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1章

11話 やっぱりできない

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「やっほー今日は終わりだよー」先輩が横からステージに上がってくる「はーい!終了!」4人は機材を横の倉庫に片付ける「はぁ…」可憐が溜息を着く。

「かっちゃん…」3人は可憐を見る「…ちょっと私先帰るね」可憐が先に歩いていった。

「かっちゃん…」3人は歩いていく可憐を見つめていた。

「ごめん!またズレちゃった…」可憐が頭を下げる「大丈夫!もう1回最初からしよ?」「うん…」とまた演奏する「まだかっちゃんズレてるよー」加賀美がつぶやく「ご…ごめん…」可憐がまた頭を下げる「少し…休憩する?」春香がバイオリンを下ろす「うん…」可憐が倉庫に入っていく「やはり未経験だとしんどいよね…」加賀美が呟く「私達から何か言えることあるかな」みさきが頭を抱える「お待たせー」可憐が倉庫から出てきた「かっちゃん…もう良いの?」春香が心配そうな顔をする「うん!もう大丈夫よ!」「じゃあ…始めるね」春香がバイオリンを弾き始めた。

「結局あの後合わなかったもんね…可憐からしたら相当ショックだと思うし…」加賀美が呟いた「うーん…もしかしたらプレッシャーになってるのかもね」「バスケ部の部長さん!」3人は振り返る「あっ言い忘れてたね私は水咲彩美(みずさきあやみ)まぁ気軽に彩美先輩って呼んでね」「は、はい!彩美先輩!」3人はまた頭を下げる。

「それで私達がプレッシャーになってるって…」体育館の前でみさきが呟く「んー私もあなた達の事は知ってるわテレビにも出てたよね」3人は頷く「だけどね…それが多分あの子のプレッシャーになってるのかもしれないんだよね」「私分かる気がします」加賀美が頷く「私も周りが歌上手い人ばかりだとプレッシャーになって上手く歌えなかったり…」「私も…バイオリン緊張して弾けなくなったりあるかな」「私もあるねそれはキーボードの手が止まったり…」春香とみさきが頷く「えぇ、しかもあの子はリーダーでしょ?経験者をまとめるに当たって『失敗しては行けない』とかね」3人は頷いている。

「1番部活で大事なのはね『仲間との絆』なのよ、だから私達のメンバーがあなた達を傷付けたことに対してはすごく反省しているし…。おっと話変わったね、まぁ…あの子があなた達を信用してない訳じゃないと思うんだけどね、やっぱりまだ怖さがあるんじゃないかな。簡単に言うと…優勝経験者をまとめる一般初心者になるからね」彩美が人差し指を立てる「なるほど、彩美先輩ありがとうございます!」みさきが頭を下げる「ならば…私達がかっちゃんを支えてあげないとね…経験の差をプレッシャーにさせないように…」春香が頷く「それがねぇ…以外に難しいんだよね」彩美がまた話す「えっとー難しい?」加賀美が首を傾げる「まぁここから先は私から話すより経験した方がいいと思うよ」「そうだよね…いつまでも彩美先輩に頼ってるとダメだよね…」春香が頷く「あはは!まぁ困ったら私に相談しなさい~それじゃ私はこれでおつかれ~」彩美が手を挙げ歩いていく「お疲れ様でした!それとありがとうございました!」3人は彩美に頭を下げた。

「じゃあ私達も帰りましょ!」みさきが歩いていく「じゃあ明日またかっちゃんに相談しようか」加賀美が呟く「うーん…」春香が唸っている「はるちゃん?」「ひゃっ!」加賀美の言葉に春香が驚いた「大丈夫?」みさきが覗き込んでくる「う…うん、みさちゃんありがとね、それじゃあまたね」3人は別れて歩き出した。

(私助けて貰ってばかりだから…今度は私がかっちゃんを助けないと)春香はそう心に決めた。
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