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1章

6話 新たなメンバー

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3人は何やら話している「そうそう曲どうする?」可憐が首を傾げる「うーん…そうか自分で作詞作曲しないといけないのか…」可憐が悩む「私…作曲できるよ…例えば…」春香がバイオリンで弾き始める「即興ソングだ…」「じゃあ作詞は私がするね」可憐が手を挙げた。

コンコン…と何やら扉を叩く音がする「はーい!……ってあなたは?」目の前には小柄な女の子が立っていた「あ!あの…私この同好会に入りたいのですけど…」可憐が振り返る「もちろん!どうぞどうぞ~」可憐が女の子を教室の中に入れる。

「お邪魔します…」女の子は周りをキョロキョロしている「でもどうして?活動してからまだ2日程しか経っていないのに…」可憐が聞く「はい、私は元々ピアノを習っていて…」「ピアノ弾けるの!?」可憐が目を丸くする「は、はい…」「ちょっと…かっちゃん…女の子が怖がってるよ」春香が止める「あっごめんね…」可憐が後ろに下がる。

女の子は笑っている「ここは…楽しいですね、あっ遅れました私は虹宮(にじみや)みさきです」3人は首を傾げる「ねぇ虹宮さんって言ったよね?」加賀美が首を傾げる「はい、私の事はみさきと呼んでください」と頭を下げる「どこかで…」春香が首を傾げる「私はその…ピアノコンクールに出たことありまして…」「あー!」3人は思い出したかのように声を上げる「まさか…あの小学校6年世界大会優勝して、中学校の日本全国大会3年連続1位のみさきさん!?」加賀美が詰め寄る「は…はい」「なんで…ここの軽音部が無い学校に…」春香が呟くとみさきが笑顔になる「落ちたんです」「え?」3人がきょとんとした顔をする「志望校落ちちゃったんですでもここに来てあなた達のクラスの先生から…」

「へぇー虹宮みさきってあの」先生も驚いている「は、はい」みさきが頷く「ちょっと放課後話があるんだけどいいかな?」先生から呼び出しされる(なんだろう私…何か悪いことしたかな)

そして放課後、

「先生!なんですか?」みさきが首を傾げる「またピアノ弾きたい?」「え?」みさきは首を傾げる「弾きたいですが…この学校には軽音部は無いと聞いたので」みさきは説明する「そうねぇ、昨日私達のクラスで和楽器軽音同好会を作ったのよ」みさきは目を丸くする「メンバーは3人、まず1人目はリーダーの花美可憐、そして副リーダーの咲楽春香、そして立華加賀美よ」みさきは目を見開く「ヴァイオリンの春香さんに…歌の加賀美さん…凄い人達…リーダーの可憐さん…どこかで聞いたような気がする…どこだっけ」みさきは呟く「まぁー気になったら行ってみたらいいよー、皆優しいからね」先生が手を挙げて歩いていった。

「なるほどね、それでここに来たと」可憐は頷いている「私達のこと…知っていたんですね」春香が話す「それはもう!春香さんと加賀美さんは私が音楽を始めたきっかけの人ですから!」みさきは正座をする「そんなこと言われたら照れるよ」加賀美が両手を振る。

(いいなぁ…私、太鼓だけで実績無いのにここに居ていいのかな)可憐はそんなことを思っていた。

「それで可憐さんは何か音楽のコンクールとか出たりしましたか?私申し訳ないのですが可憐さんの…名前…聞いた事あるような気がするんですが覚えてなくて…」可憐は少し俯くも笑顔に戻る「うーん私はー普通の太鼓好きの一般女子高生だよ。知らなくて当然かもね」可憐は笑っている「へぇ…そうなんですね!」みさきは目を丸くする「でも…私達にとっては…大事なリーダーです」春香が慌てて言っている可憐の手を握る「春香…」「そうだよー、コンクールに出たことあろうが無かろうが私達のリーダーはかっちゃんだからね」加賀美も話してくれた。

「うふふ…そこまで…分かりました!」みさきは決めたのか立ち上がる「私!この和楽器軽音同好会ピアノとして入ります!」3人は立ち上がったみさきを見る「良いの!?」可憐が上を向く「はい!いつか和楽器軽音部として認めてもらいましょう!」みさきが手を伸ばしてくる「うん!よろしくね!」可憐はみさきの手を握った。

「あとはギターとベース…かな?」可憐が何やらペンを持って悩んでいる「かっちゃんどうしたの?」加賀美が覗き込んでくる「えっと…バンドは最低でもボーカル、ギター、ベース(どちらか)、ドラムが居るらしくて…」可憐が説明する「んー私がギターボーカルしましょうか?」可憐は横の加賀美見る「良いの?」「もちろん!ギター&ボーカルって言葉もあるくらいだもんね!」加賀美が頷く「うん!よろしくねかがみん!」可憐は紙に書き始めた。

「みんな集合!」可憐は3人を呼ぶ「えっとね!楽器が決まったので話すね!」「おおー!」3人は可憐の顔を見る「まずは!ギター&ボーカル、かがみん!」「任せて!」加賀美が親指を立てる「ピアノはみっちゃん!」「うん!」みさきは頷く「最後にバイオリンははるちゃん!」「分かった」春香も頷いた「これを顧問に見せないとね、それと明日から休みだから、月曜日までには歌詞書いてくるね!」可憐が話す「あんまり無理しないでね?歌詞書くのって作曲よりも難しいんだからね」加賀美が心配そうな目をする「かがみんありがとね!じゃあ鍵返しに行くついでに見せに行こっか!」「うん!」4人は職員室に向かった。

「うんうん…ギター&ボーカルは加賀美で、バイオリンは春香、ピアノはみさき、小太鼓は可憐ね…」先生は机に座り紙を見ている「どうですか?」4人は黙って先生の様子を見ている。

しばらく考えた後「良いんじゃない?あと小太鼓は3つ横並びに叩ける?」「3つですか?」先生が頷く「歌と組み合わせるとなると1つの音だとやっぱり限度があると思うからこう…」先生が右から3つの太鼓を想定して手を動かす。
「こんな感じでドラム代わりに打ってみたらどうでしょう?」

「あとは笛とかもあればソロとかが楽しそうね」4人はおおーと言うような顔をする「そこら辺はまた考えます!太鼓3つは出来るかもしれませんがお金が…」可憐の言葉に先生が笑う「ふふっ私を誰だと思ってるのよ、あの『鬼丸グループ』リーダーの姉よちゃんと許可はとってあるわ」さすが先生…3人は驚きつつも頷いた。

「本日はありがとうございました!」4人は頭を下げる「いえいえ、無事にメンバーと役割決まったようだしあとは曲だけね!」「はい!」4人は頭を下げ家に帰っていった。
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