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6話 久しぶりの転生!廃れた町で少年と出会った。
しおりを挟む「よ~しオッドアイ! 取ってこ~い!」
「ギャウギャウ!」
俺が投げた魔物のでかい背骨を尻尾をブンブン振って取りに行くオッドアイ。
…狼の魔物に似たのかな? 狼似の魔物が一番オッドアイを可愛がってくれてたから。
大型犬ほどになったオッドアイがヨタヨタと骨まであと少しまで近付いたとき、空からでっかい影が下りてきて骨を咥えた。
風圧で転がるオッドアイを鹿の魔物が受け止めてくれた。
「危ないだろ!」と怒る俺に嬉しそうに骨を見せるサファイア。おいお前幼児退行にもほどがあるだろ!
寂しがりになってしまったサファイアは毎日やってきてはこうやってオッドアイと俺との交流を邪魔したりする。
こいつら怒っても全然止めないんだよ、ダチョウかよ!
遊び疲れて寝てしまったオッドアイを抱っこして運んでいると、アスとアシタがやってきて「あ、僕も抱っこ!」「私も抱っこ~!」と無茶を言ってくる。
いやお前らもう俺と同じくらいだから。3m超えてるだろ。空飛べるんだから飛んでった方が早いし。
とりあえず2体を撫でておく。
なんだかんだ甘えてくるサファイアもアスもアシタも可愛いんだが、みんなでっかいからな…
そう考えるとオッドアイの成長は本当に遅い。大丈夫なんだろうか? 不安だ。
更に数ヶ月経ったがオッドアイは殆ど大きさが変わらない。アスとアシタはとっくに俺を超えてるのに。
「体に痛いとことかないのか?」
「ギャア」
「本当に? どっか変なとこないか? 具合悪いとか足痛いとか」
「ギャア!」
体に不調はないか聞いても元気に返事をするオッドアイだが、本当に身体に異常はないのか?
こっちが言うことを理解してるし頭は良いはずなのに今だに意志疎通ができないし、身体は成長してるが全然小さいままだ。
牛くらいはあるかも知れないが3mある俺が余裕で抱っこできる大きさだからな。
未だに空を飛べないのも心配だし…
仲間のステータスが見れたらオッドアイに異常がないか確認できたかもしれないのにな…
「オッドアイのステータスが見れたらな」
「ギャウ!」
何気なく呟くとオッドアイが返事をして俺とオッドアイの間にステータスが表示された。
■■現在のステータス■■
【名前】オッドアイ
【種族】小型竜種w群
【能力値】Lv3 HP275/290 MP100/100
【祝福】竜の加護
【スキル】竜の息吹きLv1 火属性Lv1 水属性Lv1 虚弱体質Lv2
【契約】
守護契約_トロイ、森氷狼、聖歌鳥
他人のステータスが見られることに驚いた。全然知らんかった。
スキルに虚弱体質って書いてあるがこれのせいで体の成長が遅いのか? バッドステータスみたいなのもあるんだな。
それにオッドアイは俺以外とも守護契約してるのもビックリだ。氷狼と聖鳥と仲良いからな。他の魔物ともだけど。
「ステータス見せてくれてありがとなオッドアイ」
「クァア!」
頭を撫でてやると尻尾を振って喜んでいる。マジ癒し。
こうして結構長いことゴーレム生活を続けて平和に過ごしていたから油断したのかも知れない。
いつだって死は突然だ。
その日オッドアイと森のみんなと山の麓を散歩していると、この辺りで見かけたことのない魔物がいた。
5mはある蠍に似た魔物だ。腕は4本、尻尾が2本ある。
向こうは俺達に気付いた途端戦闘態勢だ。これは中々強そうだとみんなで囲む。
4つある腕で森のみんなを掴もうとするのは俺の剛腕で弾き、森氷狼が氷の壁を出し防ぐがそれを沢山ある脚ですぐ破壊しすぐさま攻撃してくる。
雷兎が雷を落とし痺れさせ動きを遅くし翼樹鹿が木のつるで地面に縫い付け脚を止めさせ俺の剛腕と闇影鷹の目にも止まらぬ攻撃を繰り返し、怪我をしたものは聖歌鳥が回復して安定して攻撃できた。
俺は自分の体をよく理解していなかったんだよ、ゴーレムの固い体は物質強化で鉄に変化させたので蠍の攻撃は殆ど入らない。防御なんて考えず攻撃に専念してた。
もう少しで倒せそうだと止めを刺そうとしたとき声が聞こえた。
『ちょっとトロイ! 後ろにもいるよ~!』
のんびりしたサファイアの声。
ハッと振り返ると離れて俺達を見ているオッドアイとその護衛の森氷狼の後ろの森から、もう1体の蠍が出て来るのが見えた。
くっそ、全然気付かなかった! MP少ないから気配察知発動してなかったし。
気配察知はそのままでも多少効果はあるが、MPを消費して使った方が集中して調べられる。でも戦闘中にそんなことしてる暇なんてないし!
「後ろにもいるぞ!!」そう叫んで駆け出した。
森氷狼が氷の壁を出したり脚を氷らせたりするが大した足止めできていない。
蠍の2本の尻尾が一番弱いオッドアイを狙い振り落とされる!
氷狼がオッドアイを咥えて逃げようとするが間に合いそうにない。
とっさに間に入って尻尾の攻撃を受ける。今までの戦闘と今加速を使い走ってMPが切れた。
自分自身の体で受けた攻撃で俺の体が砕ける。尻尾の片方は俺の体を突き抜けたがオッドアイ達の避難が間に合った。
よかった。
そう思ったと同時に体の力が抜ける。え? なんで?
俺は知らなかったんだよ。そういやゴーレムって大抵の作品で力の源の核や魔石を持ってたなって。
スライムと同じでそれが壊されると死ぬってこと。
みんなの驚愕の表情と崩れる自分の体を見ながらしくったと気付いた。
サファイアの咆哮を聞きながら意識は薄れていった。
・
・
・
「あ~~やっちまった、みんな大丈夫かな?」
いつもの不思議な空間で目を覚ますと胡座をかいて座る。実体がないので気分だけど、やっちまったな。
俺がちゃんとゴーレムのことを理解してれば避けられたかもしれない。強化で防御力上げられてれば死なずに済んだだろうにな。
残った敵は死にかけ蠍ともう片方は元気な蠍だ。みんなだけで倒せるか心配だけど、サファイアがいたし大丈夫だろう。
あの蠍よりワイバーンの方がずっと強いし。
それでもできるだけ早く戻りたいけど、何に転生するかな…
転生ポイントは3416p貯まってる。かなりあるからちゃんと考えたい。
そうして暫く考えてやっと決めた。今回俺はこれになる!
■■ステータス■■【転生ポイント】3416p
【種族】本m群 総合★★ 必要3200p
HP ★★
MP ★★★
攻撃力 ★
魔力 ★★★
防御力 ★
耐性 ★★
素早さ ★★
器用さ ★★
幸運 ★
【スキル】4属性魔法Lv3 聖魔法Lv1 闇魔法Lv1 魔導の極意Lv1
初めて4桁のポイント使って転生するんだけど、3000p使ってもまだ★2つ程度の強さ。
巨人に会ったら手も足も出ない。
それでもこいつを選んだのはスキルだ。
これだけ魔法を覚えられるんなら全ての魔法を網羅できるんじゃないか? 分からんけど。
魔導の極意とか凄そうなスキルもあるし。
ただ空間魔法もあったら最高なんだけど、ほら荷物いくらでも持てるじゃん異空間にしまったりして。
でも今あるポイントで持ってる奴いないんだよね。
ということでこいつになります。
ただ問題が1つあって、こいつのいる場所がどこか不明なんだよね。
できればみんなに近い場所だといいんだけど…
・
・
・
「さて、ここはどこだろう?」
俺が目覚めたのは真っ暗な場所で、一ヶ所から横長の光が漏れていた。
よく分からんが狭いこの場所で剛腕を発動してそこを押して何とか出ると執務室みたいな部屋の中にいた。
念力で浮いて自分がいた場所を見ると机の引き出しの中だった。道理で何か狭くて動き辛かったわけだ。
何だかボロボロの家だ。壁が崩れてたり埃が溜まってたり。今の所人の気配もないので使われなくなった民家かも知れない。
とりあえずステータスを確認しようと、思ったらでっかい声が頭に響いた。
『ちょっとトロイ無事!?』
『トロイ死んだって聞いたよ! どういうこと!?』
『トロイなんで連絡途絶えたの!?』
怒涛の質問ラッシュが暫く聞こえる。
いやまぁ心配かけたと思うよ。サファイア、アス、アシタには。
でもちょっと落ち着こう! 一気に話しかけられても分からんから! みんなが落ち着くのを待って話しかけた。
「なぁみんなは無事か? あの蠍みたいな魔物は倒せたのか?」
『さそりが何か知らないけどトロイを殺した魔物はあたいがぶっ殺したわよ! あんなのにやられるなんてトロイ弱すぎなんだけど!』
『ってかなんでトロイ生きてるの? 死んだんじゃないの?』
『ね、サファイア姉ちゃんに死んだって聞いたよ!?』
俺が生きてることに困惑するアスとアシタ。
そりゃそうだよな、死んだら普通生き返ったりしないもん。
「俺は死んでも生き返れる祝福持ってるんだよ。だから俺が殺されても心配すんな」
『そうなの!? なら最初からそう言っときなさいよ! ほんとだめだめトロイね』
『弱いトロイにぴったりな祝福だねサファイア姉ちゃん!』
『弱いトロイでも安心できる祝福だねサファイア姉ちゃん』
酷い言われようにイラっとするが事実なので黙っておく。心配させたしな。
それからオッドアイや森のみんなの無事も聞けた。こいつらが言う無事が信用できるかは微妙なとこだけど。
死者が出てても分からんだろうからなこいつらには。
『全く、すぐ迎えに行くから待ってるのよ』
「いや別に迎えとかいらんから…って、聞いてるサファイア?」
『サファイア姉ちゃん出かけてったよ』
『サファイア姉ちゃん飛んでったよ』
迎えに来るとか恐ろしい話しに冷や汗が出る。
いやいやワイバーン襲来なんてここが町中ならヤバすぎだろ!
人間がどれくらい強いか分からないけど、サファイアにも人間にも危険だ。
すぐ移動しないと!
■■現在のステータス■■
【名前】トロイ 【転生ポイント】216p
【種族】本m群
【能力値】Lv1 HP70/70 MP280/280
【祝福】ポイント転生
【スキル】光合成Lv8 消化液生成Lv6 加速Lv8 念力Lv5 結界Lv4 剛腕Lv7 気配察知Lv6 自己修復Lv5 自己投擲Lv6 テイマーLv5 物質強化Lv5 育児Lv3 4属性魔法Lv4(1↑) 聖魔法Lv1 闇魔法Lv1 魔導の極意Lv1
【契約】
連絡契約_アス、アシタ
主従契約_雷兎、翼樹鹿、森氷狼、聖歌鳥、闇影鷹
守護契約_オッドアイ、サファイア
【称号】死の大地の愛し子
さっと今のステータスを確認する。
契約はやっぱりそのままになってるな。これなら多分森のみんなにも俺が生きてるって伝わるはず。
でもなぜかサファイアが連絡契約から守護契約に変わってるんだが。
後、風斬Lv3が消えて4属性魔法がLv1上がってる。統合されたのかもしれん。
とにかく早くここから出よう。
ふわふわ飛びながら窓に近付くと家々が見える。それも中世風ではなく中東とか砂漠の国風の石作りの家。
やっぱ町中かと一瞬焦るがよく見るとどれもひび割れや崩れた部分があったりとボロボロだ。
放棄された町って感じがする。
慣れない留め具式の窓、しかも錆びて固くなっているし手のない魔本なので苦労したが何とか開けて出ようとしたところで声をかけられた。
「本が…動いてる」
振り返るとそこにいたのは子供だった。
見るからにボロボロの服を着て痩せた子供。お風呂に入ってるのか怪しいほど汚れた体をしている。
相変わらず言葉が喋れないからな、どうするか…
そんな俺に無警戒で近付いてきて掴むと、ペラペラとページを捲る。
「…普通の本?」
『いや普通の本じゃねーんだけども』
不思議そうに俺をペラペラする子供に戸惑う。
空に浮かぶ本があったとしてそんな普通に持って捲るか普通?
少し考えてページに字を書き込む。「親はどうした?」
自分の体だからか、それとも字を書くことに慣れ親しんでたからか普通に書けた。
「すごい、勝手に文字が出てきた。読めないけど魔法の呪文かな?」
『読めねーのかよ』
やっぱ俺のいたとこと字が違うから分かんないか。
少し考えてこの…少年?少女? 髪伸び放題で顔もよく分からんが、それと親を描いた。
「ボクと……パパママ」
そう呟いた少年の悲しそうな顔を見てしくったと悟った。
そうだよな、こんな所に一人でいるんだ。親がいないに決まってるよな。
猛省しつつ考える。一人でいるこの子をこのまま放置はできないしどうするか。
とりあえず魔法で水を出す。入れ物がないから念力で浮かせた水の玉だ。
それを不思議そうに見る少年に水を飲む少年の絵を描いて見せる。
「飲んでいいの? ごくごく……美味しい!」
これまた疑うことなく水を飲んだ少年はうっすらと輝いた。
これはただの水じゃなくて聖魔法の回復も混ぜたんだよ。不健康そうな体してるから、ちょっとした怪我や病気ならこれで治るだろ。
何か食料でも探してきてやろうと窓から出ようとしたら呼び止められた。
「お姉ちゃんにもお水飲ませてあげたい!」
『姉ちゃんいんのか』
少年は部屋から出て行った。
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