催眠アプリで美少女を彼女にしました

黒須

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第9話 家に連れてきた

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《有間愁斗―視点》


「砂月さん!」

 俺の声で彼女は振り返る。

「あの……、どうして?」

 俺が近付くと彼女は怯えている、というか困ったような顔をしていた。
 何かあったのかな?流石にこんな時間に会いに来たら迷惑だった?

「ごめん、遅くに。工場の機械トラブルで月、火って泊まり込みで仕事してて、今日は帰れたんだけどこの時間で……。明日明後日も遅くなりそうだから来てしまった」

 工場のライン機械に不具合や故障があると修理でかなり忙しくなる。今回は結構大事になっていて最悪な状況だ。順調に稼働している時は暇だから楽な仕事なんだけど……。

「えっと、大変ですね」

「年に何回も起こることじゃないから、しょうがないんだけど……。それで今週お店に行けそうにないから砂月さんのLINE知りたくて……次の予定とか相談したいし」

 俺がそう言うと彼女は口をへの字に曲げた。
 あれ?怒らせた?

「別に、いいですよ」

 めっちゃ不機嫌そうに言われた。LINE交換するの嫌なのか?

「聞いたらすぐに帰るから」

「あの!有間さんの家に行ってもいいですか!?」

「え?全然いいよ。土曜はたまに仕事だけど日曜は休みだか――」
「今からです」

 ふえ?

「こんな遅くに?」
「ダメですか?本物がいるんですか?」

 本物ってなんだ??

「いや、俺は全然いいんだけど、親御さんとか大丈夫?」
「お母さんに友達と話すから遅くなるって言いえば大丈夫です」
「ならいいんだけど……、仕事帰りにここに寄ったから車だよ」
「わかりました」

 強い視線で俺を見詰める砂月さんの目は何処か赤く腫れぼっく見えた。



 砂月さんは何故か怒っているようで車内ではお互い無言だった。
 でもアパート着いて二階に上がる階段を俺の後ろから登っている時に。

「少し緊張しますね」
「何もない部屋だから緊張することなんてないよ」

「……男の人の部屋、入るの初めてなので」
「俺も砂月さんの部屋に入るってなったら緊張するだろうな」
「今度来ますか?」
「え、あ、うん。今度行ってみる」

 彼女は実家暮らし。親御さんがいるだろうから、ちょっと気まずいかも。

 そのままの流れでドアを開け部屋に入る。

「どうぞ」

「お、お邪魔します」

「二部屋あってここがリビングで奥の洋間が寝室だよ」

 俺のアパートは少し広めで玄関開けて直ぐに8畳のLDKがあり奥に6畳の洋間がる。会社が6割負担してくれてるから家賃は格安。

 砂月さんは部屋に入るとキョロキョロ周りを見回した。

「本物いないですね……」
「さっきも言ってたけど本物って?」
「有間さんの……本当の彼女」
「俺の彼女は砂月さんだけど?……え?」
「この前、連絡先交換しなかったので、実は有間さん、彼女がいるんじゃないかと思いまして……」
「いや、いないって。てか砂月さんが初めての彼女だし。あ、良かったらソファー座って」

 恐る恐るソファーに腰掛けた彼女に俺は冷蔵庫で冷やしておいた麦茶を二人分出した。
 コップとグラスをテーブルに置き俺は対面の地べたに胡坐をかく。

「ありがとうございます……」

 彼女はそれを一口飲んでから。

「じゃぁ何で連絡先交換しなかったんですか?」

 それは例のアプリのせいなんだけど……、いやいや、それは言えないよ。

「あ、う、うっかり忘れちゃって……あははは……」

「本当ですか?」

 上目遣いでめっちゃ睨んでる。殺気を感じるよ!これヤる人の目だ!

「ほほほほんとだよぉー」

「嘘っぽい!」

 はい!嘘です!

「俺には砂月さんだけってのは本当。あっ!良かったら俺のスマホ見る?写真とかLINEとか通話とかもう全部見ていいよ」

 そう言って俺はテーブルにスマホを置いた。

「え、でも、悪いから見れないですよ」

「いやいや、全然いいって、見られて困るのないし、むしろ俺のこともっと知ってもらえるしね」

「でも……じゃあ、見てみます」
 そう言って彼女はスマホを取った。

「パスワード」
「ああ、369369……あっ」

 そこまで言って、今スマホを見られたらヤバいことに気付いた。
 しかし既に手遅れ!砂月さんの指は残像を残す速さでボタンを押しているッ!

「え?……こ、これは!?」

 俺のスマホを見る彼女の目が丸くなっていく。

 あわわわわわ!見ないでくれぇー!やっちまったよ!

「待ち受け画面…………私なんですね。顔、アップになってて、は……恥ずかしい」

「え?なんで?いやぁーまぁでもぉ?彼女だしぃー?……ふ、普通じゃなぁい?」

 み、見られてしまった……。

 この前TRLで撮った写真。
 顔をアップにしたやつを待ち受け画面にしていた。因みに全体が映っている写真もあり気分で切り替えている。仕事で疲労した時に見ると癒される。AIイラスト顔負けの美しさだしな。

 しかし迂闊だった。恥ずかしすぎるぅ。

「ととと取り敢えずLINEがこれで、あとメールと、写真、通話履歴と……」

 彼女が持つ俺のスマホを指で動かしアプリの場所を教えた。

「あの……やっぱり見るの気が引けます」

「全然気使わなくていいよ。どんどん見てもらって大丈夫だから」

「そ、そうですか……?」

 学生時代、女子とやり取りしたことはあったけど機種交換で履歴は消えた。写真もツーショットで撮った異性なんて砂月さんだけだから、別に見られて困るものはない。

 それから暫く砂月さんは俺の携帯を見た。昔の写真を見ながら俺の田舎や友達の話をした。

 気付けば俺もソファーの砂月さんの隣に座り、肩をくっ付けて一緒に見ていた。



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