頭に浮かんで来たのはいいが、本当に昨日の事が思い出せない。「まあいいか」僕はそう呟いて地図を確認した。そして北に向かって歩き始めた時、急に誰かにぶつかった。僕が地図を見ていたからだ。
「あっ、ごめんなさい」
僕はぶつかった相手を確認して謝った時、僕は異様な胸騒ぎがした。
「おい!旅人じゃんか、じっちゃんはどうしたんだ?」
どこかで見たことのあるような少年が馴れ馴れしい口調で話しかけてくるが、記憶に無かった。
「えっと君は誰かな」
僕は後でこの発言をしたことを後悔した。
「は?何言ってんだよ。公輝だよ。じっちゃんは?連れて戻って来てくれたんだよな?」
僕にしがみついて来て訴えかけられたが
僕はこの子を全く知らなかった。もしかしたら長い旅の末、感動の再開を果たしたのかとも思ったがそんな雰囲気ではない。
「昨日言ってたじゃないか!必ず連れて戻って来るって!なのに何で……」
少年はその場に崩れ落ちた。僕はこの子を知らない。どうしてやることもできない。
「ごめん……本当にわからないんだ」
僕はそう言うとその場から立ち去った。
歩きながら僕は少年の発言を思い返した。「昨日言ってたじゃないか!」か……昨日……そういえば僕の昨日の記憶はどこに行ったんだ?もしかすると……そう思った僕は後を振り向いたが、もうそこに少年の姿は無かった。
僕は目を細めて少年のいた方向を見つめて思った。仕方のないことだ。旅は出会いと別れの連続。僕はその出会いを忘れただけ……例え覚えていてもいつかは別れる。そしてもう一度地図を確認すると、次の目的地に向かって歩き出した。
僕は寝癖を直し、リュックを背負うと地図を購入するため宿を出た。大通りに出ると屋台はすでに立ち並んでいて、美味しそうな食べ物の匂いがあちこちから漂って来る。その匂いにつられ、僕は朝食を食べ歩きで済ましてしまった。
寄り道の末に地図を売っていそうな店に着くことができた。
「すみません、西に向かって行きたいんですけど……西にある国までの地図はありますかね?」
「あー?あー、西行きの地図はもう一昨日に売り切れたよ」
タバコと新聞に夢中でこちらに目を合わせてはくれない。
「じゃあ、北に行きたいんですけどー?」
接客の態度に少し苛立ちながらも平静を装って尋ねる。
さっと後ろを振り返ると、後ろの引き出しからなれた手付きで地図を机の上に置いて言った。
「あーい、これですっお金はこちらへ」
差し出された箱に地図の代金を放り込んだ。
「ありがとうございました……」
取り敢えずお礼だけ言ってすたすたその場を立ち去った。多分僕は二度とあそこを訪れることはない。そう思って店主の態度を脳みそから消した。というか何で今日はこんなにも屋台が並んでいるんだろう……ふと思いついたことを考えるが思い至る節が無い。仕方なく近くの屋台で聞いてみることにした。
「すみません、お尋ねしたいんですが……どうして今日はこんなにも屋台が開かれているんですか?」
「おー?あんたここへ来るのは初めてかい?今日は一日なのさ、月の初めはこうやって屋台を開いているのさ」
八百屋のおばさんは胸を張って答えてくれたが、僕の中では疑問が残る。
「今日は月の最後ですよね?確か……」
「何を言ってるんだい?今日は一日だよ」
「そんなはずは……って本当だ」
自分の持つカレンダーを見るとしっかりと昨日の日付にばつ印がついている。そしてその次の日が今日。きちんと昨日はカレンダーの印を消しているということは間違いは無い。
「すみません、ありがとうございます。僕が何かを勘違いしてたみたいです」
「解決したなら良かった。ついでに何か買って行くかい?」
店主はこの国の特産物らしき黄色い果物を僕の目の前に突き出して言った。
「いえ、大丈夫です……旅を急いでいるので」
「それは仕方ないねえ……まあ気を付けて行きなよ」
僕は店主に手を振ってその場を立ち去った。
何だ、今日は一日か……でも昨日印をつけた記憶がないけどなあ……ていうか昨日は何してたんだ?ばかみたいな疑問が頭に浮かんで来たのはいいが、本当に昨日の事が思い出せない。「まあいいか」僕はそう呟いて地図を確認した。そして北に向かって歩き始めた時、急に誰かにぶつかった。僕が地図を見ていたからだ。
「あっ、ごめんなさい」
僕はぶつかった相手を確認して謝った時、僕は異様な胸騒ぎがした。
「おい!旅人じゃんか、じっちゃんはどうしたんだ?」
どこかで見たことのあるような少年が馴れ馴れしい口調で話しかけてくるが、記憶に無かった。
「えっと君は誰かな」
僕は後でこの発言をしたことを後悔した。
「は?何言ってんだよ。公輝だよ。じっちゃんは?連れて戻って来てくれたんだよな?」
僕にしがみついて来て訴えかけられたが
僕はこの子を全く知らなかった。もしかしたら長い旅の末、感動の再開を果たしたのかとも思ったがそんな雰囲気ではない。
「昨日言ってたじゃないか!必ず連れて戻って来るって!なのに何で……」
少年はその場に崩れ落ちた。僕はこの子を知らない。どうしてやることもできない。
「ごめん……本当にわからないんだ」
僕はそう言うとその場から立ち去った。
歩きながら僕は少年の発言を思い返した。「昨日言ってたじゃないか!」か……昨日……そういえば僕の昨日の記憶はどこに行ったんだ?もしかすると……そう思った僕は後を振り向いたが、もうそこに少年の姿は無かった。
僕は目を細めて少年のいた方向を見つめて思った。仕方のないことだ。旅は出会いと別れの連続。僕はその出会いを忘れただけ……例え覚えていてもいつかは別れる。そしてもう一度地図を確認すると、次の目的地に向かって歩き出した。
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