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【スピンオフ番外編③】 『“姉はずっと自由だった”って気づいた夜、私は誰のものにもなれないまま、大人になっていた』──妹の視点より
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ナナは、姉であり、
わたしの“ライバル”だった。
そう思ったことは一度もない──
と言い切れたら、どれだけ楽やったやろう。
姉は、勉強ができなかった。
運動と音楽だけが得意で、
感情はすぐ顔に出るし、すぐ泣くし、すぐ怒る。
親戚の集まりでは、
「妹ちゃんのほうがしっかりしてるね」って何度言われたか。
でも、
ナナはいつも笑ってた。
自分が“比較されている側”だと、気づいてないみたいに。
それが、
いちばん羨ましかった。
私が大学に行き、大手企業に就職し、
結婚して子どもを産んでも──
姉は、
いつも「自由そう」に見えた。
正社員じゃないのに、
男運も悪いのに、
部屋は汚くて、貯金もないくせに──
“なんで、そんなふうに楽しそうに生きられるん?”
そう思いながら、
いつの間にか、
ナナの配信を見るのが癖になっていた。
ある日、画面の中の姉が、
明らかに“誰かの言葉に反応している”目をしていた。
恥じらい、震え、
でも抗えないような目。
正直、気づいていた。
あれは“誰かと繋がっている顔”だ。
そしてその誰かが、
ナナの中に“入ってきている”と──
姉の身体と心を同時に奪っていると、直感でわかった。
姉が誰かのものになった。
その事実に、
わたしはどうしようもない感情を抱いた。
悔しさ?
怒り?
羨望?
どれも少しずつ混じっていて、
でも、最後に残ったのは、
「敗北感」だった。
完璧な人生を選んできたはずの自分よりも、
自由に、
無様に、
裸で生きてきた姉のほうが──
“誰かに選ばれ、従い、許された”ことが、
ただただ、眩しかった。
姉は、失ってばかりの人生だったはずやのに。
そのナナが、
“名前を呼ばれるだけで濡れる女”になっていた。
わたしには、それができない。
わたしは、
誰のものにも、なれなかった。
だからいま、
ナナのことを“羨ましい”って思ってる自分が、
いちばん恥ずかしい。
家族やのに、
姉妹やのに、
こんなふうに負ける夜がくるなんて。
ナナ、
わたしも、
誰かのものになりたいよ。
一度でいいから──
あんなふうに、
支配されてみたかった。
わたしの“ライバル”だった。
そう思ったことは一度もない──
と言い切れたら、どれだけ楽やったやろう。
姉は、勉強ができなかった。
運動と音楽だけが得意で、
感情はすぐ顔に出るし、すぐ泣くし、すぐ怒る。
親戚の集まりでは、
「妹ちゃんのほうがしっかりしてるね」って何度言われたか。
でも、
ナナはいつも笑ってた。
自分が“比較されている側”だと、気づいてないみたいに。
それが、
いちばん羨ましかった。
私が大学に行き、大手企業に就職し、
結婚して子どもを産んでも──
姉は、
いつも「自由そう」に見えた。
正社員じゃないのに、
男運も悪いのに、
部屋は汚くて、貯金もないくせに──
“なんで、そんなふうに楽しそうに生きられるん?”
そう思いながら、
いつの間にか、
ナナの配信を見るのが癖になっていた。
ある日、画面の中の姉が、
明らかに“誰かの言葉に反応している”目をしていた。
恥じらい、震え、
でも抗えないような目。
正直、気づいていた。
あれは“誰かと繋がっている顔”だ。
そしてその誰かが、
ナナの中に“入ってきている”と──
姉の身体と心を同時に奪っていると、直感でわかった。
姉が誰かのものになった。
その事実に、
わたしはどうしようもない感情を抱いた。
悔しさ?
怒り?
羨望?
どれも少しずつ混じっていて、
でも、最後に残ったのは、
「敗北感」だった。
完璧な人生を選んできたはずの自分よりも、
自由に、
無様に、
裸で生きてきた姉のほうが──
“誰かに選ばれ、従い、許された”ことが、
ただただ、眩しかった。
姉は、失ってばかりの人生だったはずやのに。
そのナナが、
“名前を呼ばれるだけで濡れる女”になっていた。
わたしには、それができない。
わたしは、
誰のものにも、なれなかった。
だからいま、
ナナのことを“羨ましい”って思ってる自分が、
いちばん恥ずかしい。
家族やのに、
姉妹やのに、
こんなふうに負ける夜がくるなんて。
ナナ、
わたしも、
誰かのものになりたいよ。
一度でいいから──
あんなふうに、
支配されてみたかった。
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