アムネシアと記憶の本

サメ

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一章 居場所をもとめて

第六話 対面

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「実はあたしはロッテンブルクの出身なんだよ。あそこなら魔術学校があるからね。でも、ねぇ……あそこの税率じゃあねぇ、どんな貴族も生き残るので精一杯さ。うちもそうだった。見栄と媚びばかりの世界で生きるのはまっぴらで、学校出てすぐに国を飛び出しちまったのさ。この街に住んでいた男と結婚して、今じゃ貴族なんて柄でもないよ」

 からからと元貴族の欠片もなく笑いながら話す女に、Jは目を細める。横に座るノヴァはむっとした表情で不機嫌そうに黙り込んでいた。

 女に案内されたのは、彼女の住む木造建築の館だった。彼女の名前はパウという。パウの住むこの館の作りが似ていたために、もしやと思いJがこの館の持ち主を訊いてみると、アリスと二人で今日から住むはずだった借家の持ち主と同じ人物だった。もっとも、パウの場合は借りているのではなく、買い取ったものらしいのだが。この街は小さいながらに豊かな富を築いているのだろう。それは支配主ソルシエルが管理するレテリア国の内政がうまくいっていることを示していた。Jは探索司書という職務柄、支配主と謁見する機会はほとんどないが、彼女については何度か会って話したことはあった。あの心配性で顔つきの厳しい老婆がこの現場を見たらどれほど安堵することだろうかとJは思った。

 Jはちら、とノヴァを一瞥して、声をかける。

「少し落ち着いたようですね」

 ノヴァは高慢そうに鼻を鳴らした。

「……J、とか言ったよな。俺は探索司書だの世界図書館だのそんなのはどうでもいい。記憶が取り戻せるならなんだっていいんだ。俺は、記憶を取り戻して元の世界に帰りたいだけだ。記憶を取り戻す方法があんならこんなとこでぐずついたってしょうがないんじゃないのかよ」
「それについてはすでに説明したかと思いますが、今は秋の終わりです。これから旅をするには、少なからず次の街までに雪原は越える必要があるんです。この地域の冬は厳しい。なので、君を別の探索司書に引き渡すにしても春になってからのほうが都合がいいんですよ」

 ノヴァがあからさまに不快そうな顔で眉間にしわを寄せる。

「そりゃあんたの都合だろ。あんたが魔術とやらでと記憶の欠片拾ってきてくれるんじゃないのかよ。俺はこの世界に来たくてきたわけじゃない。あんたの世界の理不尽な都合になんで俺が付き合わなきゃならないんだ」
「魔術にも制約はあるんですよ。それに……記憶の欠片は、僕と契約を交わした人間のものしか見えません。契約者が傍にいないと僕たち探索司書でも、ざっくりとした位置情報しか確認できません。詳細な情報を知るためには、アムネシア自身が欠片と共鳴している必要があるんです」
「契約だと?」

 そうです、とJは答えた。

「僕はアムネシアの記憶の欠片の位置情報を無条件に特定できるわけではないんです。僕と契約を結ぶことによって、君たちアムネシアの魂のコードを拾うことができるようになり、僕たちはそれを契約者と共に追って初めて位置情報の詳細を特定するに至ります。君が言うように魔術という便利な技術を使っても、記憶の欠片を僕だけで探し集めてくることは不可能です」

 正直なところ、Jはこのノヴァという少年の対応について、アリスと比べているところがあった。彼女ともまだ打ち解けてはいないけれど、アリスの対応は、その端々から自立心がうかがえた。それはかつての契約者であったタツヤによく似ていて、Jは好感を抱いていたのだけれど。ノヴァはこの世界に住まうことになった多くのアムネシアたちの傾向によく似ていた。

 彼らは、自分では何もしようとはしないのだ。理不尽な境遇で、アルマティカでもまだ未解決の問題とはいえ、自分の力で生きる意思さえない。多くは記憶を取り戻すことさえ諦めてしまう。世界図書館に依存しきりのアムネシアたちには、少なからずJにも思うところがあった。

 生きる道を決めるのはアムネシア自身。そう考えているJは、自分で生き方を選ばない者たちの支援について、創造主フェルシェンには疑問を抱いていた。世界図書館の役割の一つにはアムネシアの保護があるが、それは多くのアムネシアを無条件で養う、というものではなかったはずだった。あくまで養護し、この世界に順応していけるよう手助けすることが目的なのだ。フェルシェンの考えはわからないけれど、アムネシアたちの保護活動が今後どのように世界に影響してくるのか、果たしてこれが何かの前兆であるのか、Jは懸念を覚える部分だった。

 不機嫌そうに顔を歪めたままのノヴァは、これはお前たちの問題で、俺が来たくてきたわけではないのに、どうしてお前たちの力だけで解決しないのかと言いたそうに唇をへの字に曲げて黙り込んだ。

 Jは彼のような若者が外の世界に触れ、魔物と出会ったときのことを考えて、小さく息をついた。アムネシア差別も未だ残るこの世界で、彼がどのように生きていくつもりなのか。わずかながら心配になる。できれば、自分の力で生きる意思さえ忘れ、世界図書館の管理する無限の塔の中で同じ境遇の同士とだけ交流し、食べて眠るだけの生活を送るようなアムネシアにはなって欲しくなかった。生まれてきたからには世界を感じられる価値があるように。生きていくことにもまた、未来を創り出していける価値があるのだから。答えは自分がどう生きていきたいのかにかかっている。アリスにもノヴァにも、たとえどんな道を選んで行くにしても自分らしく生きていって欲しかった。

 人生は、一度きりしかないのだから。

「やれやれ、すっかりご機嫌斜めなんだねノヴァは。ほら、新しくお茶をいれたからお飲みよ」

 Jとノヴァのやりとりを傍で見ていたパウが目尻をさげてくつくつと笑う。布張りの長椅子に腰を下ろし、二人のカップに何杯目かのお茶をつぐと、我が子でも見るような目でノヴァを見つめた。パウには三人の子供がおり、子持ちの人間特有の精神的な余裕が感じられた。

「あたしはアムネシアってのには初めて会ったけれどね。大したもんだよ。この状況でこれだけの悪態をつけるんだからね」

 と、嫌味にも取れるようなことをパウがさらり笑って話す。

「それだけ元気ってことなんだろうさね。あたしが生まれ育ったロッテンブルクじゃあさ、生きるのも困っちまって路上で物乞いしたり、生きる気力をなくしてそこいらで自殺する貧民たちも少なくなかったもんだよ。ノヴァは今持ってる元気を何があっても大事にしなきゃいけないよ」
「元気を、大事にする……?」
「そうよ」とパウは軽くうなずく。「どれだけこの世界に来たことが理不尽なことだって言ったってねぇ、それがあんたの人生なのよ。運命ってもんがあるんなら、ここに来ることがあんたの運命だったんだろうさ。でもね、ノヴァ。ここから先の生きる道はあんたが創るのよ」

 我が子に言って聞かせるように。パウはそう言ってノヴァの頭をくしゃりと撫でた。

 撫でられた刹那、ノヴァの顔が泣き出しそうに歪んだのを、Jは見なかったふりをしてお茶をすする。あの貧富の差が激しいロッテンブルクから自分の力でこの街へやってきたというパウの言葉は、Jの心にも届いていた。

 パウが頭から手を離し、姿勢を正してお茶をすすり、泣き出しそうな表情でうつむくノヴァに言葉をつぐ。

「あんたにとっちゃこの世界に来たことは理不尽でも、この世界に生きる誰もがそんな理不尽のなかで生きてんのさ。生きて行くには、助けも必要。Jに喧嘩売るのも今はいいだろうけど、世界図書館がアムネシアの保護をしてるっていう制度があるんだ。あんたもどう生きるか自分で選ばないと。Jにできないことを押しつけたり、わがまま言ったりするよりも、自分がどんな風に生きていきたいのかを考えてごらん」
「自分が、どう生きたいか? それを俺が選ぶのか? 記憶も金も何もないのに?」
「そうよ。生まれも育ちもアクシデントも、そんなものは関係ない。あんたがここでどんな風に生きたいかを考えて生きていくんだよ。そのためにも、元気って一番大事だろう? あんたくらいの年頃が一番元気が有り余ってんのさ。大事にしなよ」

 パウは昔の自分でも思い出してるのか、おかしそうにくすくすと笑っていた。Jは彼女の考え方に心地よさを覚えつつ、懐中時計を取り出して時刻を確認する。時刻はすでに十六時を回っていた。ノヴァを発見後すぐにシルディーナには報告してあるが、アリスは何も知らない。まだ連絡手段すら持っていないことを思い出して、早々に話を切り上げることにした。

 出会った当初とは打って変わって何かを考え込むようにだんまりになったノヴァを連れて、Jは帰路に着く。アリスと出会ったときと同じように彼に引力鈴を渡して先を歩きながら、Jも自分の過去を思い出していた。パウの言葉に感じ入るものがあったのは、ノヴァだけではなかった。Jもまた、愛した人に愛されず存在を否定されてきた。自分のたどった道と選んだ生き方に、思いをはせていた。世界は広いのだと知るために己が選んだ道は。遠ざけたあの場所は。今、誰かを幸福に導けているだろうか?

 ※

 アルマティカという世界に来られたということは、いずれは元の世界に帰る方法も見つかるものなのかも知れない。Jが言う未だ解明されていない二つの月についての研究が進めば。あるいは、なんらかの開発が進めば。そういう曖昧な可能性だけはあった。けれど仮に元の世界に帰れるとして、それは何年後の話になるのだろうか? 記憶のない自分の存在は、捜索でもされていない限り、結局どこにも行きようがないのではないだろうか? だとするなら今この世界に生きている、という現実は、当面変えようがないものだ。いつになるかもわからないアムネシア全体の解決策を考えることよりも、解決策が提示された時にすぐにでも動き出せるよう記憶を集め、元の世界に戻っても生活できるだけの生きる術――知識や経験を蓄えておく方が大切なことだろうと思えた。

 時計のない室内は静まり返り体感時刻をゆるやかにする。そののんびりとした時間をアリスは思索にふけりながら過ごしていた。Jのいない空間は緊張する必要も、顔色を窺う必要もないのだ。彼がいる時よりも疲労感はなかった。でも、今は。早くJに確認を取りたくて仕方がない。

 ギルドからもらってきた仕事の依頼情報に一枚一枚、ゆっくり目を通しつつも、気持ちがそわそわと落ち着かないのだ。希望にふくらんだ心がJの帰りを今か今かと待ちくたびれていた。まだ彼の性格もわからないから、彼がこの依頼情報を見てなんと言うかは想像もつかないけれど。できることなら仕事をさせてもらいたかった。

 5枚目に目を通し始めたとき、玄関の扉が開く音がして、アリスは笑顔で振り返った。

「Jくん、おかえりなさ……」

 言葉が詰まる。Jの後ろからあたりまえのように家の中へと入り込んできた灰色の髪の少年に気づいて事情を察し、顔をこわばらせる。

「ただいま帰りました。遅くなってすみません。一人で大丈夫でしたか? 娯楽用品を買い忘れていたので退屈したでしょう」

 Jの細かな気遣いにアリスは我に返り、笑顔で大丈夫だよ、と首を横に振る。椅子から立ち上がり彼のもとまで歩み寄ると、隣に立つ灰色の髪の少年に声をかけた。

「あなたがノヴァくんかな?」 
「そうだけど……あんた誰」

 ノヴァの声は不機嫌そうで、ぶしつけで。アリスは笑みを浮かべながらも、早々に苦手意識を覚えた。

「わたしはアリス。あなたとおんなじアムネシアなんだ」

 挨拶代わりに簡潔に自分のことを説明する。どのみち記憶がない者同士だ。他に話せることは何もない。余計な話をしてもこじれるだけのような気がしてアリスはJに話を振る。

「Jくん、部屋割りはどうしよう? ノヴァくんも来たんなら早く部屋を決めちゃった方が良いよね?」
「そうですね」とJも小さくうなずいた。「ノヴァ。この家には6部屋あるんです。好きなところを使っていいので、アリスと二人で相談して決めてください。僕は余っている部屋を使います」

 Jが勝手に部屋割りを決めることはほぼないだろうという思ってはいたけれど、結局ノヴァと話をせざるを得ない状況になってしまってアリスは内心ため息をつく。疲労感を覚えたところで、ノヴァがアリスを無視するようにその横をすり抜けて二階へと階段を上っていった。どうやらノヴァにはアリスと話をする気すら無いようだった。

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