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第五話(最終話):もう誰も見てへんのに、まだあの夜を思い出してる俺がいる
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このあいだ、
SNSのタイムラインに、
知らん誰かが投稿したストーリーが流れてきた。
暗い駐車場、白く光る自販機。
映ってたのはただの缶コーヒーやったけど、
その画面を見た瞬間、
心臓が、ドクンって鳴った。
ナナの背中が、ふっと浮かんだ。
⸻
裸やった。
寒そうやった。
でも、笑ってた。
ほんまは泣いてたんかもしれへんけど、
俺の中のナナは、今でも笑ってる。
⸻
あれから何年経ったんやろな。
誰も、もう“あの話”をせんようになった。
俺たちはそれぞれ仕事して、
家庭持ったり、引っ越したりして、
ナナの名前は、
誰の口にも上らへんくなった。
でも、
俺は今でも、
夜の道を歩いてて、
自販機が見えるたび、
あの背中を思い出す。
⸻
あいつは見られることで、
存在してたんやろか。
それとも、
“見てるつもり”やった俺たちが、
ナナの存在を借りて、
自分の居場所を確かめてたんやろか。
⸻
たぶん両方なんやろな。
ナナは命令に従ってた。
でも同時に、
俺たちが“見てる自分”でいられるよう、
全部受け止めてくれてたんや。
それが、あいつの優しさやったんやと思う。
気づいたのは、
だいぶ後やけどな。
⸻
今のナナがどこで何してるか、
もう誰も知らん。
でも時々、
風の中にナナの気配を感じる夜がある。
命令のない夜。
拍手も、茶化しもない夜。
それでも、
俺の中のナナは、
今日もあの駐車場で、
振り返ってこっちを見てる。
⸻
たぶん、
「まだ見てる?」って、
聞いてるんやと思う。
⸻
ナナ、
ごめんな。
ありがとう。
そして──
今でも、ちゃんと“見てる”で。
SNSのタイムラインに、
知らん誰かが投稿したストーリーが流れてきた。
暗い駐車場、白く光る自販機。
映ってたのはただの缶コーヒーやったけど、
その画面を見た瞬間、
心臓が、ドクンって鳴った。
ナナの背中が、ふっと浮かんだ。
⸻
裸やった。
寒そうやった。
でも、笑ってた。
ほんまは泣いてたんかもしれへんけど、
俺の中のナナは、今でも笑ってる。
⸻
あれから何年経ったんやろな。
誰も、もう“あの話”をせんようになった。
俺たちはそれぞれ仕事して、
家庭持ったり、引っ越したりして、
ナナの名前は、
誰の口にも上らへんくなった。
でも、
俺は今でも、
夜の道を歩いてて、
自販機が見えるたび、
あの背中を思い出す。
⸻
あいつは見られることで、
存在してたんやろか。
それとも、
“見てるつもり”やった俺たちが、
ナナの存在を借りて、
自分の居場所を確かめてたんやろか。
⸻
たぶん両方なんやろな。
ナナは命令に従ってた。
でも同時に、
俺たちが“見てる自分”でいられるよう、
全部受け止めてくれてたんや。
それが、あいつの優しさやったんやと思う。
気づいたのは、
だいぶ後やけどな。
⸻
今のナナがどこで何してるか、
もう誰も知らん。
でも時々、
風の中にナナの気配を感じる夜がある。
命令のない夜。
拍手も、茶化しもない夜。
それでも、
俺の中のナナは、
今日もあの駐車場で、
振り返ってこっちを見てる。
⸻
たぶん、
「まだ見てる?」って、
聞いてるんやと思う。
⸻
ナナ、
ごめんな。
ありがとう。
そして──
今でも、ちゃんと“見てる”で。
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