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第127話「普通のふりをしながら」
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大学生活が始まった。
オリエンテーション。
履修登録。
サークルの勧誘。
新しいことばかりで、
毎日、あっという間に過ぎていった。
ナナは、
笑った。
「よろしくね!」
「こっちの講義、一緒に取ろ!」
初めてできた友達たちと、
当たり障りない会話をして。
普通の大学生みたいに、
グループLINEを作って。
(……うまくやれてる)
そう思った。
きっと、誰も気づいてない。
この笑顔の奥に、
ぐちゃぐちゃに壊れた私がいるなんて。
昼休み。
中庭のベンチで、みんなでお弁当を広げた。
春の陽射し。
芝生の匂い。
遠くから聞こえるサークルの勧誘の声。
「ナナちゃんって、ほんま大人っぽいよなー!」
「なんか落ち着いてるし、安心感ある~!」
友達が、そんなふうに笑った。
「ううん、そんなことないよ。」
私は、
作り笑いで返した。
(……違うねん)
(大人っぽいんじゃない)
(もう、壊れてるだけや)
自分だけが知ってる、
自分の正体。
みんなは、
ナナの表面しか見てない。
普通の女子大生。
普通の笑顔。
普通の、未来。
でも。
制服の下に、
あの日々を隠していたみたいに。
今も、
スーツの下、私服の下、
心の底には、
晒されたい欲望が、静かに疼いてた。
ふと、視線を感じた。
近くの男子学生たちが、
こちらをちらちら見ている。
別に、いやらしい目じゃない。
ただ、普通の、
新入生同士の興味本位。
でも。
その視線に、
ナナの身体が、
小さく震えた。
(……見られてる)
(……また、見られてる)
制服じゃない。
リボンもない。
何も脱いでない。
ただスカートを履いて、
ただそこに座ってるだけ。
なのに。
見られるだけで、
身体の奥がぞわぞわと疼いた。
(ナナ、……また堕ちるんやな)
心のどこかで、
静かに、確かに、
笑った。
普通のふりをしながら。
また、
少しずつ、
堕ちていく準備をしている自分に。
──つづく。
オリエンテーション。
履修登録。
サークルの勧誘。
新しいことばかりで、
毎日、あっという間に過ぎていった。
ナナは、
笑った。
「よろしくね!」
「こっちの講義、一緒に取ろ!」
初めてできた友達たちと、
当たり障りない会話をして。
普通の大学生みたいに、
グループLINEを作って。
(……うまくやれてる)
そう思った。
きっと、誰も気づいてない。
この笑顔の奥に、
ぐちゃぐちゃに壊れた私がいるなんて。
昼休み。
中庭のベンチで、みんなでお弁当を広げた。
春の陽射し。
芝生の匂い。
遠くから聞こえるサークルの勧誘の声。
「ナナちゃんって、ほんま大人っぽいよなー!」
「なんか落ち着いてるし、安心感ある~!」
友達が、そんなふうに笑った。
「ううん、そんなことないよ。」
私は、
作り笑いで返した。
(……違うねん)
(大人っぽいんじゃない)
(もう、壊れてるだけや)
自分だけが知ってる、
自分の正体。
みんなは、
ナナの表面しか見てない。
普通の女子大生。
普通の笑顔。
普通の、未来。
でも。
制服の下に、
あの日々を隠していたみたいに。
今も、
スーツの下、私服の下、
心の底には、
晒されたい欲望が、静かに疼いてた。
ふと、視線を感じた。
近くの男子学生たちが、
こちらをちらちら見ている。
別に、いやらしい目じゃない。
ただ、普通の、
新入生同士の興味本位。
でも。
その視線に、
ナナの身体が、
小さく震えた。
(……見られてる)
(……また、見られてる)
制服じゃない。
リボンもない。
何も脱いでない。
ただスカートを履いて、
ただそこに座ってるだけ。
なのに。
見られるだけで、
身体の奥がぞわぞわと疼いた。
(ナナ、……また堕ちるんやな)
心のどこかで、
静かに、確かに、
笑った。
普通のふりをしながら。
また、
少しずつ、
堕ちていく準備をしている自分に。
──つづく。
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