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三柱の世界
投資のお時間です
しおりを挟む早い話が、二人は婚約してて結婚持参金が用意できないミザリーさんの父親に代わってルークスさんが金を用立てたが、ミザリーさんはその金を分捕ってトンズラこいたお話だった。
要は結婚詐欺のお話ですね。分かりました。
「かれこれ十年くらい前の話しだな」
そんなに前なのかい。
「ルークスさんてお幾つですか」
「今年で32歳だ。あの頃は若かった」
ちょっと待て32歳だと…?!そっちのほうが驚きだわ。私とは十歳差である。
数個くらい年上だと思っていたのにこの差はでかい。十年も違えば世代が違う。
増して生きてきた世界も違う。
…それなのに惹かれ合ったのはなんでだろうか。恋って不思議だね。
「私も若かったわー…当時は16歳で若さと勢いもあったから、あんなこと出来ちゃったのよねえ」
しみじみ語るミザリーさん。あなたも今26歳って事実ぶっちゃけましたね。
「やっぱり駄目です。お金は返します。全部は無理ですけど、分割で…コツコツと…十年くらいかけて…」
どんどん尻萎んでいくけど、借りた金というか持ち逃げした金を返そうとする心意気は偉いよ。うん。
「別に良い。あれは本当に君へあげたものだし、その金で今こうやって立派に店を経営している君には尊敬しか感じない。なんなら、もっと用立ててもいいくらいだ」
「そんな、そこまで…!そこまでして頂く理由なんかございません…!」
ルークスさんが、店の出資宣言してもミザリーさんの顔は晴れなかった。
むしろ益々に悲痛そうな顔色になっていくので、流石の私も心配になってきた。
「頑固だなあ。…もしかして店の経営は上手くいってないのかい?」
「っ、余計なお世話ですわっ!」
「え、まさか本当に…?」
おお図星だったようでミザリーさん大激昂。
ルークスさん、悪気ないのは分かるけど、もうちょっと口を慎もうねえ。
確かに、私たちがこのお店に入ってからお客さんは一人も入ってきていない。
前お邪魔した時も、日暮れ近くまでお喋りしたけれど、お客さんとは遭遇してないぞ。
こりゃあ~閑古鳥が鳴いているというやつだね。
「っ、うう…お客さん、全然来ません…こんなに布が好きなのに…服も、お客様の要望に応えて頑張って作るのに…組合にも入れてもらえないし……」
そういえばこの店、けっこう良い場所にあるよね。
メインストリートからは外れるけど、通りに面してて隣は宝石店だし、宝石とセットで服が欲しい人にはうってつけの立地だろう。
一・二階建ての多いこの街で珍しい三階建て建物だし、十分に目を引くお店だと思うんだけどなあ。
組合ってのは服飾組合だろうか。ハブにされてるのは痛いよね。若い経営者に辛く当たるなんて、年寄りばかりで後身を育てる余裕のない組合なんじゃないだろうか。
「ミザリーさん…」
まだ乗ってたルークスさんのお膝から降りて、私はミザリーさんの方へ行く。
お向かいの席に座ってたミザリーさんは今にも泣き出しそうな顔だ。
「なあに?」
悲しそうな顔で聞き返されちゃったら、もう胸キュンするしかないよー。
膝を折り曲げ視線を合わせてから、よしよしとミザリーさんの頭を撫でてみる。
年下からこんな扱いされて怒るかと思いきや、ミザリーさんてば瞳を潤ませてちゃって激カワイー。
貴族のお嬢様が16歳で家出しちゃってここまで必死に頑張ってきたんだもんねえ。
辛いこと哀しいこと沢山あったはずだよ。
まあ、もうちょっと素直になって元婚約者に頼るくらいしてもいいと私は思うんだけど、ミザリーさん的には女のプライドが許さないよね。
では、ここでちょっと投資のお時間です。
「このお店、株式会社にしませんか?」
「え…株?株ってなんです?」
「ミザリーさんは、ただルークスさんからお金を出資してもらうことに関して抵抗があるんですよね?」
「ええ…まあ、そうね」
「それはお金を借りたって概念になるから心苦しいのでしょう。だからここは、自前の株を買ってもらったと考えるのはいかがでしょ?」
「買ってもらった?株を…待って、株って本当になんのことかしら?」
疑問が出るってことは真剣に聴いてくれてるってことだ。
私は気合を入れて株式の説明した。
「株ってのは社員権のことです。会社には社員が必要でしょう。
お店における店員だと思ってください。
ただし、株を買った人はお店に出勤しません。働く店員は別に雇ってください。
今は株主のお話です。株を買った人のことを株主というんです。
株主は株を買った分だけ配当金が貰えます。配当金はお給料だと思ってください。社員なんですから給料もらうのは当然ですよね。
その配当金という名の給与は、お店の経営で得た利益の一部を還元してるんです。還元率は株主の出資してくれた比率に準じます。
それを配当という形で分配すれば、景気が良いと出資金より多く返ってくることになるので株主にとっても勿論、経営者にとっても万々歳というわけです」
ちょっと長くなってきたので途中で元の席(ルークスさんのお膝じゃないよ)に戻って、ハーブティーで口を湿らせながら喋った。
「それは…異世界での起業の仕方なのか?」
と、ルークスさん。君も真剣に聴いてくれてたようで何より。
「ですね。私は専門家じゃないので詳しくは分かりませんけど、大体こんなかんじです。あ、株を買った証拠は株券っていうのが発券されます。
買った証拠なので証券ともいいますが、これを持ってればいつでも換金は自由です。お店の経営が順調で還元率高そうな時に売り払えば沢山の配当が貰えるので、マネーゲームに興味がある人なんかこぞって複数の会社の株を買いますよ。
つわ者になると株だけで生活してる人もいます」
キ○タニさんとかね。こうやって具体例を上げて、今が買い時ですよ。投資すべきですよ。皆さんやってますよ。と続くのが、日本で宝くじに当たった時に囁かれたセールストークである。
なんだかんだで聞きかじっといて良かった。ここで説明が出来たからね。
「すごいわ株…それなら私はお金を返さなきゃいけないって思うより、これから沢山の利益を出して、株主が換金したい時にきちんとお金を用意してあげれる体制を整えるのが仕事ね」
理解が早くて助かります。私は、うんうんと頷く。
ミザリーさんが聡明で良かった。そしてやる気を出してくれたようで嬉しい。
「でも利益…出るのかしら…今でも微々たるものなのに……」
ああ落ち込んだ。これから経営の仕方を考えないとね。
「ねえ、ミザリーさん。私、このお店の株券が欲しいです。今の還元率ってどうなってますか?」
「え…それってハツネさん…」
「株主はね、経営に口挟めるんです。だって株券持ってる会社が潰れたら、投資した分戻って来なくなるんですよ。株券パアです。だから経営悪化なんて絶対にさせないし、元手を取る勢いで会社経営に首突っ込みますよ」
ふふっと私は意地悪風に笑ってみたのだが、ミザリーさんはなんだか感激してたよ。綺麗なアイスブルーのお目めがうーるうる。
「ありがとうハツネさん。でも、今のとこ誰も株を買ってないから、還元率ゼロなの」
「私がいるじゃないか。十年前の金を全部株券に換えてくれよ」
ミザリーさんの可愛い泣き笑い顔を堪能してたとこで、隣の椅子に足組んで座るルークスさんがなかなかの爆弾発言をしてくれた。
───私がいるじゃないか…だとう?
女性に優しい言葉をかけれるようになったものですねえルーちゃん。
「グレイ…いいの?」
「ああ、いいとも。だから経営の話に混ぜてくれ。一人ぼっちは寂しいんだ」
結局そこだったのかい!という突っ込み待ちですね。わかります。
お茶目なウインクなんかしちゃってキザったらしいこと。てか、そういう様がよく似合うから、さぞ女の子にもモテるんでしょうね。こっちの立場からしたらたまったもんじゃないわ。
…ああ嫌だな。私、すごいヤキモチ焼いてる。
自分がこんなに嫉妬深い女だとは思わなんだ。
嫌な気持ちはグッと飲み込んで、私たちはこれからこの店をどういう風にしたいか計画を練った。
売り物の服も接客もグッドなこの店に足りないのは、一に宣伝、ニにサービス。それから多角的な視点でこの店を盛り上げる方向性である。
私の提案は、このお店が入ってるのは一階部分だけど、この建物、二階と三階が空いてるらしいので、ここでも色々とやったらどうだい?というもの。
テナント料が払えないとアザリーさんは嘆くが、そこは我らの投資。資金と運用期間とを計算して、どれくらいの投資で始めれるか考察した。
株についても、用語を統一したり還元率の計算表を作ったり、そもそもの基本、株式とはどういうものなのかを説明不足を補いながらレジュメみたいなものまで完成させた。
そんなことしてたら日が暮れ始めてた。こんなに長居してしまって申し訳無い。
白夜で日が暮れてくるとなると夜九時くらいである。私たち、夕飯も食べずに集中してたのか…。
「…て、アザレアさんは?!待ち合わせしてたのに私たちすっぽかしちゃった!」
「ああ、聖霊様ならハツネ殿が小用で外してる時に来たぞ。一応の説明はしておいた」
「ええええ教えといてくださいようう」
んもう、アザレアさんたら、お気遣い屋さんなんだから。
小用先の女子トイレくらい入ってくればいいのに。オカマだから大丈夫だよ。
「ねえハツネさん、良かったらこの後ご飯食べに行きませんか。遅くまでやってる美味しいお店、案内しますよ」
「わあ、嬉しいです。是非ご一緒しましょう」
「やった。お店、直ぐに締めてきますね」
閉店準備をしてお店に鍵をかけ、私たちは連れ立って夜の町へ繰り出した。
アザレアさんはどこにいるのかなあ。帰る家は私が持ってるわけだし、この町にいるとは思うんだけど、どう探そうかと考えたとこで思い出した。
私、アザレアさんの魔力を知ってるよ。前にこの町でアザレアさんが私を探し出してくれたように、私もアザレアさんを探せるよ。
そんなわけで"クンクン"発動。私はキョロキョロと首を動かして、アザレアさんの魔力の匂いを探る。
「………あれ?」
「どうしたハツネ殿」
「匂いしない…アザレアさん、この町にいない…」
な、なんで?!おかしい。魔法はちゃんと発動してる。
試しにルークスさんの魔力の匂いを嗅いでみたんだけど、ちゃんと認識できる。
…これがルークスさんの匂いか、覚えとこう。
「一体どうしたんだね、そんなにくっついて…嬉しいが」
匂いを嗅ぐためにルークスさんの腕をとり鼻を押し付けていたから何か勘違いさせてしまったようだけど、ちゃうよ。試しただけだよ。
だから手首だけ動かして私の太腿触らないでくださーい。
「や、ちょっと、そこ撫でないでください」
「くっついてきたのは君だろう」
「そうだけど違うの、ちょっと匂い嗅いでただけで…」
「私の匂いを?ハツネ殿も匂いフェチなのか」
誤解された。しかもミザリーさんと同じ性癖にされた。
「誰のこと言ってるのかしら」
ほらミザリーさんがにこやかにご立腹中だよ。またお盆で顔面クラッシュされちゃうよ。てか、こんなとこで変なコントしてる場合じゃない。アザレアさんの魔力の匂いがしないんだよ。この町にいないんだ。
と、訴えかけるように事情を話した頃に、町のパブにたどり着いた。ここも緑煉瓦の佇まいである。パブの中はパイプからでる煙だらけ。さすが緑煙の町。
私たちはカウンターで酒と料理を注文。出てきた乾き物とグラスを持って、空いてる席へと座った。カンパーイ!をして私はジントニックを飲む。
日本の居酒屋のより酒精が濃くて炭酸がジュワッとくるねえい。
しばらく待ったら料理も出てきた。
「聖霊様のことだから、空でも飛んでるんじゃないのか?」
ルークスさんはミックスナッツをボリボリ食べながら言う。
私も焼いた空豆を剥いて藻塩につけて食べた。旨あぁぁい。
「そりゃアザレアさんは空飛べますけど、ずっと飛んでるわけじゃないでしょ。町にいないなんて…まさか例のストーカーに?!」
名前忘れたけど、やつに出くわして何かあったんじゃないかと気を揉んでしまう。
「聖霊様の身に何か起きればハツネ殿は分かるんじゃないのだろうか」
「は。そうですね。多分わかります。じゃあ、今は嫌な予感もしないし…いいのかなあ私ここで飲んでて」
そう言いながらもジントニをかぱかぱ空けてしまってるので我ながらお気楽な質でごめんなさい。アザレアさん、無事なら姿を見せて欲しいよ…。
「やはりあの方は聖霊様だったのですね」
ふあ。そういえばミザリーさんはアザレアさんと会ったことありましたね。
最初にお店行った時と、今日ですか。
「ハツネさんは聖霊様とパートナーなのですね。羨ましいです」
「そうなの?聖霊って人気なんだねえ。確かにアザレアさん、綺麗らもんねえ」
「ええ。聖霊様は動物型でも人間型でも、神秘的ですよね…て、ハツネさん酔ってらっしゃいます?」
ふえ~そうなのかなあ。
よくわかんないけどほっぺた熱くて目がトロンとしてきたよ。
「ハツネ殿は酒に弱かったのか」
あ~~弱いかも。成人式の後に友達と初めて呑んで、へべれけで家に帰ったもの。
兄からは酒の呑み方を考えろと言われたなあ。これから社会人として人と付き合っていく中で、お酒とも付き合わなきゃいけないから、ちゃんと考えろって…。
「付き合うとか、無理いぃぃ…」
「なんの話だハツネ殿?!」
「らあって、気持ちいいけど後で絶対に後悔するも~ん」
「だからなんの話だ?!」
「あら、グレイったらハツネさんを十分満足させてあげれてないのかしら?」
「え。いや、そんなはずは…」
「事後のアフターケアまで男の仕事ですわよ」
「イーファまで何言ってるんだ?!」
場がカオスになりかけた頃、私たちのテーブルに近づいてくる人がいた。
あ、この匂いは…。
『やほー♪皆、飲んでるーう』
「アザレアさああ~~~んん」
良かった。無事だった。変態ストーカー野郎には遭わなかったんだね。
私は感極まってアザレアさんに抱きついた。
『あらあら、どうしたのんハツネちゃん』
「ハツネさん、お酒に弱いみたいですよ。グラス一杯でこの状態です」
『まア、可愛いわねえ。苦手なのに飲んじゃダメよお』
「らって、アザレアさんがいないんらもの。町にいなかった。匂いもしなかった」
『ええ、ちょっと帝都まで…ね』
「帝都…ディケイド様んとこ?」
『うふふ~そう。よく分かったわねん』
そりゃあアザレアさんのことだから、よく分かるのです。そうか、ディケイド様と会ってたんだね。良かった。秘密の逢瀬だね。ランデブー。ランランラン
「ランラン♪ちゅー」
『ん?』
「ハツネ殿…!!!!」
陽気な気分で歌を歌ったんだけどね。ちゅーしたくなったから、つい、しちゃったよ。そこに柔らかきほっぺがあるからいけな~い。誰のほっぺか知らないけどさ。
「えへへ~」
『自覚ないわね、この子…』
「…っ、聖霊様にこんなこと言いたくないが」
『言わなきゃいいでしょうが』
「ハツネ殿は渡さん!」
『言っちゃったー。んもう、んなこたアー分かってんのよ。落ち着きなさいナ』
なんだか外野が大変なことになっております。私は夢見心地なのでここでばたんきゅーです。おやすみなさい。
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