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116 ロイの外出
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二隻の船、どちらが目的地に到着できるのか。
どちらの船も進水式は華々しいものだっただろう。それぞれ一隻まるごとマクレナン侯爵家を継ぐ嫡男に買い上げられたのだから。好きなように装飾を施され、穏やかな航路だけを進んできた。時にはもう一隻が視界に入って不快を感じることがあったとしても、航行に問題はなかったはず。
それなのに、数年前に沈めたと思った目障りな船が再び洋上に現れた。それも自分たちの行く手を阻むように。
「クレアと手を組んだのはアナベルだ」
「アナベルはアレクとも手を組んでいる」
「では、最初に排除されるのはナタリアか」
「疑問形なのは、そうではないと思っているからだろ。 ナタリアは僕に近づいてきた」
「それで、礼には何をくれると」
この日、ロイはマクレナン侯爵の言い付けで外出をしていた。侯爵の命令ということで、邸をしばらく空けていても問題はない。そこでこの外出を利用し、ロイはカルセナと落ち合った。メモ書き程度の手紙では互いの情報をすり合わせるには限界があるため、こうして顔を突き合わせることになったのだ。
そして二人はそれぞれ持っていた情報を精査し、まとめた。アレクは愛人二人のうち、どちらかを金蔓にしようと目論んでいる。その証拠に、マクレナン侯爵は愛人二人の排除を示唆したというのに、アナベルとナタリアにはどちらか一人を侯爵邸に残すと伝えた。ただし、残った方には上納金が必要になることをちらつかせた上で。だからアナベルとナタリアは、アレクに骨の髄までしゃぶられないよう手を組んだ。
しかし、アナベルはナタリアと手は組んだものの、頃合いを見てその手を突き放すつもりでいる。昨日の友は今日の敵。いや、あの二人の関係では、友だったことも仲間だったこともない。互いに偽り続けるだけだ。だから、どちらかがどちらかを利用し、突き放すなど当然のことだった。
どちらの船も進水式は華々しいものだっただろう。それぞれ一隻まるごとマクレナン侯爵家を継ぐ嫡男に買い上げられたのだから。好きなように装飾を施され、穏やかな航路だけを進んできた。時にはもう一隻が視界に入って不快を感じることがあったとしても、航行に問題はなかったはず。
それなのに、数年前に沈めたと思った目障りな船が再び洋上に現れた。それも自分たちの行く手を阻むように。
「クレアと手を組んだのはアナベルだ」
「アナベルはアレクとも手を組んでいる」
「では、最初に排除されるのはナタリアか」
「疑問形なのは、そうではないと思っているからだろ。 ナタリアは僕に近づいてきた」
「それで、礼には何をくれると」
この日、ロイはマクレナン侯爵の言い付けで外出をしていた。侯爵の命令ということで、邸をしばらく空けていても問題はない。そこでこの外出を利用し、ロイはカルセナと落ち合った。メモ書き程度の手紙では互いの情報をすり合わせるには限界があるため、こうして顔を突き合わせることになったのだ。
そして二人はそれぞれ持っていた情報を精査し、まとめた。アレクは愛人二人のうち、どちらかを金蔓にしようと目論んでいる。その証拠に、マクレナン侯爵は愛人二人の排除を示唆したというのに、アナベルとナタリアにはどちらか一人を侯爵邸に残すと伝えた。ただし、残った方には上納金が必要になることをちらつかせた上で。だからアナベルとナタリアは、アレクに骨の髄までしゃぶられないよう手を組んだ。
しかし、アナベルはナタリアと手は組んだものの、頃合いを見てその手を突き放すつもりでいる。昨日の友は今日の敵。いや、あの二人の関係では、友だったことも仲間だったこともない。互いに偽り続けるだけだ。だから、どちらかがどちらかを利用し、突き放すなど当然のことだった。
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