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恥ずかしながら未経験です*

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「────っ、ツヴァイアさん、あ、あの…っ、」

篤史さんの綺麗な黒曜石のような瞳が見開く。
見られたー全部見られたー。
バスローブのタオル地を押し上げてまでおっ起ててる可哀相な股間の方へ、彼の視線が集中するのが嫌でも分かります。見てますね。ガン見です。

「そんなに見ないでください…恥ずかしいです」
「あわ、わ、わわわ、すいません。すいません、実にすいません。で、ででで、ですが、これは、その」

人間、大ピンチでも、自分より慌ててる人を見たら落ち着くんですね。
篤史さんの慌てようが可愛すぎてハゲ萌えました。そして股間が益々膨らむという悪循環。

「お恥ずかしながら、興奮により治められなくなりました。鎮め方も分かりませんし、どうしたら…」

私は正直なところ吐露しまして、居直りました。
平静を保てば、篤史さんはお医者さんなんだから、これは医療相談だと思えば暴露も出来ますね。ただし、妄想のおかずは篤史さんですという事実は伏せて。

「分からないのですか? えーと、失礼ですが、これまでに自慰とか女性経験は…」

ああん、それ聞くーう? 今聞くーう?
中身は乙女な私ですよ。女性と経験なんてあるわけないじゃないですか。未だかつて女性にときめいたことだって、一度もありません。
自慰は…そりゃあ前世乙女の頃は何度か…。
でも、性欲薄いのか本当に数えるくらいしかしてません。ましてツヴァイア様の体になってからは一度もしてないです。

て、あれ?男性の体って定期的に抜かないと駄目なんじゃなかったっけ?そう考えたら、この体は今、酷い欲求不満状態にあるのでは…?
だとしたら、このフル勃起状態も頷けますね。妄想が駄目押ししただけのことです。

私はプルプル首を振って答えた。

「未経験です」
「え。本当に?」
「こんなことで嘘ついても何も得になりませんよ。未経験です。でも、童貞じゃないです」

これは正直に答えすぎたかもしれないと思った時には遅かった。
私の口から出た「童貞捨てました」発言は、しっかり篤史さんの耳に届いていたようで。

「未経験なのに童貞じゃない? どういう意味ですか?」

怪訝な表情で迫られました。すごいグイグイ来ますね。食いつき良すぎです篤史さん。

どうしよう。うっかり発言とはいえ、このことを話して篤史さんに引かれたりしないかな。私は元聖女で異世界人。篤史さんと同郷の女です、と。
この体は聖騎士ツヴァイア・ローゲルトレのもので、私は何故か彼に転生したのです。
当然、彼には彼の人生が、それまでにありました。

ツヴァイア様の過去…。
それは少年傭兵の道から始まっています。

ツヴァイア様の意識は、あの時、死亡した時に完全に消滅したっぽいのですが、彼に転生した私は、彼のそれまでの人生を夢で反芻してきました。
完全に寝入っている時も、白昼夢のような時も、微睡の中でツヴァイア様の人生を私は振り返るのです。

ずっと闘いの中に身を置いていた彼。
戦闘経験値は尋常じゃないです。
本当に、どうして私との道中で、あんなに臆病だったのか分からないくらいの、戦場経験の豊かさ。

中でも性行為は、なかなかにバイセクシャルですね。
女とも男とも、強姦も和姦もありました。
童貞なんか精通と共に捨ててますよこの人。

だから、この体は童貞じゃないです。
でも私は未経験。
ツヴァイア様の記憶の経験値はあれど、それは私にとったらただの知識で、実際に経験したことじゃないから未経験なのです。
男性の体の事情に気づいて早いとこ体験しておけば、このような事態には陥らなかったかもしれませんね。
今更、後悔中です。

思えば戦闘スタイルを確立する時も、彼の経験を元に試行錯誤いたしました。
ツヴァイア様の武器はグレートソードで、扱いがなかなかに難しいですから。
この体で扱った経験はあれど、私が実際に動かすとなると、相当な習練が必要でした。
聖騎士らしい言動とかも。中身が私だと気づかれないように、戦い方や筋肉の維持に必死でした。
おかげで性処理に関して、ぶん投げてしまってたのは痛恨のミスでしたね。

ああ、篤史さんの視線が痛い…。

「もしかして割礼の儀式を受けられたとか?
それなら包茎手術と割り切れるかもしれませんね。ですが、それで童貞じゃないという理由付けには…」

待って篤史さん方向が変でつよ。
篤史さんの言っていることは知らないことだらけだから半分以上意味不明だけれど、方向違うってのは理解できます。
ここは拗れる前に正直に話した方が良さそうです。
私はすべて、包み隠さず全部を、篤史さんにお話ししました。

「ま、まさか…。ああでも、確かに俺の名前を正しく発音してるのはツヴァイアさんだけで…。そうか、本当に…女の子?で、日本人…?」

私は、こっくり頷く。
ああ、こんなにお話して全部身バレて、大ピンチな状況なのに股間のブツはビンビンのままです。
おチンコ痛い。これって放置しておくとどうなるんだろ。爆発したりするのかな。なんかヤバイ予感がして怖いです。

だから私は涙目で篤史さんに訴えました。

「痛いんです。我慢できません。抜きたい…抜いて…篤史さん、助けて…っ、」

「────っ、勿論です。すぐに助けてあげますからね」

篤史さんの手が私のはしたない汚ティンコを握る。
ああん柔らかい。あったかい。篤史さんの手、私の汚い棒に触れてくれてると思うだけで背徳感ばりばり。

だって篤史さんは清らかな人だから。
私の妄想なんかで穢しちゃいけない人ですし、ましてこんな、直に雄根を掴んで扱いてくれるなんてこと…ぁあ、ぁぁぁ、んぁあんん…気持ちいいよおぉぉ…!

扱いてもらって、ものの十数秒で、びゅびゅびゅっっ、て、すさまじい量の汚濁液が噴水のように上がりました。

早漏れってやつですね。お恥ずかしや。

「────わぷっ」

しかも篤史さんの顔面に直撃しちゃいました。
端正な彼の顔を白い精液が彩ります。

うひぇええぇぇえええええいいいいいい

そのさまを見ていたら、再度勃起。
どうしようもないな私の早漏蛇口。

更に勢い余って篤史さんを押し倒してしまいました。
これじゃあケダモノですよね。

「あ────! あ、っ、ツヴァイアさん、んぁ、ぁっ」

即行で篤史さんの仕事着である白衣を剥ぎとり、シャツの釦がブチブチと飛んでいくのもかまわず肌を曝け出させ、瞬間、目に入った赤いボッチに口付けました。
あら何これ、美味しい。

ちゅっちゅ ちゅばちゅばっ と、楽しく唇で吸い、舌先で転がしては唾液を塗り込めていきます。

篤史さんの乳首が、どんどん色づいて、コリコリに硬くなって、なんですかもうこれ私のものにしたいです。むしろ私のものにしますからね。私の唾で匂い付けしませんと…!
篤史さんが抵抗しないのをいいことに、懸命に舐めまくります。

「ぁー…、ぁぁ…」

感じてくれてるのでしょうか。篤史さんの口からは小さな喘ぎ声しか聞こえません。
ここって性感帯なのは知ってますが、こんなに反応が良いと、もしかして…と思ってしまいます。

「篤史さんは経験あるみたいですね…いい反応です」
「────ッ、」

ここを開発したであろう先人にイラッとして、思わず齧っちゃいます。赤い実を歯と歯の間に挟んで、そのままぐいいっと引っ張ってあげました。

「ア───ッッ!」

面白いほど乳首は伸びます。限界かなってとこで放しましたが。
乳輪周りもカプカプ。わざと歯形をつけてやります。赤く腫れて痛そう。再度ベロベロ舌で舐めて消毒ですね。

「痛くしてごめんなさい」

そして大暴走しました。硬い床に無理やり押し倒して無体を働きました。ごめんなさい。ごめんなさいと、何度も謝ってから、私は篤史さんの上からどきました。

しゅんとしちゃったからか、股間のモノも項垂れてます。
なんだ君もシャイやつだな。素直なこいつとなら今後とも良きお付き合いができそうです。

篤史さんの手首、私が抑えてたから手の痕がついて赤くなってますね。骨が折れてなくて良かった。無意識で加減できてたのが不幸中の幸いです。

しかし…

「恩を仇で返す所業をしてしまって本当にごめんなさい。抜いて下さって、助かりました」

言いながら私は篤史さんに服を着せ直して、あっちこっちいってしまった釦を回収し、手渡しました。
そうやって手と手が触れ合ったら、今度は心の底からの切ない感情がぶり返してきます。
堪らず私は「好きです」と告白してしまいました。

「好きです。篤史さん、好きです。愛してます。こんなゴツイ男に告白されても迷惑ですよね。ごめんなさい。でも、こんな訳分かんなくてありえない異世界で、貴殿に会えたことが何よりの幸せでした。ありがとうございます。大好きです」

ここまで言ってしまったら最後まで、思いの丈を言葉に乗せます。

ちょっとボケーとしてる篤史さんが可愛い。
召喚された当初は短かった黒髪が少し伸び、瞳に届きそうな前髪に、くるんとした襟足が細い首にかかり、痩せてはいないけど細身だからか胸板も薄く、とても華奢な彼です。可愛いです。
まあ、胸筋胸厚ツヴァイア様に比べれば、この世界の一般市民だって薄い胸板になってしまいますけど。
だけど、そんな薄くてちょっと押しただけで折れちゃいそうな彼を、私は筋肉だるまな体で圧してしまったのです。
力のコントロールは出来るとはいえ、彼の皮膚に赤い痕をつけてしまったことも合わせて謝罪しまくります。

そして逃げるように背を向けて、部屋から出ようとしました。
これ以上、篤史さんを見てたらまた暴走しそうだったからです。
けれどその背中に「待って下さい」と声が掛かります。

「まだ治まってないでしょう? ツヴァイアさん…いえ、つば沙さん」

「な────っ、名前…」

「どんなに姿形が変わろうと…ゴツかろうが、デカかろうが、貴女は貴女だと思うんですよ」

「あ…うああ篤史さん…!」

もう呼ばれることは二度とないと思ってた名前。
本名で呼ばれただけで、込み上げてくるものがあります。

こんな、こんな風に呼ぶの、反則ですよ篤史さんのイケメーーン!

だばーと私の目から汚汁が出てしまいます。
オマケとばかりに鼻からも汁が…。

「俺もね、愛してますよ。つば沙さん、この世界で一人、よく頑張りましたね。これからは俺も一緒に…貴女の傍に居させてください」

背中に感じる温もり。
腰に回る腕は篤史さんのもの。
何より肩甲骨の辺りでこもる吐息が、背筋をぞくぞくさせて…煽ってませんか篤史さん!
大好きすぐる…!!!

この夜、私たちは初めて結ばれました。
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