【R-18】17歳の寄り道

六楓(Clarice)

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第16章、藤田編

【2】体育教師、藤田哲 *R18

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ふたりで見上げた満月と、空を映す鏡のように、水面に浮かんでいた満月は忘れられない。

しがらみのない未来に羽ばたいていくはずの彼女を、淫らな鎖で繋ぎとめてはいけない。

これでよかったんだ。
これで、また元の何もなかった毎日に戻るだけだ。

彼女を手離した時、寂しさもあったが、自分が真っ当な人間に戻れた喜びと、彼女の未来を壊さずに済んだという安堵の思いもあった。


そして彼女が卒業した年の夏。
母親が他界した。

母親の葬儀で、みのりと決定的な亀裂が生じた。

元々、構築できていない夫婦関係だったこともあり、最後まで歩み寄る事はできず、修復は果たせなかった。

惇の大学卒業を機に離婚が決まり、翠学園の退職も余儀なくされ――学園にずっと尽くしてきたつもりでいたのに、この手には何も残らなかった。



――――あれから数年後。

彼女はますますきれいになって、何もかも失った俺の前に再び現れた。


そして今、生まれたままの姿で俺を見つめ、ソファの上に横たわっている。


ソファを軋ませて彼女に馬乗りになると、彼女の腕が俺の首に絡み、優しく引き寄せた。

「先生、キスして……」

40代後半の俺は、彼女と同年代の男ほど性欲はなく、彼女を満足させる事は難しいかもしれない。

それに、彼女が元生徒だという背徳感は抜けず、一線を越えないように自分を戒めていたあの時の気持ちは、昨日のことのように思い出せる。

抱いてしまうことへの罪悪感は、ないと言えば嘘になる。

彼女はもう、子供ではない。
しかし――。

理性と本能が絶え間なく鬩ぎ合う。


彼女の細い腕に造作なく引き寄せられ、横たわるそっと彼女に口付けると、柔らかな唇が開き、誘い込むように舌がかすめた。

隙間に舌を捻じ込むと、甘い吐息と共に、彼女はうっとりと瞳を潤ませて、涼しげな目元がほんのり色づいたように俺を見つめる。

その表情を見ながら、深く求めてくる彼女と舐め合うように舌を絡ませていると、彼女は俺の手をぎゅっと握り胸に当てた。

手のひらから伝わる柔らかな膨らみを、ぎゅっと潰すようにした。

「んっ……」

彼女は切なげに声を漏らし、また俺の首に腕を絡ませた。
手足が長く、きれいな体をしていて、滑らかな肌にはずっと触れていたくなる。


「先生……好き。信じて」

耳元で切なげに囁かれて、膨らみを弄ぶ手を止めた。
彼女の瞳から溢れる涙に唇を当てると、彼女は嬉しそうに睫毛を伏せる。

こみ上げる愛しさに、堪らず抱き締める。

彼女の想いを信じていないとか……
そういうことじゃない。

半世紀近く生きてきた俺が、分別もついていないといけない人間が、この恋に飛び込んだとして。
もしその関係が破綻した時、俺はどうなるんだろう。

こんなに意気地のない男の、何がいいのだろう。
きっと彼女の父親と年齢も変わらない。

……そう悩みながらも、俺は今彼女の肌に触れて、唇を貪り、柔らかな膨らみを味わっていて。

支離滅裂もいいところだ。

「あっ……せ。先生…」

硬くなった胸の先を口に含み、片手は指で転がした。
面白いように反応する彼女を、もっと悦ばせたくて、ソファの上で脚を絡ませ、彼女が逃げられないように愛撫を続けた。

……そうだ。

結局、すべて自分のものにしたい。
逃したくない。
それが俺の偽りのない本心だ。

だけど、それを素直に伝えられる年齢はとうに過ぎ、俺では彼女にふさわしくない事も分かりきっている。

やるせないほど、現実は見えている。


「先生……私もします」

彼女が俺の下腹部を弄り始めた。

「いや、いい。お前はしなくても」
「したいんです。……拒まないでください」

抵抗していた手を緩めたら、彼女はソファにうつぶせながら、座っている俺のズボンを引き下げ、股間に顔を近づけた。

さっき彼女にこすりつけて精を放出したはずのそれは、怒張していた。


首を傾げた彼女の指が、軽く怒張の先を支える。

「大きいですね……」

いきり立ったそれに、遠慮がちに横から唇を当てた。
舌がぬるぬると動き出す。

外は、不気味な風の音が続いている。

そんな中、彼女はソファの上で手足の長いしなやかな肢体を折り曲げて、拙い手つきで男の肉塊を懸命に含んでいる。

栗色の髪を揺らし、瞳を潤ませて俺を見上げる。
澄ました雰囲気の彼女が、音を立てながら口いっぱいに頬張る姿に、俺は理性を失いそうになっていた。

「ん、んっ、んふ…っ」

喉の奥まで俺を飲み込むようにし、ずるりと引きあげて先にチュッとキスをして、反応を窺いながら俺を見る。

「気持ちいいですか?」
「ああ……ありがとう」

突き放すための皮肉の言葉も、もう出てこない。

「足を広げて、見せなさい」
「……はい」

彼女はソファの上で長い足を広げた。
指で彼女の中心を弄ると、面白いようにピクンと体を跳ねさせる。

とろとろに蕩けるそこに、人差し指と中指を揃えて、ずぷりと挿入した。

「んっ……」
「どうしてほしい?」

指を一切動かさずに、彼女の耳元で尋ねる。

「う、動かしてください…」
「自分で動いてもいいぞ」

指は動かさずにそのままにしていたら、彼女は腰をくねらせ始め、「ああ…」と恍惚の溜息を漏らした。

若い彼女は、俺に明らかな欲情を抱いている。
それは痛いほどに伝わってくるし、欲情の裏には、自分も昔味わったかもしれない、切なさもある。

俺が彼女に抱く感情は、欲情だけではない。
彼女の肌の柔らかさや、香り立つ女の匂いに、ささくれ立った心がほぐれて落ち着き、いつまでも触れていたい。
これが、癒されるという感覚なのかもしれない。

彼女の腰の動きは次第に激しくなり、俺の指を優しく締めつけ始めたので指を抜き、押し倒して蜜の溢れるそこを吸い上げた。

「んんんっ……!」

一頻り舐めてみても、逆に溢れるばかりで止まらない。
どんどん流れ出てくる。

「よく濡れるな」
「そうなんですか…?誰と比べてますか?」

その瞳に嫉妬の色が浮かぶ。

誰かと比べたつもりはなく、こんなに濡らしてくれるのは、俺にとって悦びでしかなかったのだが――。



今までなら、ここで彼女の期待を打ち砕く発言をしてきた。

でも、今日は……。



「……誰とも比べられないよ。愛してる」



彼女が、唇を震わせる。
瞳からまた涙がこぼれた。
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