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降りたあとに、もっと欲しくなる
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ステージから降りたナナは、
ふらふらと、
壁にもたれかかるようにして立っていた。
膝は笑っていた。
指先はしびれていた。
口の中は乾いていた。
でも、
胸の奥だけ、
じんじんと火が灯っていた。
会場のざわめき。
誰かの笑い声。
スマホを向けるシャッター音。
それらが、
今も耳にこびりついて離れなかった。
ああ、
もう戻れないんだな。
誰かに笑われること。
誰かに消費されること。
誰かに、存在ごと飲み込まれること。
それなしでは、
もう自分が自分でいられない。
「……もっと、
もっと、
晒されたい。」
裸で這い回っただけじゃ足りなかった。
床に顔を押しつけたくらいじゃ、
まだ満たされなかった。
もっと、
もっと、
もっと――
ナナはスマホを取り出した。
指先は震えていたけれど、
躊躇いはなかった。
検索窓に打ち込む。
【素人参加 見世物】
【晒しイベント 女性限定】
【奴隷体験会】
スクロールする指が止まらない。
もっと過激な、
もっと取り返しのつかない、
もっと自分を壊してくれる場所を。
すると、
ひとつの告知が目に飛び込んできた。
【羞恥コンテスト】
出演者:女性のみ
内容:観客のリクエストに応じたパフォーマンス
制限なし
賞金あり
目が吸い寄せられた。
ナナは、
自然とエントリーボタンを押していた。
もう、誰にも止められなかった。
家に帰る道すがら、
ナナはずっと、
次の舞台のことを考えていた。
何をさせられるんだろう。
どこまでやらされるんだろう。
考えるだけで、
体の奥が震えた。
羞恥心?
プライド?
尊厳?
そんなもの、
もうとっくに置いてきた。
ナナに残っているのは、
「もっと壊れたい」
ただその感情だけだった。
小さなマンションに着くころには、
夜明けが近かった。
街は静かだったけれど、
ナナの心臓だけは、
ずっとドクドクと脈打っていた。
部屋に入ると、
鏡の前に立った。
服を脱いだ。
首にリボンを巻いた。
そして、
裸のまま、笑った。
「ナナ、
もっと見世物になろうな♡」
小さな声だったけど、
それは間違いなく、
ナナ自身の本音だった。
次は、
もっと晒される。
次は、
もっと笑われる。
次は、
もっと完全に壊れる。
誰にも求められなくても。
誰にも愛されなくても。
それでも、
壊れきったナナだけが、
唯一の“生きている証”だった。
ふらふらと、
壁にもたれかかるようにして立っていた。
膝は笑っていた。
指先はしびれていた。
口の中は乾いていた。
でも、
胸の奥だけ、
じんじんと火が灯っていた。
会場のざわめき。
誰かの笑い声。
スマホを向けるシャッター音。
それらが、
今も耳にこびりついて離れなかった。
ああ、
もう戻れないんだな。
誰かに笑われること。
誰かに消費されること。
誰かに、存在ごと飲み込まれること。
それなしでは、
もう自分が自分でいられない。
「……もっと、
もっと、
晒されたい。」
裸で這い回っただけじゃ足りなかった。
床に顔を押しつけたくらいじゃ、
まだ満たされなかった。
もっと、
もっと、
もっと――
ナナはスマホを取り出した。
指先は震えていたけれど、
躊躇いはなかった。
検索窓に打ち込む。
【素人参加 見世物】
【晒しイベント 女性限定】
【奴隷体験会】
スクロールする指が止まらない。
もっと過激な、
もっと取り返しのつかない、
もっと自分を壊してくれる場所を。
すると、
ひとつの告知が目に飛び込んできた。
【羞恥コンテスト】
出演者:女性のみ
内容:観客のリクエストに応じたパフォーマンス
制限なし
賞金あり
目が吸い寄せられた。
ナナは、
自然とエントリーボタンを押していた。
もう、誰にも止められなかった。
家に帰る道すがら、
ナナはずっと、
次の舞台のことを考えていた。
何をさせられるんだろう。
どこまでやらされるんだろう。
考えるだけで、
体の奥が震えた。
羞恥心?
プライド?
尊厳?
そんなもの、
もうとっくに置いてきた。
ナナに残っているのは、
「もっと壊れたい」
ただその感情だけだった。
小さなマンションに着くころには、
夜明けが近かった。
街は静かだったけれど、
ナナの心臓だけは、
ずっとドクドクと脈打っていた。
部屋に入ると、
鏡の前に立った。
服を脱いだ。
首にリボンを巻いた。
そして、
裸のまま、笑った。
「ナナ、
もっと見世物になろうな♡」
小さな声だったけど、
それは間違いなく、
ナナ自身の本音だった。
次は、
もっと晒される。
次は、
もっと笑われる。
次は、
もっと完全に壊れる。
誰にも求められなくても。
誰にも愛されなくても。
それでも、
壊れきったナナだけが、
唯一の“生きている証”だった。
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