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今後の展望を考えてみる
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俺は驚愕していた。
ティアからひとまず預かってほしいと頼まれ、魔石のかけらに触れると同時にステータスパネルが開いて新たなスキルが解放された。
“魔石クラフト”
かけら10個で魔石1個が作れるというものらしい。
「今のままだと数が多すぎてわからないから、クラフトしてしまってもいいか?」
念のため、ティアに確認を取っておく。
「もちろんです!蓮さんってそんなこともできるんですね!」
「え?ま、まぁな。俺の場合は広く浅くしかできないからあんまり期待しないでくれよ」
とりあえずでそう答えはしたが、実際に俺自身が今後どんな能力を使えるようになるかなんてさっぱりわからないのだから、できる限り能力を使うことができるのは隠しておいた方がよさそうだと思っていた。
すぐに悪用しようとするやつも多そうだしな。
魔石にクラフトしたことで10分の1の個数になったが、それでも数えてみると53個もの石が手元に残った。
「うん。これでティアが頑張りすぎだったっていうのは証明された。ったく、一人前で数100個なんだぞ?初めてでこれってどうなってんだ。明日からは一日100個までにしてくれ。ティアの能力が上がってるって判断したら数を増やすようにするから、今度こそ約束してくれ」
「わ、分かりました……」
「よし、あとはこいつの使い道だが……。ティアがこの石を使うことはあるのか?」
「今の私のレベルではできないんですけど、“再結晶”って言って、この無属性の意思に属性を付与する時に使います。雷属性だったら町の電力供給に使えるし、光属性だったら夜中でも作物を育てることができます」
「……もはやチートだな」
「え?ちいと?」
「いや、こっちの話だ。それにしてもすごい力だな。だったら今後のことを考えて、作った石の5分の1は保管しておこう。それ以外は町の為に使ってもいいか?」
「はい!じゃんじゃん使っちゃってください!私、みんなの役に立てますか?」
ティアには、普段の明るさからは打って変わって、急に不安げな表情を見せることがよくあった。それも彼女が持つ特性が影響しているのだろうが、俺の言葉で簡単に忘れられるようなものでないことは初めからよく分かっていた。今は、何度も繰り返し俺の考えを伝えることしか他に方法はない。
「当たり前だろ。ティアはもっと自分に自信を持っていい」
その言葉にティアからの返事はなかったが、不安そうな様子はなくなっていたからきっと大丈夫だろう。
俺は魔石を手にステータスパネルの農作物ページを開く。
すると、作物ごとの所要時間が表示されている隣に、時間短縮というボタンが追加されていた。石1個で1分の短縮ができる。
とりあえず、今一番使用頻度の高い小麦ととうもろこしにそれぞれ20個ずつ使うことにした。
小麦 1束60分→40分(※30分まで短縮可)
とうもろこし 1束120分→100分(※60分まで短縮可)
無事に内容が更新されていた。
その時、小さい字で一文説明が追加されていることに気付く。
「“最大所要時間の半分まで短縮可能”か。まぁ…植えた瞬間実るなんてさすがに無理があるよな。これくらいは許容範囲だな」
ティアからひとまず預かってほしいと頼まれ、魔石のかけらに触れると同時にステータスパネルが開いて新たなスキルが解放された。
“魔石クラフト”
かけら10個で魔石1個が作れるというものらしい。
「今のままだと数が多すぎてわからないから、クラフトしてしまってもいいか?」
念のため、ティアに確認を取っておく。
「もちろんです!蓮さんってそんなこともできるんですね!」
「え?ま、まぁな。俺の場合は広く浅くしかできないからあんまり期待しないでくれよ」
とりあえずでそう答えはしたが、実際に俺自身が今後どんな能力を使えるようになるかなんてさっぱりわからないのだから、できる限り能力を使うことができるのは隠しておいた方がよさそうだと思っていた。
すぐに悪用しようとするやつも多そうだしな。
魔石にクラフトしたことで10分の1の個数になったが、それでも数えてみると53個もの石が手元に残った。
「うん。これでティアが頑張りすぎだったっていうのは証明された。ったく、一人前で数100個なんだぞ?初めてでこれってどうなってんだ。明日からは一日100個までにしてくれ。ティアの能力が上がってるって判断したら数を増やすようにするから、今度こそ約束してくれ」
「わ、分かりました……」
「よし、あとはこいつの使い道だが……。ティアがこの石を使うことはあるのか?」
「今の私のレベルではできないんですけど、“再結晶”って言って、この無属性の意思に属性を付与する時に使います。雷属性だったら町の電力供給に使えるし、光属性だったら夜中でも作物を育てることができます」
「……もはやチートだな」
「え?ちいと?」
「いや、こっちの話だ。それにしてもすごい力だな。だったら今後のことを考えて、作った石の5分の1は保管しておこう。それ以外は町の為に使ってもいいか?」
「はい!じゃんじゃん使っちゃってください!私、みんなの役に立てますか?」
ティアには、普段の明るさからは打って変わって、急に不安げな表情を見せることがよくあった。それも彼女が持つ特性が影響しているのだろうが、俺の言葉で簡単に忘れられるようなものでないことは初めからよく分かっていた。今は、何度も繰り返し俺の考えを伝えることしか他に方法はない。
「当たり前だろ。ティアはもっと自分に自信を持っていい」
その言葉にティアからの返事はなかったが、不安そうな様子はなくなっていたからきっと大丈夫だろう。
俺は魔石を手にステータスパネルの農作物ページを開く。
すると、作物ごとの所要時間が表示されている隣に、時間短縮というボタンが追加されていた。石1個で1分の短縮ができる。
とりあえず、今一番使用頻度の高い小麦ととうもろこしにそれぞれ20個ずつ使うことにした。
小麦 1束60分→40分(※30分まで短縮可)
とうもろこし 1束120分→100分(※60分まで短縮可)
無事に内容が更新されていた。
その時、小さい字で一文説明が追加されていることに気付く。
「“最大所要時間の半分まで短縮可能”か。まぁ…植えた瞬間実るなんてさすがに無理があるよな。これくらいは許容範囲だな」
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