ご援助契約成立。ルームシェアの相手は、まさかのお嬢様女子高生

さかき原枝都は

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Chapter 1:まさか援交目的で誘った女子高生と、援助契約するとは思ってもいませんでした。

第18話 同棲じゃない。あくまでもルームシェアだ! ACT 1

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「私をここに置いてください」
美愛は俺にそう言った。

「誰か拾ってくれる人いないかなぁ」そんな呑気な? 当ても無いことを言いながらも、実は本心はとても心細く不安だらけだったのかもしれない。
居心地がよかったのか? 
「明日出て行くよ」そんな事を言いたくないのに、言わないといけない美愛の気持ちをどうして俺は察してやれなかったんだろう。

いやいや違う。本来ならば、こんなことを俺は受け入れてはいけないのだ。
18歳の女子高生と同居するなんて。
世間ではあってはあってはならぬことだ。しかもだ、美愛は家出中。
彼女自体は家出じゃない。ただ帰りたくないだけだと言っていたが、これはもう立派な家出だ。

浮浪女子高校生。

関われば火の粉は間違いなく俺に飛び火する。リスクは大きい。
……最も、そのリスクの原因を作り上げたのはこの俺自身なのだが。

『援助交際』何故、あの時俺はあのキーワードを取り上げたのだろうか。
人肌が恋しかっただけなのか? セックスをしたいだけだったのか?
もしそれだけの事であるのなら、その欲求を満たす場所はいくらでもある。
一番手っ取り早いのはソープにでも行って遊んでくる。出会いを求めていたのなら『セフレ』と言うキーワードだってある。それなのに何故『援助交際』と言うキーワードを選択したんだろ。いまだにその真意は分からない。

あの日、俺が目覚めると美愛は俺の肩に自分の頭を乗せ、寄り添うように寝入っていた。
その姿がまるで俺に甘える猫の様に見えたのは、俺の願望を女子高校生と言う姿から、猫と言う姿へ変え、叶えたかったかもしれない。

傍に誰かが居てくれる。多分その誰かと言うのは、誰でもいい訳ではなかったんだろう。
美愛だから俺の心は揺れ動いたのかもしれない。

美愛の寝顔を静かに見つめていると、ゆっくりと彼女の瞼が開いた。
「あ、ごめんなさい。私も寝ちゃってた」

「別にいいよ」
「……うん」
「あのさ」
「うん」
「あの時言ったの本気なのか?」

「……。ごめん、迷惑だよね。こんなどこの誰かも分かんないのを一緒に住まわせるなんて。ありえないよね……いいよ、もう、忘れて」
「……忘れてって、もういいよって。またさっきみたいにどこの誰かも分かんねぇ男について行って……その目的だって分かってついていくんだろ」

「それは仕方ないよ。でもさぁ、あなたとの出会いも、もとはそうだったんだからね」
うっ! そこを突かれると何も言えねぇ。

「本当はね3日間、私ここで暮らしたんだなぁって思うと、たった3日だったけどちょっと名残惜しいんだ。今まで何人かの人の所にいたけど、何だろうやっぱり自分は、ここにいちゃいけないんだって言う気持ちが芽生えちゃうんだ。でもさ、ここにいる間は私を必要としてくれる人が……あ、これ、私の思い込みなんだけどね。私を頼りにしてくれて、私の存在の意味があるんだってちょっとだけ感じたんだ。……だからかもしれない。あんな事いっちゃったの」

「もう一度言うけど、その、叔父さんの所に戻る気は……」

「ないよ。叔父さんの所にいても、知らない人の所にいても。同じだから。同じだったら、まだ今の方がまだ気持ち的に少し楽かもしれないから」
「楽かもしれないって。でもさ、知らない男の所に行くって言う事はリスクも背負う事になるんだよな」

「リスクって?」
「……するんだろ。その、セックス」

美愛は少し顔を上げ
「まぁね、それって”あり”だから私を拾ってくれたんだと思うし。初めはさ、泊まるとこ確保するための手段だって思って我慢してたけど、最近は別に何とも思わなくなってきたし、逆に楽しんじゃおうて位に感じて来たったんだよね。ほら、私、自分で言うのもおかしいけど胸大きい方じゃない。みんな喜ぶんだよねぇ」

そりゃそうだろうな。現役女子高生を抱けるなんて言ったらそりゃ、やるよな。

「まったく、もし妊娠なんかしたらどうすんだよ」
「あ、そうだねぇ。みんながみんな付けてくれる訳じゃなかったからね。でもさ生理もちゃんと来てるし、妊娠はしていないと思うよ。なははは」

「馬鹿か、無茶苦茶だな」
「無茶苦茶。だね。でも、それでも。私を求めてくれることで私はその存在の意味があるんだって感じられる。もし、それすらも無かったら私の存在の意味も価値も何も無いって言う事になる。……だったら、生きている意味ある?」

「あるだろ。こうして生まれて来たんだから。生まれてきたことに対しての意味も価値もあるんだよ」
「こんな馬鹿で無茶苦茶な女子高生でも?」
「ああ、そうだ」

この時すでに俺の中では、美愛からのあの申し出を受け入れようとしていた。
例え、俺に対してリスクが生じようが、このまま美愛を手放すことは出来ないと感じ始めていた。最も、美愛が俺の傍にいてくれたらいいという願望はずっと抱いていたことは否定できない。

外の日差しが陰り始めていた。

「さてと、長居しちゃったね。私もう行くから」
美愛の手がキャラ熊のリュックを握った時。

「泊まっていけよ」

と、美愛を引き留めた。
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